税金・確定申告

スマホだけで仮想通貨の確定申告は完結するか|損益計算から提出までの3段階で整理

本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含む場合があります。

※本記事にはアフィリエイト広告(A8.net)を含みます。記載の内容は2026年8月時点で国税庁の公開情報および各公式サイトを確認した一般的な解説であり、個別の税務判断については税理士または所轄の税務署にご確認ください。

※当サイトはAmazonアソシエイト・プログラムの参加者であり、適格販売により収入を得ています。

「仮想通貨の確定申告は、スマートフォンだけで終わらせられるのか」という疑問を持つ方は少なくないと思います。結論からいうと、申告書の作成や提出そのものは、国税庁のスマホ対応が進んでいるため、スマホでも進めやすい部分が大きくなっています。

ただし、確定申告という作業を分解すると、実際には「損益計算」「申告書作成」「提出」という3段階に分かれており、スマホで完結しやすいかどうかは段階によって差があります。この記事では、どの段階がスマホで進めやすく、どの段階に時間がかかりやすいのかを順番に整理し、事前に準備しておくとよいことと、スマホ完結を目指すときの現実的な流れをまとめます。

目次

確定申告は「損益計算→申告書作成→提出」の3段階に分かれます

仮想通貨の確定申告を「スマホでできるか」と考えるとき、申告という作業をひとまとめに捉えてしまうと、答えがぼやけてしまいます。実際の作業を分解すると、大きく分けて次の3段階です。

  • ①損益計算…1年間の取引履歴から、暗号資産の所得金額を計算する
  • ②申告書作成…計算した所得金額をもとに、確定申告書を作成する
  • ③提出…作成した申告書を税務署に提出する

暗号資産の所得は、原則として雑所得に区分されます(国税庁タックスアンサーNo.1524)。この所得区分を前提に、②と③の作業を進めることになります。

このうち②申告書作成と③提出については、国税庁の確定申告書等作成コーナーがスマホからの利用に対応しており、e-Taxでの送信も、マイナンバーカード方式(マイナポータル連携)またはID・パスワード方式のいずれかで行えます。つまり、後半2段階はもともとスマホで進められる余地が大きい部分です。

3段階それぞれについて、スマホでできることと注意点を整理すると、次の表のようになります。

段階 スマホでできること 注意点
①損益計算 損益計算ツールの結果をブラウザで確認する 取引所からの履歴収集や取得価額の計算そのものは、画面の大きさよりデータの揃え方が影響します
②申告書作成 確定申告書等作成コーナーで、画面の案内に沿って所得金額を入力する 入力する所得金額は①で計算済みであることが前提です。金額は事前にメモしておくと入力時に迷いません
③提出 e-Taxでマイナンバーカード方式またはID・パスワード方式により送信する どちらの方式で送信するかは、事前に準備しておく必要があります(詳しくは後述します)

この表からわかるとおり、②と③はスマホ対応が前提になっている一方、①は「計算した結果を確認し、入力する」という工程しか含まれていません。つまり、スマホで完結するかどうかの分かれ目は、実質的に①をどう乗り切るかにかかっています。

いちばんの難所は1段目—スマホの画面サイズより「データ」の問題

①損益計算がなぜ難所になりやすいかというと、原因はスマホの操作性ではなく、取引データを揃えて計算するという作業の性質そのものにあります。この点は、PCで作業する場合でも基本的に変わりません。

具体的には、次のような作業が発生します。

  • 利用している取引所・ウォレットごとに、1年分の取引履歴をダウンロードする
  • 複数の取引所を使っている場合は、履歴の形式や項目名の違いを揃える
  • 暗号資産同士の交換や、商品購入への利用など、日本円を介さない取引も含めて洗い出す
  • 総平均法または移動平均法で、取得価額と譲渡原価を計算する

取引所ごとにCSVのダウンロード手順や項目名は異なり、事業者によってダウンロードできる履歴の期間が変わることもあります。取引所別の手順は取引所別CSVダウンロード手順まとめに整理していますので、履歴を集める段階で迷ったときの参考にしてください。

取得価額の計算を自分でエクセルなどに手入力していく方法も選択肢としてはありますが、取引の回数が増えるほど、総平均法・移動平均法の再計算は複雑になっていきます。この段階の負担は、スマホかPCかという端末の違いよりも、履歴データがどれだけ整理されているかで決まる部分が大きいといえます。

損益計算をツールに任せれば、あとは数字を入力するだけになります

①損益計算をツールに任せてしまうと、②申告書作成の作業は「計算済みの所得金額を入力するだけ」まで単純化できます。損益計算を自動化する方法の全体像は仮想通貨の損益計算を自動化する方法で整理していますが、ここではスマホ完結という観点から、クリプタクト(Cryptact)を例に確認します。

クリプタクトはWebサービスとして提供されており、スマホのブラウザからも利用できます(専用アプリの有無や、アプリごとの機能については本記事では扱いません)。取引所からダウンロードしたCSVを取り込む、またはAPIで連携すると、取得価額と年間の損益を計算してくれる仕組みです。

料金プランは、無料プランであれば年間の取引が50件までの場合に計算結果を画面で確認でき、それを超える件数の結果表示や上位機能を使う場合は有料プランが必要になります。有料プランはBasicが年額6,600円からで、取引件数に応じて上位のプランが用意されています。クリプタクトの無料プランで実際の取引履歴を試してみると、自分の取引件数がどのあたりに収まるかを確認できます。

年間の取引件数が50件を超えそうな場合は、有料プランに切り替えるか、国税庁が公開している暗号資産の計算書(総平均法用・移動平均法用のExcel)で自分で集計するかを選ぶことになります。料金プランの詳しい内容は、クリプタクト公式サイトで料金プランを確認するところから判断すると迷いにくくなります。

ツール側で1年分の所得金額が1つの数字にまとまってしまえば、②申告書作成の段階でスマホの画面に入力する情報量は大きく減ります。難所だった①の作業量を、あらかじめ圧縮しておくというイメージです。

申告書作成・提出の前に準備しておくこと

②申告書作成と③提出をスマホでスムーズに進めるには、次のような準備を早めに済ませておくと当日の作業がラクになります。

  • マイナンバーカード方式で送信する場合…マイナンバーカードそのものと、カードに設定した暗証番号(パスワード)を事前に確認しておきます。マイナポータルとの連携が必要になります
  • ID・パスワード方式で送信する場合…税務署で発行を受けたID・パスワードを準備しておきます。マイナンバーカードを使わずに提出したい場合の選択肢です
  • 損益計算ツールのアカウント…取引履歴の取り込みには時間がかかることもあるため、申告書作成コーナーを開く前の段階でアカウントを作り、履歴を反映させておきます
  • 評価方法の確認…暗号資産の取得価額は総平均法または移動平均法で計算します。評価方法の届出をしていない場合は総平均法が適用されるため、自分がどちらで計算しているかを確認しておきます

e-Taxでの送信方式にどちらを選ぶかによって、当日までに用意するものが変わります。e-Taxの案内は国税庁のe-Taxサイトにまとまっているので、自分がどちらの方式で送信するかを事前に決めておくと、申告書作成コーナーに進んだときに迷いにくくなります。

損益計算をツールに任せず自分で集計を続けるかどうかも、この段階で決めておきたいところです。判断材料はエクセル自作とツールの比較にまとめていますので、取引の頻度や件数と照らし合わせて選んでください。

スマホ完結を目指すときの現実的な流れ

ここまでの内容を踏まえて、スマホ完結を目指す場合の現実的な流れを順番に並べると、次のようになります。

  1. 取引のある取引所・ウォレットをすべて洗い出し、損益計算ツールのアカウントを作っておく。クリプタクト公式サイトで無料アカウントを作成するところから始めると、年内のうちに取引履歴を反映させやすくなります
  2. 各取引所からCSVをダウンロードし、ツールに取り込む(またはAPIで連携する)
  3. ツールが計算した年間の所得金額を確認する。件数が無料プランの範囲を超えている場合は、有料プランへの切り替えを検討する
  4. マイナンバーカード方式かID・パスワード方式か、送信方法を決めて準備する
  5. スマホで国税庁の確定申告書等作成コーナーを開き、雑所得の欄に3で確認した所得金額を入力する
  6. 入力内容を確認し、e-Taxで送信する

この流れのうち、スマホの操作としていちばん時間がかかるのは5と6ではなく、2の履歴収集と1のアカウント準備です。逆にいうと、1と2を年内に前倒しで済ませておけば、3以降はスマホの画面上で完結しやすい作業になります。

よくある質問

仮想通貨の確定申告は、スマホだけで提出まで終えられますか?

申告書の作成と提出そのものは、国税庁の確定申告書等作成コーナーとe-Taxがスマホに対応しているため、進めることができます。ただし、その前段階である損益計算(取引履歴の収集と計算)は、ツールを使うか自分で計算するかにかかわらず、事前に済ませておく必要がある作業です。

マイナンバーカードがなくても提出できますか?

e-Taxでの送信には、マイナンバーカード方式のほかにID・パスワード方式もあります。ID・パスワード方式では、税務署で発行を受けたID・パスワードを使って送信するため、マイナンバーカードを使わずに提出することも可能です。

損益計算そのものもスマホでできますか?

クリプタクトのようなWebサービスであれば、スマホのブラウザから利用すること自体は可能です。ただし、取引所からのCSVダウンロードなど、取引所側の操作が挟まる場面もあるため、履歴を集める段階では端末による作業のしやすさに差が出ることがあります。

年間の所得が少額でも確定申告は必要ですか?

給与所得者の場合、給与以外の所得の合計が年間20万円以下であれば、所得税の確定申告が不要になる場合があります(住民税の申告は別途必要です)。この20万円の範囲に何が含まれるかは、20万円ルールの正確な意味で詳しく解説しています。

損益計算ツールの結果を、そのまま申告書に転記して問題ないですか?

ツールが計算した所得金額を確定申告書等作成コーナーに入力するという流れ自体は一般的な使い方です。ただし、計算結果を最終的にどう申告するかの判断は利用者自身が行うことになるため、内容に迷う場合は税理士または所轄の税務署に確認しておくと安心です。

まとめ

  • 確定申告は「①損益計算→②申告書作成→③提出」の3段階に分かれ、②と③は国税庁のスマホ対応が進んでいる
  • いちばん時間がかかるのは①損益計算で、原因はスマホの画面サイズではなく取引履歴の収集と計算というデータの問題
  • ①をツールに任せてしまえば、②では計算済みの所得金額を入力するだけになる
  • マイナンバーカード方式かID・パスワード方式か、送信方法は事前に決めて準備しておく
  • 取引所の洗い出しとツールへの履歴取り込みを前倒しで済ませておけば、あとの工程はスマホで進めやすくなる

書籍で体系的に押さえたい方は、Amazonで「仮想通貨 税金」の書籍を探すという方法もあります。

本記事は一般的な情報提供であり、個別の税務判断は税理士または所轄の税務署にご確認ください。投資判断はご自身の責任でお願いします。

Bitcoin Analyze 編集部