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「仮想通貨を積立で買っているけれど、税金のことはまだ何も考えていない」という方は少なくないと思います。毎月コツコツ買うだけなら、慌てて確定申告を心配する必要はありません。暗号資産は保有しているだけでは課税されず、売却・使用・交換をした時点で初めて損益が発生する仕組みだからです。
ただし、「保有中は課税されない」ことと、「積立を続けている間は何もしなくていい」ことは別の話です。積立を続けるあいだ、毎回の購入によって暗号資産の取得単価は少しずつ動き続けます。この記事では、積立投資と税金の関係を、①課税されるタイミング、②取得単価が動く仕組み、③実際に売却したときの計算方法、④取引回数の目安、⑤管理を自動化する選択肢という順番で整理します。
目次
- 積立投資は「買うだけ」なら課税されない
- 積立を続けるほど、取得単価は動き続ける
- 一部だけ売却したときの計算(総平均法の考え方)
- 積立は取引回数がかさみやすい—年間50件という目安
- 取得単価の管理を自動化する選択肢
- よくある質問
積立投資は「買うだけ」なら課税されない
まず前提を確認します。国税庁のタックスアンサー(No.1524)によると、暗号資産を保有しているだけの状態、つまり含み益が出ている状態では所得は発生せず、課税対象にもなりません。所得として認識されるのは、次のいずれかを行った時点です。
- 暗号資産を売却して日本円に換えたとき
- 暗号資産で商品やサービスの代金を支払ったとき
- 保有する暗号資産を他の暗号資産と交換したとき
毎月の積立で暗号資産を買い増しているだけなら、このどれにも該当しません。価格が上がって評価額が増えていても、それは含み益であって、確定申告が必要になる所得ではないというのが基本の考え方です。制度の詳しい説明は国税庁タックスアンサーNo.1524で確認できます。
ここで注意したいのは、「暗号資産同士の交換」も課税のタイミングに含まれる点です。積立てたビットコインの一部を他の銘柄に乗り換えた場合、日本円を経由していなくても、その時点でビットコインを売却したのと同じ扱いになります。積立中は日本円から暗号資産への一方通行の購入が続くだけなので該当しませんが、途中で「積立てた分の一部を別の銘柄に組み替える」といった操作をすると、そこで課税イベントが発生する点は覚えておくとよさそうです。
年間の利益と給与収入を入れると、2026年分の現行制度に基づく所得税・復興特別所得税・住民税の概算差額と実効税率を表示します。→ 仮想通貨の税金シミュレーター
このほかの計算ツールは 仮想通貨の計算ツール一覧 にまとめています(税金・損益・積立・マイニング)。
売ったときに手元へいくら残るかは 利確シミュレーター で計算できます(税引後の手取りと負担率まで出ます)。
金額別に買える数量は ビットコインはいくらから買える? で確認できます(500円・1,000円・1万円ぶんの数量を表示)。
どこまで経費にできるかは 必要経費の判定ツール で確認できます(計上可・按分要・計上不可に分けて表示)。
毎月いくらから積み立てられるかは 積立は毎月いくらから? で計算できます(年率0%・-20%の場合も併記)。
利益額と給与収入の組み合わせごとの税額は 仮想通貨の税金 早見表 で一覧できます。
国内の登録業者は、1年分の取引をまとめた年間取引報告書を発行します。履歴を自分でつなぎ直す手間が減るぶん、損益計算に取りかかるまでが早くなります。口座開設と維持の費用はかからず、取扱銘柄や手数料体系は公式サイトで確認できます。
口座開設の手順を見る(無料) →PR・GMOコイン(GMOコイン株式会社)。手数料や取扱銘柄は変更されることがあるため、最新の内容は公式サイトでご確認ください。暗号資産は価格変動が大きく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
積立を続けるほど、取得単価は動き続ける
課税されるのが売却などのタイミングだけだとしても、その売却時の損益を計算するには「いくらで取得した暗号資産を売ったのか」という取得単価の情報が要ります。積立投資では、この取得単価が毎回の購入のたびに変わっていきます。
次の表は、毎月3万円ずつビットコインを買い続けた場合に、購入のたびに平均取得単価がどう動くかを示した架空の数値例です。価格は説明のために作ったもので、実際の相場とは関係ありません。
| 月 | 購入額 | 参考価格(円/BTC) | 購入数量(BTC) | 累計数量(BTC) | 累計取得額 | その時点の平均取得単価 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1月 | 30,000円 | 5,000,000円 | 0.006 | 0.006 | 30,000円 | 5,000,000円 |
| 2月 | 30,000円 | 6,000,000円 | 0.005 | 0.011 | 60,000円 | 約5,454,545円 |
| 3月 | 30,000円 | 7,500,000円 | 0.004 | 0.015 | 90,000円 | 6,000,000円 |
| 4月 | 30,000円 | 5,000,000円 | 0.006 | 0.021 | 120,000円 | 約5,714,286円 |
| 5月 | 30,000円 | 6,000,000円 | 0.005 | 0.026 | 150,000円 | 約5,769,231円 |
| 6月 | 30,000円 | 7,500,000円 | 0.004 | 0.030 | 180,000円 | 6,000,000円 |
表からわかるとおり、価格が下がった月は同じ3万円でも購入数量が増えて平均取得単価を押し下げ、価格が上がった月は購入数量が減って平均取得単価を押し上げます。これを繰り返しながら、積立てた金額の分だけ平均取得単価が形作られていきます。この例では7月以降も同じ価格の周期(500万円→600万円→750万円)を繰り返したとすると、12月末時点で年間の購入合計は36万円・0.060BTC、平均取得単価は600万円/BTCになります。この年間の数字は次の章の計算で使います。
毎月の購入記録(購入日・数量・支払った金額)を残しておくと、後で売却したときにこの平均単価をすぐ再現できます。取引所によっては古い履歴のダウンロード期間に制限がある場合もあるため、記録は積立を始めた時点から並行して残しておくと安心です。
一部だけ売却したときの計算(総平均法の考え方)
取得単価の計算方法には、総平均法と移動平均法の2種類があります。どちらを使うかで計算結果が変わりますが、評価方法の届出をしていない個人の場合は総平均法が適用されます。2つの方式の違いを実際の数字で比較したい場合は、総平均法と移動平均法の実例比較にまとめています。
ここでは、先ほどの積立例をそのまま使って、年の途中で一部を売却した場合の所得金額を計算してみます。前提として、この投資家は1月から12月まで毎月3万円の積立を続け、年間の購入合計は36万円・0.060BTCでした(総平均法による年間の平均取得単価は600万円/BTC)。この投資家が11月に0.020BTCを、その時点の価格680万円/BTCで売却したとします。
| 項目 | 金額・数量 |
|---|---|
| 年間の購入合計(1月〜12月) | 360,000円(0.060BTC) |
| 総平均法による年間の平均取得単価 | 6,000,000円/BTC |
| 11月に売却した数量 | 0.020BTC |
| 売却時の価格 | 6,800,000円/BTC |
| 売却額 | 136,000円 |
| 譲渡原価(0.020BTC×600万円) | 120,000円 |
| 所得金額 | 16,000円 |
総平均法では、年の途中で売った分の原価にも「その年1年間の購入全体」から計算した単価を使います。そのため、11月に売った分であっても、12月に買った分まで含めた年間の平均単価(600万円)で原価を計算することになります。年の途中の時点ではまだ年間の平均単価が確定していないため、実務上は年末の取引がすべて出そろってから計算する、という流れになりやすい点は知っておくとよいところです。
売却後に残った0.040BTCは、帳簿上600万円/BTCの単価で保有している扱いになり、翌年に売却するときの計算のもと(繰越残高)になります。
区分の判定や過年度の修正は、自分で調べるより暗号資産に詳しい税理士に確認したほうが早く済む場合があります。LINEの友だち追加は無料で、依頼を約束するものではありません。対応できる取引の種類と料金の目安をその場で質問できます。申告期限が近いほど、相談は早いほうが選択肢が残ります。
LINEで対応範囲と料金を聞く →PR・クリプト税理士。税務判断は所轄の税務署または税理士にご確認ください。
積立は取引回数がかさみやすい—年間50件という目安
積立投資で見落とされやすいのが、取引「件数」の多さです。上の例では年間の購入が12件、売却が1件で合計13件でしたが、積立の頻度を上げるとすぐに件数は膨らみます。
- 毎月積立…購入だけで年12件。売却を何回か加えても50件までかなり余裕がある
- 毎週積立…購入だけで年52件になり、この時点で50件のラインを超える
- 毎日積立…購入だけで年365件。年間で数百件規模になる
この件数が意味を持つのは、損益計算ツールを無料プランで使う場合です。たとえばクリプタクトの無料プランは、取引履歴のアップロード自体は年間10万件まで対応していますが、計算結果の画面表示は年間の取引が50件以内の場合に限られます。月イチ積立で年間の購入が12件程度に収まる人であれば無料プランの範囲で完結しやすい一方、週次・日次で積立している人や、積立に加えてステーキング・複数取引所の利用がある人は、50件を超えやすくなります。料金プラン(有料は年額6,600円〜)を公式サイトで見ると、自分の取引頻度でどのプランが必要になりそうか確認できます。
取引所ごとに履歴のダウンロード形式が異なる点も、積立を長く続けている人ほど負担になりやすい部分です。複数の取引所を併用している場合の手順は取引所別CSVダウンロード手順にまとめてあります。
取得単価の管理を自動化する選択肢
ここまでの計算を毎回手作業でやろうとすると、購入のたびに平均単価を再計算し、売却のたびに総平均法の年間集計をやり直す必要があります。積立の回数が増えるほど、この手計算は現実的ではなくなっていきます。損益計算を自動化する方法の全体像は仮想通貨の損益計算を自動化する方法で整理しています。
選択肢の一つが、取引所のCSVやAPI連携から取得単価と損益を自動計算してくれるツールです。クリプタクトのように総平均法・移動平均法の両方に対応したツールであれば、取得単価の再計算を都度手作業でやらずに済みます。無料プランでも年間50件までは結果を確認できるので、クリプタクトの無料プランで対応取引所を確認するところから試してみるのも一つの方法です。
件数が50件を超えそうな場合でも、積立を始めた段階でアカウントだけ作っておき、購入履歴を都度取り込んでおけば、実際に売却するタイミングで慌てずに済みます。登録自体には費用がかからないので、クリプタクト公式サイトで無料アカウントを作成することを積立を始めるタイミングで一緒に済ませておくと、後がラクになります。
よくある質問
積立を続けているだけなら、確定申告は不要ですか?
売却・使用・交換のいずれも行っていなければ、その年の暗号資産取引による所得はゼロなので、積立部分だけを理由に確定申告が必要になることはありません。含み益がどれだけ増えていても同様です。
積立てた暗号資産の一部を、別の暗号資産に交換した場合はどうなりますか?
日本円を経由しない交換であっても課税イベントに該当します。交換した時点の時価をもとに、交換前の暗号資産を譲渡したものとして所得を計算する必要があります。
総平均法と移動平均法はどちらを選べばいいですか?
届出をしなければ、個人は自動的に総平均法になります。移動平均法を使う場合は、暗号資産を初めて取得した年分の確定申告期限(原則翌年3月15日)までに評価方法の届出書を税務署に提出します。すでに総平均法で申告した後に変更したい場合は、変更したい年の3月15日までに変更承認の申請書を提出して承認を受ける手続きになります。どちらが自分の取引スタイルに合うかは、総平均法と移動平均法の実例比較で具体的な数字を見比べてみてください。
年間の取引が50件を超えそうなときは、どうすればいいですか?
無料プランのままだと計算結果の画面表示ができなくなるため、有料プランに切り替えるか、国税庁が公開している暗号資産の計算書(Excel)を使って自分で集計するかのどちらかになります。積立の頻度を月次に落として、そもそもの件数を抑えるという選択肢もあります。
売却して出た所得が少額でも申告は必要ですか?
給与所得者の場合、給与以外の所得の合計が年間20万円以下であれば所得税の確定申告が不要になる場合があります(住民税の申告は別途必要です)。この20万円の範囲に何が含まれるかは、20万円ルールの正確な意味で詳しく解説しています。
まとめ
- 暗号資産は保有しているだけでは課税されない。所得が発生するのは売却・使用・交換をした時点
- 積立を続けるあいだも、購入のたびに平均取得単価は動き続けるため、購入記録を残しておくことが売却時の計算に直結する
- 取得単価の計算方法は総平均法と移動平均法があり、届出がなければ個人は総平均法になる
- 積立の頻度が上がるほど年間の取引件数は増え、無料の損益計算ツールが対応する「年間50件」の範囲を超えやすくなる
- 取得単価の管理を自動化しておくと、実際に売却するタイミングでの計算をスムーズにできる
書籍で体系的に押さえたい方は、Amazonで「仮想通貨 税金」の書籍を探すという方法もあります。
取引所のCSVやAPIを読み込ませると、総平均法・移動平均法での年間損益がまとめて計算されます。無料の会員登録だけで対応取引所と計算結果の形式を確認できるので、手計算が必要な範囲を先に見極められます。
無料で年間損益を計算してみる →PR・クリプタクト(株式会社pafin)。対応取引所や機能は変更されることがあるため、最新の内容は公式サイトでご確認ください。本記事は一般的な情報提供であり、個別の税務判断は税理士または所轄の税務署にご確認ください。
本記事は一般的な情報提供であり、個別の税務判断は税理士または所轄の税務署にご確認ください。投資判断はご自身の責任でお願いします。
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