※本記事にはアフィリエイト広告(A8.net)を含みます。記載の内容は2026年8月時点の公開情報に基づく一般的な解説です。最新の条件は必ず公式サイト・国税庁でご確認ください。
仮想通貨(暗号資産)の取引で初めて利益が出た年は、「確定申告って、いつ・何から始めればいいの?」と戸惑う方がとても多いものです。確定申告書の提出期間は原則として2月16日から3月15日までですが、仮想通貨の申告は事前準備、特に「損益計算」に時間がかかるため、1月から動き始めるのが成功のコツです。本記事では、仮想通貨の確定申告が初めての人向けに、1月から3月までにやることを時系列で整理しました。上から順に読み進めれば、全体の流れと「今の時期にやるべきこと」が一気につかめる構成になっています。
目次
- 最初に押さえたい基礎知識(利益の扱いと申告が必要な人)
- 仮想通貨の確定申告スケジュール早見表(1月〜3月)
- 【1月前半】取引履歴・CSVをすべて集める
- 【1月後半】1年分の損益を計算する
- 【2月前半】申告の要否を判定し、書類をそろえる
- 【2月16日〜3月15日】申告書を作成して提出・納税する
- 初めての人がつまずきやすい3つのポイント
- よくある質問
- まとめ:初めての確定申告は「1月スタート」が合言葉
最初に押さえたい基礎知識(利益の扱いと申告が必要な人)
具体的な手順に入る前に、前提となる知識を2つだけ押さえておきましょう。ここを理解しておくと、この後の各ステップで「なぜこの作業が要るのか」が腑に落ちやすくなります。
仮想通貨の利益は原則「雑所得」
個人が仮想通貨の取引で得た利益は、原則として「雑所得」に区分されます(国税庁タックスアンサーNo.1524「暗号資産を使用することにより利益が生じた場合」)。雑所得は給与など他の所得と合算したうえで税率が決まる総合課税の対象で、所得が大きいほど税率も上がっていく仕組みです。
ここで注意したいのが、課税対象になるタイミングは「日本円への売却」だけではないという点です。ビットコインでアルトコインを購入するといった仮想通貨同士の交換や、仮想通貨での買い物(決済利用)でも、その時点の時価で損益が発生したものとして扱われます。「日本円に換えていないから利益は出ていない」というのは、初めての年に特に多い勘違いなので、早い段階で認識を改めておきましょう。
会社員は「20万円」がひとつの目安
給与を1か所から受け取っていて年末調整が済んでおり、給与収入が2,000万円以下の会社員の場合、給与所得・退職所得以外の所得の合計が20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要とされる場合があります(国税庁タックスアンサーNo.1900)。
ただし、これはあくまで所得税に関するルールです。所得税の申告が不要なケースでも、住民税については市区町村への申告が別途残る点に気をつけてください。また、医療費控除やふるさと納税(寄附金控除)などで確定申告をする場合には、20万円以下の利益も含めて申告する必要があります。判定条件の詳細は「仮想通貨の20万円ルールの解説記事」で整理していますので、自分が当てはまるか不安な方はあわせてご覧ください。
仮想通貨の確定申告スケジュール早見表(1月〜3月)
まずは全体像です。提出期間は原則2月16日〜3月15日ですが、仮想通貨の申告は「データ集め」と「損益計算」という準備作業の比重が大きいため、逆算すると1月から動き出すのが理想的です。
| 時期 | やること | 目安の作業量 |
|---|---|---|
| 1月前半 | 利用した全取引所・ウォレットから年間の取引履歴(CSV・年間取引報告書)を入手する | 1〜2時間 |
| 1月後半 | 1年分の損益を計算する(国税庁の計算書Excel、または損益計算ツール) | 半日〜数日 |
| 2月前半 | 申告の要否を判定し、必要書類(源泉徴収票・マイナンバーカードなど)をそろえる | 1〜2時間 |
| 2月16日〜3月15日 | 確定申告書を作成して提出し、納税まで済ませる(e-Tax推奨) | 半日程度 |
この表からわかるとおり、作業の山場は2月ではなく1月にあります。損益計算さえ終わっていれば、申告書の作成そのものは半日程度で終わるケースが多く、提出期間を余裕を持って迎えられます。逆に、2月後半から慌てて着手すると、データの取り寄せが間に合わずに期限ギリギリで焦ることになりがちです。
【1月前半】取引履歴・CSVをすべて集める
年が明けたら最初にやることは、前年1月1日〜12月31日の取引データを漏れなく集めることです。損益計算の精度は、この段階でデータをどれだけ完全にそろえられるかで決まります。
集めるべきデータの範囲は、想像より広いことが多いです。次のチェックリストで洗い出してみてください。
- 国内取引所の取引履歴CSV・年間取引報告書(1月中旬以降に順次交付されることが多いです)
- 海外取引所の取引履歴(日本の取引所と同様に計算対象です)
- 販売所・積立サービスでの購入履歴
- ウォレット間の送金履歴(送金手数料も記録しておくと安心です)
- ステーキングやレンディングなどの報酬受け取り履歴
特に注意したいのが、すでに使っていない取引所のデータです。口座を解約してしまうと履歴の再取得が難しくなる場合があり、サービス終了や撤退があると入手手段そのものが失われることもあります。少しでも取引した取引所は、年明け早々にデータを確保しておきましょう。取引所ごとのCSVの取得手順は「取引所別CSVダウンロードガイド」で画面付きに近い粒度でまとめています。
【1月後半】1年分の損益を計算する
データがそろったら、いよいよ損益計算です。初めての方にとって最大の関門ですが、やり方は大きく2通りに分かれます。
前提:計算方法は「総平均法」か「移動平均法」
仮想通貨の取得価額の評価方法には、総平均法と移動平均法の2つがあります。税務署に評価方法の届出書(様式A1-20)を提出していない個人は、法定の評価方法である総平均法で計算することになります。初めての申告で届出をした覚えがなければ、総平均法と考えてよいでしょう。2つの方法の違いと選び方は「総平均法と移動平均法の比較記事」で詳しく解説しています。
方法1:国税庁の計算書(Excel)を使う
国税庁は、暗号資産の損益を計算するためのExcel計算書(総平均法用・移動平均法用)を無料で配布しています。利用した取引所が1〜2社で、取引が「日本円での購入と売却」中心のシンプルな内容であれば、この計算書に年間取引報告書の数字を転記していく方法で十分対応できます。費用をかけずに済むのが最大のメリットです。
方法2:損益計算ツールを使う
一方、複数の取引所を使っている、仮想通貨同士の交換をしている、海外取引所やステーキング報酬があるといった場合、Excelでの手計算は途端に難易度が上がります。取引の種類ごとに時価を調べて円換算する作業が膨大になるためです。
そこで現実的な選択肢になるのが、クリプタクトのような損益計算ツールです。取引所からダウンロードしたCSVをアップロードすると、取引を自動で突き合わせて年間損益を計算してくれます。無料プランでも取引履歴の保存は年間10万件まで対応し、損益計算結果の表示は年間の取引が50件以内であれば可能です。取引件数が少ない年なら、無料の範囲だけで計算が完了する可能性もあります。まずは自分の取引件数が収まるかどうか、クリプタクト公式サイトで無料プランの範囲を確認することから始めてみてください。
件数が50件を超える場合は、年間300件まで対応するBasicプラン(6,600円/年)からの有料プランが用意されています。手計算に費やす時間と計算ミスのリスクを考えると、取引が多い方ほどツール代の元は取りやすいと言えます。
【2月前半】申告の要否を判定し、書類をそろえる
損益の金額が確定したら、次は「そもそも自分は確定申告が必要なのか」を判定します。会社員の方は、先ほど触れた20万円の目安(給与1か所・年末調整済み・給与収入2,000万円以下などの条件付き)に当てはまるかを確認しましょう。当てはまれば所得税の確定申告は不要とされる場合がありますが、その場合でも住民税の申告は市区町村に対して別途必要になる点は繰り返し強調しておきます。
申告が必要と判定されたら、提出期間が始まる前に以下をそろえておくとスムーズです。
- 損益計算の結果(計算書Excelやツールの出力)
- 源泉徴収票(会社員の場合。申告書への添付は不要ですが、数字の転記に使います)
- マイナンバーカード(e-Taxをマイナンバーカード方式で使う場合)
- 取引にかかった経費の記録(出金手数料、書籍代、ツール利用料など、認められる範囲は事前に確認を)
- その他の控除に関する書類(ふるさと納税の受領書、医療費の明細など)
この段階までに書類がそろっていれば、2月16日の受付開始と同時に提出することも可能です。早く出せば、その分だけ気持ちも楽になります。
【2月16日〜3月15日】申告書を作成して提出・納税する
提出期間に入ったら、確定申告書を作成します。初めての方には、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使ったe-Tax提出がおすすめです。画面の案内に沿って入力するだけで税額まで自動計算され、マイナンバーカードとスマートフォン(またはICカードリーダー)があれば自宅から提出まで完結します。
仮想通貨の利益は、雑所得の「その他」の欄に入力します。作成コーナーには暗号資産の収入を入力する項目が用意されており、種目や支払者(取引所名)、収入金額、必要経費を入れていく流れです。ステップ2で作った損益計算の結果があれば、ここでの入力は転記作業にすぎません。
忘れてはいけないのが納税です。確定申告は「提出して終わり」ではなく、算出された所得税を期限までに納めて完了します。振替納税(口座引き落とし)、クレジットカード納付、スマホアプリ納付、コンビニ納付など複数の方法があるので、自分に合ったものを選びましょう。利益が大きかった年は納税資金の確保も重要です。仮想通貨の利益は円で手元に残っているとは限らないため、納税分の資金を早めに用意しておくと安心です。
初めての人がつまずきやすい3つのポイント
最後に、初めての確定申告で実際につまずきやすいポイントを3つに絞って紹介します。事前に知っておくだけで回避できるものばかりです。
1. 取引データが後から手に入らない
もっとも深刻なのがこれです。解約済みの取引所、サービスを終了した取引所、日本から撤退した海外取引所などは、履歴の再取得が難しくなることがあります。対策はシンプルで、「取引をしたら履歴はためずに定期的にダウンロードしておく」こと。今年の申告を終えたら、来年に向けて数か月に一度のCSVダウンロードを習慣にしておくと、翌年の1月が格段に楽になります。
2. 仮想通貨同士の交換・決済利用の見落とし
基礎知識のパートで触れたとおり、仮想通貨同士の交換や決済利用も損益計算の対象です。「円に換えた分だけ計算すればいい」と思い込んで計算すると、後から差分の説明がつかなくなります。取引の種類が多い方は、こうした取引も自動で処理してくれる計算ツールの利用を検討する価値があります。どのツールが自分に合うかは「損益計算ツールの選び方ガイド」で比較していますので、選定の参考にしてください。
3. 手計算の限界を見誤る
取引が年に数回であればExcelで問題ありませんが、積立購入だけでも年間の取引件数は意外と積み上がります。毎日積立なら1銘柄で年365件です。件数が増えるほど手計算のミスは起きやすく、間違いに気づいて最初からやり直すことも珍しくありません。自分の取引スタイルがツール向きかどうか、クリプタクト公式サイトで対応取引所とサービスの一覧を確認すると判断しやすくなります。普段使っている取引所がカバーされていれば、CSVを入れるだけで計算が進む環境を作れます。
よくある質問
Q1. 利益が20万円以下なら、何もしなくていいのですか?
いいえ。20万円以下で所得税の確定申告が不要とされる場合でも、住民税の申告は市区町村へ別途必要です。また、医療費控除や住宅ローン控除の1年目などで確定申告をする場合は、20万円以下の利益もあわせて申告することになります。条件が複数あるため、迷ったら20万円ルールの解説記事や所轄の税務署で確認してください。
Q2. 損失しか出ていない年でも申告は必要ですか?
仮想通貨の損失だけで他に申告すべき所得がなければ、申告義務は基本的に生じません。ただし、仮想通貨の雑所得の損失は給与所得など他の区分の所得と相殺(損益通算)できず、翌年への繰り越しもできません。一方で、同じ年の他の雑所得(副業収入など)とは通算できる場合があるため、該当する方は申告することで税負担が軽くなる可能性があります。
Q3. 総平均法と移動平均法、初めてならどちらを選べばいいですか?
評価方法の届出をしていない個人は、法定評価方法である総平均法で計算します。移動平均法を使いたい場合は、税務署への届出(様式A1-20)が必要です。どちらが有利かは取引パターンによって変わるため、違いを理解したうえで選びたい方は総平均法と移動平均法の比較記事を参考にしてください。初年度は届出なし=総平均法で申告するケースが大半です。
Q4. 損益計算ツールは無料で使えますか?
クリプタクトの場合、無料プランで取引履歴の保存が年間10万件まで、損益計算結果の表示は年間取引50件以内まで対応しています。取引件数が少なければ無料の範囲で完結する可能性があり、超える場合は年間300件まで対応するBasicプラン(6,600円/年)などの有料プランに移行する形です。最新の料金体系や機能の違いは、クリプタクト公式サイトで料金プランの詳細を確認するのが確実です。
Q5. 3月15日に間に合いそうにないときはどうすればいいですか?
期限を過ぎてからの申告(期限後申告)になると、無申告加算税や延滞税が課される場合があります。まずは期限内提出を最優先に、1月からの前倒し準備で時間切れを防ぎましょう。どうしても間に合わない事情がある場合や、過去の年分の申告漏れに気づいた場合は、放置せずに早めに所轄の税務署へ相談することをおすすめします。自主的な期限後申告は、税務調査後の指摘より負担が軽くなる場合があります。
まとめ:初めての確定申告は「1月スタート」が合言葉
仮想通貨の確定申告が初めての人がやるべきことを、時系列でおさらいします。
- 1月前半:全取引所・ウォレットから取引履歴とCSVを集める(解約済み・海外も忘れずに)
- 1月後半:総平均法(届出なしの場合)で1年分の損益を計算する。シンプルなら国税庁の計算書Excel、取引が多いならツールを活用
- 2月前半:20万円の目安などから申告の要否を判定し、必要書類をそろえる
- 2月16日〜3月15日:作成コーナー+e-Taxで申告書を提出し、納税まで完了させる
初年度に一番高く感じる壁は、間違いなく損益計算です。逆に言えば、データさえ早めに確保してしまえば、残りの工程は一本道です。この記事の流れに沿って1月から少しずつ進めて、余裕のある初めての確定申告にしていきましょう。
※本記事は情報提供を目的としており、投資や税務の判断を推奨するものではありません。個別の税務判断は税理士または所轄の税務署にご確認ください。