※本記事にはアフィリエイト広告(A8.net)を含みます。記載の内容は2026年8月時点で各公式サイトを確認したものです。画面構成・手順は変更されることがあるため、最新の情報は各取引所の公式ヘルプでご確認ください。
暗号資産の損益計算は、計算方法を考える前に「材料を揃える」作業から始まります。材料とは、各取引所の約定履歴と入出金履歴のことです。この記事では、国内の主要取引所であるbitFlyer・Coincheck・GMOコイン・bitbank・SBI VCトレードの5社について、取引履歴CSVをどの画面からダウンロードするのかを一社ずつ整理します。損益計算ツールに読み込ませることを前提にした、いわば「下ごしらえ」のための記事です。
なぜ取引履歴CSVを自分で集める必要があるのか
国内取引所の多くは、年に一度「年間取引報告書」を交付しています。それなら年間取引報告書だけで足りるのでは、と考えたくなりますが、実際には取引履歴CSVを別途集めたほうがよい場面が少なくありません。理由は主に次の3つです。
- 複数の取引所を使っている場合、通算の計算に全社分の明細が要る:暗号資産の所得計算では、取得価額を移動平均法または総平均法で通算して求めます。取引所をまたいで同じ通貨を売買していると、1社分の報告書だけでは取得価額の計算材料が揃わないことがあります。
- 取引所間の送金・ウォレットへの出庫が報告書に表れないことがある:取引所Aから取引所Bへコインを移した場合、その移動自体は損益を生みませんが、残高の整合を取るためには両方の入出金履歴が必要です。
- 損益計算ツールはCSVを読み込む設計になっている:クリプタクトなどの損益計算ツールは、各取引所が出力する取引履歴ファイルを取り込んで自動計算する仕組みです。つまりCSVを揃えることが、自動計算のスタートラインになります。
年間取引報告書だけでは移動平均法の計算に足りない場合がある、という点は一般論として知られていますが、ご自身の取引内容でどこまでの資料が必要になるかは状況によって異なります。判断に迷う場合は税理士や所轄の税務署に相談してください。損益計算ツールの選び方や全体の流れは、損益計算を自動化する方法のまとめ記事で解説しています。
また、年の途中で含み損の整理(いわゆる税金ロスカット)を検討する場合も、正確な取得価額が分からなければ判断のしようがありません。この観点は税金ロスカットの解説記事で扱っていますので、あわせてご覧ください。
ダウンロードの前に押さえておきたい共通ポイント
各社の手順に入る前に、5社に共通する注意点をまとめておきます。
- PCブラウザでの操作が基本:履歴のCSVダウンロードは、スマホアプリからはできない、またはやりづらい取引所が多くあります。PCでログインして作業するのが確実です。
- 「約定履歴」と「入出金履歴」はセットで取る:売買の記録だけでなく、日本円の入出金や暗号資産の送受金の記録も、残高の突合や送金の追跡に使います。
- ファイル作成に時間がかかる方式が多い:その場で即ダウンロードではなく、「作成をリクエストして、完成したら取得する」方式の取引所が目立ちます。確定申告の直前ではなく、余裕のある時期に一度取得しておくと安心です。
- ZIP形式で提供されることがある:解凍してCSVを取り出すか、ZIPのままツールに読み込ませるかは、使う損益計算ツール側の指定に従ってください。
- 過去分には遡及の期限や範囲があり得る:ダウンロードできる期間は取引所ごとに異なります。古い取引がある方ほど、早めの取得をおすすめします。
なお、取引所のサービス内容や画面は、規制動向の影響で変わることがあります。国内の規制の動きは規制の最前線の記事で追っていますので、背景を知りたい方はそちらもどうぞ。
5社の取得場所 早見表
| 取引所 | 入口となるメニュー | 主なファイル・形式 | 補足 |
|---|---|---|---|
| bitFlyer | ログイン後の左メニュー「お取引レポート」 | CSV | 作成リクエスト方式・完成時にメール通知 |
| Coincheck | 左メニュー「アカウント」→「取引履歴」 | ZIP(解凍するとCSV) | PCブラウザ限定 |
| GMOコイン | 会員ページ「明細」→「CSV」 | CSV | 「CSVを作成」→「実行」で生成 |
| bitbank | 右上アイコン→「データ」→「約定履歴」 | CSV(ZIP提供) | ペア・期間を指定して抽出 |
| SBI VCトレード | PC版取引システム「報告書」 | 損益計算用データ(ZIP内にCSV2種) | 報告書類はPDF |
それでは、各社の手順を順に見ていきます。
bitFlyer:「お取引レポート」から取得する
bitFlyerでは、取引履歴は「お取引レポート」というメニューにまとまっています。公式ヘルプで案内されている流れは次のとおりです。
- PCブラウザでbitFlyerにログインします。
- 画面左側のメニューから「お取引レポート」を選択します。
- 「お取引レポートのダウンロード」から、CSV形式でレポートを取得します。
bitFlyerのレポートは、その場で即時に落ちてくるのではなく、ダウンロードをリクエストするとbitFlyer側でレポートが作成され、完成すると登録メールアドレスに通知が届く方式です。また、レポートの更新リクエストは、前回の作成完了から24時間が経過するまで新たに出せません。リクエスト後に行った取引はそのレポートには反映されないため、年間分をまとめて取得したい場合は、対象期間の取引を終えたタイミングで作成するのが効率的です。
このほか、bitFlyerは年間取引報告書も交付しており、公式FAQに確認場所の案内があります。取引履歴CSVと年間取引報告書は役割が異なるので、両方を保管しておくと後で照合しやすくなります。
Coincheck:「アカウント」→「取引履歴」から取得する
Coincheckの取引履歴ダウンロードは、公式FAQによるとPCブラウザからログインしたときのみ利用でき、スマホアプリやスマホブラウザには対応していません。手順は次のとおりです。
- PCブラウザでCoincheckにログインします。
- 左メニューの「アカウント」から「取引履歴」を開きます。
- 取得したい期間の「ファイル作成」リンクをクリックします。
- ファイルの作成が完了したら「ダウンロード」をクリックし、ZIPファイルを保存します。
- ZIPファイルを解凍し、中のCSVファイルを確認します。
注意したいのは、当月分の取引履歴を作成すると「その時点までの履歴」になる点です。月の途中で作ったファイルには、それ以降の取引が入りません。確定した1か月分がほしい場合は、翌月に入ってから前月分を作成するのが公式の案内です。また、推奨ブラウザとしてGoogle Chromeの最新版が挙げられています。
もうひとつ、公式FAQにはステーキング報酬がこの取引履歴に含まれない旨の記載があります。ステーキングを利用している方は、その分の記録を別途確認しておく必要があります。なお、Coincheckは業界標準フォーマットでの取引履歴CSVの提供も行っており、こちらの取得方法も公式FAQに案内があります。損益計算ツールに読み込ませる場合、どのフォーマットに対応しているかをツール側で確認しておくとスムーズです。対応状況はクリプタクト公式サイトで対応取引所を確認することができます。
GMOコイン:「明細」→「CSV」から取得する
GMOコインは、公式サポートページに手順が簡潔にまとまっています。
- 会員ページにログインし、「明細」→「CSV」を開きます。
- 「CSVを作成」を選択し、「実行」を押します。
- CSVファイルが作成されます。取引履歴が多い場合は時間がかかることがあります。
- 作成が完了したら「CSVダウンロード」を押して保存します。
GMOコインで覚えておきたいのは、一度作成したCSVファイルは自動では最新化されないという点です。作成後に取引をした場合、古いファイルをダウンロードし直しても内容は変わりません。最新の内容がほしいときは、更新の操作を行ってファイルを作り直します。
また、公式のお知らせによると、2026年1月に取引履歴CSVのダウンロード可能期間が拡大され、暗号資産口座では2018年以降の履歴まで遡って取得できるようになりました。それ以前は直近5年分が対象だったため、古くから取引している方には助かる変更です。過去分をまだ手元に保存していない方は、この機会に取得しておくとよいでしょう。
bitbank:「データ」→「約定履歴」から取得する
bitbankの取引履歴は「データ」画面に集約されています。公式サポートの案内は次のとおりです。
- bitbankにログインし、画面右上の人型アイコンにカーソルを合わせ、メニューから「データ」をクリックします。
- 「約定履歴」など、取得したい履歴の種類を選択します。
- 通貨ペアと期間を指定して「抽出」を押します。
- 抽出が完了すると登録メールアドレスに通知が届きます。完了後、CSVファイル(ZIP形式)をダウンロードします。
bitbankは以前、一度にダウンロードできるデータ件数に制限がありましたが、公式のお知らせによると現在は件数無制限でダウンロードできるようになっています。取引回数の多い方でも、期間を細かく区切らずに取得しやすくなりました。
同じ「データ」画面からは、約定履歴のほかに入出金の履歴も取得できます。日本円の入出金や暗号資産の送受金の記録は損益計算の突合に使うので、約定履歴とあわせてダウンロードしておきましょう。また、bitbankでも年間取引報告書を確認できます。取得場所は公式サポートページに案内があります。
SBI VCトレード:「報告書」→ 損益計算用データを取得する
SBI VCトレードは、報告書類と損益計算用データが「報告書」メニューにまとまっています。公式サイトの案内による流れは次のとおりです。
- PC版取引システムにログインします。
- メニュー内の「報告書」を選択します。
- 「報告書種類」と「検索条件」を選択し、「検索」を押すと、閲覧できる報告書やデータが表示されます。
- 損益計算に使う場合は「損益計算用データ」(ZIPファイル)を取得します。
この損益計算用データのZIPには、約定履歴の「TRADE_RECORD_LIST」と、ウォレット口座・トレード口座のキャッシュフロー履歴「CASHFLOW」という2種類のCSVファイルが含まれています。損益計算ツールを使う場合は、この2つをセットで読み込ませる形になります。一方、取引報告書や年間取引報告書といった書類はPDF形式でのダウンロードです。
また、公式FAQには、環境によってCSVファイルが文字化けする場合の対処法が案内されています。文字化けしたときは、CSVをメモ帳で開き、文字コードを「UTF-8(BOM付き)」にして拡張子.csvで保存し直すと直るとされています。Excelで開いて中身が読めないときに慌てないよう、覚えておくと便利です。
この記事にない取引所を使っている場合
ここまで5社を取り上げましたが、国内にはほかにも取引所があります。基本の探し方は共通で、各社の公式ヘルプ・サポートページで「取引履歴 ダウンロード」「CSV」といったキーワードを検索することです。「明細」「レポート」「データ」「報告書」のような名前のメニューに履歴機能が置かれていることが多い、というのが5社を見てきた傾向ですが、憶測で操作するより公式ヘルプの案内に従うのが確実です。
もうひとつの近道として、損益計算ツール側のサポートページを見る方法があります。主要なツールは取引所ごとのファイル取得手順を自社のヘルプに整備しているため、使う予定のツールが決まっているなら、そちらの手順に沿って集めるのが結果的に早いこともあります。クリプタクト公式サイトで対応取引所の一覧を確認すると、自分の使っている取引所がカバーされているか事前に分かります。
集めたCSVはそのまま損益計算ツールへ
CSVが揃ったら、次は損益計算です。取引件数が少なければ表計算ソフトでの手計算も不可能ではありませんが、複数取引所・複数通貨・取引所間送金が絡むと、取得価額の通算を手作業で追うのは現実的ではなくなっていきます。損益計算ツールは、この記事で集めたようなCSVファイルを取り込んで、移動平均法・総平均法での計算を自動化してくれるものです。
ツール選びで最初に見るべきは、自分が使っている取引所のファイル形式に対応しているかどうかです。クリプタクト公式サイトで対応取引所と取込形式を確認することができます。ツール全般の比較や導入の流れは、当サイトの損益計算の自動化ガイドにまとめていますので、CSVを集め終えた方は次のステップとしてご覧ください。
よくあるつまずきと対処
| つまずき | 主な原因 | 対処 |
|---|---|---|
| ファイルが文字化けする | 文字コードと閲覧環境の組み合わせ | SBI VCトレードの公式FAQではUTF-8(BOM付き)での保存し直しが案内されています。他社でも同様の対処が有効な場合があります |
| 当月の取引が入っていない | 作成時点までの履歴しか含まれない方式(Coincheckなど) | 月が替わってから前月分を作成する |
| すぐに再作成できない | 作成リクエストの間隔制限(bitFlyerは24時間) | 対象期間の取引を終えてからリクエストする |
| 最新の取引が反映されない | 作成済みファイルは自動更新されない(GMOコインなど) | 更新の操作でファイルを作り直す |
| スマホから取得できない | PCブラウザ限定の機能(Coincheckなど) | PCでログインして操作する |
共通して言えるのは、どの取引所も「即時ダウンロード」ではなく「作成してから取得」の設計が主流だという点です。申告期限の直前にまとめてやろうとすると、作成待ちや反映漏れで思わぬ時間を取られます。
まとめ:履歴の確保は「取引が終わった直後」が最も楽
最後に、5社の要点をもう一度並べます。
- bitFlyer:左メニュー「お取引レポート」から。作成リクエスト方式で、更新は24時間に1回。
- Coincheck:「アカウント」→「取引履歴」から。PCブラウザ限定、ZIPで提供、当月分は途中経過。
- GMOコイン:「明細」→「CSV」から。作成→実行→ダウンロード。2018年以降まで遡及可能。
- bitbank:右上アイコン→「データ」→「約定履歴」から。ペアと期間を指定して抽出、件数無制限。
- SBI VCトレード:「報告書」から損益計算用データ(TRADE_RECORD_LIST・CASHFLOW)を取得。
取引履歴は、時間が経つほど「どの取引所で」「いつ」「何をしたか」の記憶が薄れ、集める作業が重くなります。年間の取引が一段落したタイミング、あるいは大きな売買をした直後に取得してしまうのが、結局いちばん楽な方法です。年末に向けた税制面の考え方は税制と季節性の記事で、損失を抱えている場合の整理の考え方は税金ロスカットの記事で解説しています。
なお、本記事は取引履歴データの取得方法を整理したものであり、個別の税務判断には踏み込んでいません。ご自身の申告にどの資料が必要か、計算方法をどう選ぶかといった具体的な判断は、税理士または所轄の税務署にご相談ください。CSVの取得から計算の自動化までを一気通貫で進めたい方は、クリプタクト公式サイトで詳細を確認するところから始めてみてください。