税金・確定申告

仮想通貨の損益計算はエクセル自作かツールか|作業量・ミスの起きどころ・費用で比較

本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含む場合があります。

※本記事にはアフィリエイト広告(A8.net)を含みます。記載の内容は2026年8月時点で国税庁の公開情報および各公式サイトを確認した一般的な解説であり、個別の税務判断については税理士または所轄の税務署にご確認ください。

※当サイトはAmazonアソシエイト・プログラムの参加者であり、適格販売により収入を得ています。

「仮想通貨 損益計算 エクセル ツール 比較」で検索している方は、おそらく確定申告を控えて、自分の場合はどちらで計算すべきか判断したいのだと思います。エクセルで自作する、国税庁が配布している計算書を使う、専用ツールを使う——この3つの選択肢は、必要な作業量もミスの起きやすさも費用もそれぞれ違います。

この記事では、3つの方法それぞれで具体的に何をする必要があるのか、どこでミスが起きやすいのか、費用はどのくらいかかるのかを整理し、自分の取引状況ならどれを選べば無理がないかを判断できる形にまとめます。2025年分の確定申告の期間は2026年2月16日から3月16日です。期限までに慌てないためにも、早い段階でどの方法を使うか決めておくと安心です。

目次

自作エクセルで計算する場合に必要な作業

暗号資産の売却益は、原則として雑所得に区分されます(国税庁タックスアンサーNo.1524)。雑所得の金額を計算するには、その年に売却した暗号資産の「譲渡原価」を出す必要があり、譲渡原価の計算には取得価額の把握が欠かせません。ここをエクセルで自作しようとすると、具体的には次の4つの作業が発生します。

全取引の転記

まず、使っている取引所の取引履歴を、購入・売却の別、日時、数量、金額が分かる形でエクセルに転記します。取引所によっては現物取引と証拠金取引が同じ履歴画面に混在していたり、入出金と売買が同じCSVに含まれていたりするため、対象となる取引だけを抜き出す作業が最初の関門になります。年に数回の売買であれば数十行で済みますが、積立や自動売買を使っている場合は年間の行数が大きく増えることも珍しくありません。

時価の取得

暗号資産同士を交換した場合や、商品・サービスの決済に使った場合は、その時点の時価で円換算する必要があります。日本円での売買であれば取引所の約定履歴にある金額をそのまま使えますが、暗号資産同士の交換になると「その瞬間の時価」を別途調べて記録しなければならず、転記の手間が一段増えます。

総平均法の数式

取得価額の計算方法には総平均法と移動平均法があり、評価方法の届出をしていない個人は総平均法を用いることになっています。総平均法は「年初に保有していた評価額」と「その年に取得した取得価額の総額」を合計し、保有数量の合計で割って1単位あたりの取得価額を出す方法です。式自体は複雑ではありませんが、暗号資産の種類(銘柄)ごとに集計を分ける必要があり、複数銘柄を保有しているとシートが銘柄の数だけ増えていきます。総平均法と移動平均法で結果がどう変わるかは、総平均法と移動平均法の実例比較で具体的な数字を使って比較しています。

複数取引所の突合

複数の取引所を使っている場合、1つの銘柄の取得価額を「取引所をまたいだ購入・売却の合計」で計算する必要があります。取引所Aで買ったコインを取引所Bに送金して売却した、というケースも珍しくなく、送金の履歴と売買の履歴を突き合わせて二重計上や計上漏れがないか確認する作業が加わります。取引所ごとにCSVの列構成や日時の表記が違うため、ダウンロードした時点でのフォーマット統一も必要です。取引所別のCSVダウンロード手順は取引所別CSVダウンロード手順まとめに整理しています。

ここまでの作業を自分で組んだエクセルでこなせば、費用はかかりません。一方で、転記・時価取得・数式・突合のどこか1箇所でも入力を誤ると、最終的な所得金額がずれます。件数が少ないうちは検算もしやすいですが、取引が増えるほど誤りに気づきにくくなります。

国税庁配布の「暗号資産の計算書」という中間の選択肢

エクセルを完全に自作する前に検討したいのが、国税庁が無償で配布している「暗号資産の計算書」です。総平均法用と移動平均法用の2種類が用意されており、国税庁のページからダウンロードできます。

この計算書は、暗号資産交換業者から送付される「年間取引報告書」の数値を所定の欄に入力すれば、総平均法での譲渡原価と所得金額が計算される仕組みです。総平均法の数式を自分で組む必要がない点は自作エクセルより手間が減りますが、次の点は変わりません。

  • 年間取引報告書に記載された数値を、計算書の欄に転記する作業は手作業のまま
  • 複数の取引所を使っている場合、それぞれの年間取引報告書を見ながら、銘柄ごとに数量・金額を合算してから入力する必要がある
  • 暗号資産同士の交換や、ステーキング・エアドロップなど「取引所の売買ではないイベント」は年間取引報告書に含まれないことがあり、その場合は別途金額を把握して加算する必要がある
  • 前年から暗号資産を保有している場合は、前年末時点の数量・評価額を自分で用意して入力欄に反映させる必要がある

つまり、「総平均法の計算式を自分で作らなくていい」という部分は解消されますが、「取引データを集めて転記する」という一番手間のかかる部分は残ります。年間の取引が数十件程度で、かつ1つの取引所しか使っていない場合は、この計算書だけで十分に完結します。

専用ツールを使う場合、何が変わるか

専用ツールは、取引所の取引履歴をCSVでアップロードするか、APIで連携することで、転記作業そのものを自動化します。対応している取引所であれば、複数の取引所の履歴を取り込んだ上で、銘柄ごとの合算や総平均法・移動平均法での計算まで一括で行われます。損益計算を自動化する仕組みの全体像は損益計算を自動化する方法で整理しています。

例えば、クリプタクトのようなツールでは、無料プランでも年間の取引が50件以内であれば結果表示まで完結します。50件を超えると有料プランが必要になり、料金は年額6,600円からとなっています(プラン内容は変更されることがあるため、最新の条件は公式サイトでの確認が前提です)。→クリプタクト公式サイトで無料プランの範囲を確認する

専用ツールを使う場合に自動化されるのは、主に次の3つです。

  • 取込:取引所のCSVやAPIから取引履歴をそのまま取り込めるため、行ごとの手入力が不要になります
  • 突合:対応している取引所同士であれば、送金でまたがった取引も含めて突き合わせが行われます
  • 計算:総平均法・移動平均法のどちらでも、銘柄ごとの取得価額と譲渡原価が算出されます

ただし、「対応取引所内なら」という条件が付く点には注意が必要です。ツールが対応していない取引所やウォレットの取引は、結局手入力になります。また、DeFiやNFTの取引は自動識別に対応しているツールでも、複雑な取引はツール側の識別結果を鵜呑みにせず、自分でも内容を確認したほうが安全です。

どこでミスが起きやすいか

3つの方法のどれを選ぶにしても、共通してミスが起きやすい箇所があります。あらかじめ把握しておくと、検算のときに確認すべきポイントが絞れます。

桁の間違い

暗号資産の取引履歴は、通貨によって小数点以下の桁数が細かく表示されることがあります。円換算の金額とコインの数量を転記する際に、桁を1つ打ち間違えるだけで結果が大きくずれます。特に手入力の場合、コピー&ペーストではなく直接入力している箇所は重点的に見直したほうが安全です。

日時の扱い

取引所によって、取引履歴の日時が日本時間で記録されているか、協定世界時(UTC)で記録されているかが異なります。年末年始をまたぐ取引がある場合、日時のタイムゾーンを誤ると、本来は当年の取引なのに翌年扱いになってしまう、あるいはその逆が起こり得ます。複数の取引所を使っている場合は特に、それぞれのCSVの日時表記を確認したほうが安全です。

手数料の扱い

売買手数料を取得価額に含めるか、必要経費として別に計上するかで、扱いが変わります。国税庁の計算書には「手数料等」という専用の入力欄が用意されており、そこに支払手数料などの必要経費を入力する形になっています。自作エクセルの場合、この欄を作り忘れて手数料を計算から抜け落としてしまう、あるいは取得価額と経費の両方に二重計上してしまう、といったミスが起こりやすい箇所です。

売買以外のイベント

ステーキング報酬やエアドロップでの受け取り、マイニング報酬などは、通常の売買とは別に「受け取った時点の時価」を収入として記録する必要があります。取引所の売買履歴だけを見ていると、こうした売買以外のイベントが記録から漏れやすく、自作エクセルでも国税庁の計算書でも、意識して別途拾わないと計算に反映されません。専用ツールの中には、こうしたイベントをウォレット連携で自動識別するものもありますが、対応範囲はツールによって差があります。

3つの方法の比較表

ここまでの内容を、項目ごとに一覧表で整理します。

項目 エクセル自作 国税庁の計算書(Excel) 専用ツール
費用 無料 無料 無料プランあり/超えると有料(クリプタクトは年額6,600円〜)
取引データの入力 すべて手作業 年間取引報告書の数値を手作業で転記 CSV取込・API連携で自動
総平均法・移動平均法の計算 自分で数式を作成 入力すれば計算される 自動計算
複数取引所の突合 自分で照合 自分で合算してから入力 対応取引所内なら自動
ステーキング等の識別 自分で把握して加算 自分で把握して加算 対応ツールなら自動識別
向いている取引量の目安 年間数十件程度まで 1取引所・年間数十件程度まで 複数取引所・件数が多い・ステーキング等がある場合

表のとおり、費用だけで見ればエクセル自作も国税庁の計算書も無料です。違いが出るのは「入力にかかる手間」と「計算式を自分で作る必要があるかどうか」の部分で、専用ツールは費用と引き換えにこの2つを自動化している、という整理になります。

結論:取引の状況で選ぶ

3つの方法を比較すると、どれが優れているというより、自分の取引状況にどれが合うかという話になります。

1つの取引所だけを使っていて、年間の売買が数十件程度であれば、国税庁の計算書で十分に完結します。年間取引報告書から数値を転記する手間はありますが、件数が少なければその手間自体が大きな負担にはなりません。費用もかからないため、まずはこの方法を試してみて、転記作業が負担に感じるかどうかで次を判断するのも1つの進め方です。

一方で、複数の取引所を使っている、年間の取引件数が多い、ステーキングやエアドロップなど売買以外のイベントがある、といった場合は、転記と突合の手間が急激に増えるため、専用ツールを使ったほうが現実的です。無料プランで対応取引所や使い勝手を確認してから、必要に応じて有料プランに切り替える進め方であれば、いきなり費用をかけずに試せます。→クリプタクト公式サイトで対応取引所と料金プランを確認する

要点を整理すると、次のようになります。

  • 1つの取引所・年間数十件程度の取引なら、無料の国税庁計算書で完結します
  • 複数取引所・件数が多い・ステーキングやエアドロップがある場合は、専用ツールのほうが手間を抑えられます
  • 評価方法の届出をしていなければ、個人は総平均法が基本になります
  • 桁・日時・手数料・売買以外のイベントは、どの方法でも見落としやすいポイントです

なお、そもそも確定申告が必要かどうかは、暗号資産の損益額が分かってから判断することになります。目安となる金額の考え方は、20万円ルールの正確な意味で詳しく解説しています。

よくある質問

Q. 取引が数件しかない年でも、国税庁の計算書を使ったほうがいいですか。

A. 取引件数が少ない場合は、エクセルを自作しても計算書を使っても、かかる手間に大きな差は出にくいです。ただし、総平均法の数式を自分で作る必要がない分、国税庁の計算書のほうが計算ミスのリスクは下げやすくなっています。無料で公式に配布されているものなので、件数が少ない年はまず計算書を試してみるのが手堅い進め方です。

Q. 複数の取引所を使っている場合、専用ツールなら何もしなくても正しく計算されますか。

A. 対応している取引所同士であれば、送金をまたいだ取引も含めて突合が行われるため、手作業での照合はほぼ不要になります。ただし、ツールが対応していない取引所やウォレットが1つでも含まれていると、その部分だけは手入力で補う必要があります。導入前に、自分が使っているすべての取引所・サービスが対応しているかを確認したほうが安全です。→クリプタクト公式サイトで対応取引所の一覧を確認する

Q. ステーキング報酬やエアドロップも、エクセル自作や国税庁の計算書で計算できますか。

A. 計算の仕組み自体は対応できますが、受け取った時点の時価を自分で調べて収入として加算する作業が別途必要です。通常の売買履歴には含まれないため、意識して拾わないと計算から漏れてしまいます。この部分を自動識別できるかどうかは、専用ツールを選ぶかどうかの大きな判断材料になります。

Q. エクセル自作から専用ツールへ、途中の年で切り替えても問題ないですか。

A. 仕組みの上では切り替え自体に問題はありませんが、切り替える年の年初時点で保有している暗号資産の数量・評価額を、ツール側に正しく引き継ぐ必要があります。前年までの計算結果(年末の保有数量と評価額)を手元に残しておき、ツール導入時の設定画面で年始残高として入力するようにすると、引き継ぎのミスを防ぎやすくなります。

書籍で体系的に押さえたい方は、Amazonで「仮想通貨 税金」の書籍を探すという方法もあります。

本記事は一般的な情報提供であり、個別の税務判断は税理士または所轄の税務署にご確認ください。投資判断はご自身の責任でお願いします。

Bitcoin Analyze 編集部