税金・確定申告

仮想通貨の確定申告をe-Taxで行う流れ|雑所得の入力箇所と準備物

※本記事にはアフィリエイト広告(A8.net)を含みます。記載の内容は2026年8月時点の公開情報に基づく一般的な解説です。最新の情報は公式サイト・国税庁でご確認ください。

仮想通貨(暗号資産)の利益を確定申告するとき、税務署の窓口に並ばずに自宅から提出まで完結できるのがe-Taxです。「仮想通貨の申告をe-Taxでやってみたいけれど、どの画面のどこに入力すればいいのかわからない」という声は毎年多く聞かれますが、実際にやってみると、入力箇所は雑所得(その他)の欄にほぼ集約されており、迷うポイントは限られています。本記事では、e-Tax申告の前にそろえる準備物、国税庁「確定申告書等作成コーナー」での入力箇所、添付書類とデータ保存の考え方、スマホ申告の対応状況までを一気に整理します。確定申告全体のスケジュール感からつかみたい方は、先に「初めての確定申告の流れを時系列で整理した記事」を読んでから戻ってくると、この記事の位置づけがより明確になります。

目次

e-Tax申告の前にそろえる4つの準備物

e-Taxで仮想通貨の確定申告をする場合、事前にそろえておきたいものは大きく4つです。まずは一覧表で全体像を確認してください。

準備物 主な用途 補足
マイナンバーカード e-Taxへのログインと電子署名 電子証明書のパスワード(利用者証明用4桁・署名用6〜16桁)も事前に確認
読み取り対応スマホ または ICカードリーダー マイナンバーカードの読み取り スマホをカードリーダー代わりに使う方式が主流になりつつあります
年間損益の計算結果 雑所得の「収入金額」「必要経費」の入力元 国税庁の計算書Excelや損益計算ツールで事前に作成
源泉徴収票(給与がある方) 給与所得の入力元 申告書への添付は不要で、数字の転記にのみ使用

マイナンバーカード

e-Taxをマイナンバーカード方式で使う場合の中心になるのがマイナンバーカードです。カード本体に加えて、交付時に設定した2種類のパスワード(利用者証明用電子証明書の数字4桁、署名用電子証明書の英数字6〜16桁)を使う場面があります。パスワードを忘れてしまった場合や入力を規定回数間違えてロックされた場合は、市区町村の窓口などで再設定の手続きが要ります。申告期限の直前に気づくと間に合わないおそれがあるため、カードとパスワードの状態は早めに確認しておくと安心です。

読み取り対応スマホ または ICカードリーダー

マイナンバーカードの情報を読み取る手段として、マイナンバーカード読み取りに対応したスマートフォン、またはパソコンに接続するICカードリーダーのどちらかを用意します。近年はパソコンで申告書を作成する場合でも、画面に表示される2次元コードをスマホのマイナポータルアプリで読み取ってログインする流れが用意されており、ICカードリーダーを新たに購入しなくても済むケースが増えています。手持ちのスマホが対応機種かどうかは、マイナポータルなど公式の案内で確認できます。

年間損益の計算結果

仮想通貨の申告でもっとも重要な準備物がこれです。後述するとおり、作成コーナーで入力する数字は実質的に「収入金額」と「必要経費」に集約されるため、1年分の取引を集計した損益計算の結果が手元にあるかどうかで、入力作業の難易度がまったく変わります。計算の元になる取引履歴の集め方は「取引所別CSVダウンロードガイド」を、そもそもどの取引が課税対象になるのかは「仮想通貨の課税タイミングの解説記事」を参考にしてください。

取引所が複数ある方や仮想通貨同士の交換をしている方は、手計算よりも損益計算ツールの利用が現実的です。たとえばクリプタクトなら、取引所からダウンロードしたCSVをアップロードするだけで年間損益を自動計算でき、無料プランでも取引履歴の保存は年間10万件まで、損益計算結果の表示は年間取引50件以内まで対応しています。自分の取引がカバーされるかどうか、クリプタクト公式サイトで無料プランの対応範囲を確認するところから始めると、e-Tax当日の作業が転記だけになります。

源泉徴収票(給与がある方)

会社員など給与所得がある方は、勤務先から交付される源泉徴収票を手元に置いておきます。作成コーナーでは支払金額や源泉徴収税額などを転記する場面がありますが、源泉徴収票そのものを添付・提出する必要はありません。また、マイナポータル連携の設定をしている場合は、源泉徴収票などのデータを取得して該当欄へ自動入力できる場合もあります。

e-Taxの本人確認方式は3パターン

e-Taxで申告データを送信するときの本人確認には、主に次の3つの方式があります。自分の環境に合わせて選びましょう。

方式 用意するもの 特徴
マイナンバーカード方式(スマホ読み取り) マイナンバーカード+読み取り対応スマホ 現在の主流。パソコン作成時も2次元コード経由でログイン可能
マイナンバーカード方式(ICカードリーダー) マイナンバーカード+ICカードリーダー 対応スマホがない場合の選択肢
ID・パスワード方式 税務署で発行されたID・パスワード 税務署での本人確認が前提。マイナンバーカード普及までの暫定的な方式とされています

これから始める方は、マイナンバーカード方式を選んでおけば税務署に出向く必要がなく、画面の案内に沿って利用開始の手続きから申告書の送信までオンラインで進められます。

確定申告書等作成コーナーでの入力箇所(雑所得「その他」)

準備物がそろったら、国税庁の確定申告書等作成コーナーにアクセスして申告書を作成します。個人が仮想通貨の取引で得た利益は原則として雑所得に区分されるため、入力する場所は「雑所得(その他)」の欄です。

入力画面までのたどり着き方

作成コーナーでの大まかな流れは次のとおりです(e-Taxのよくある質問「作成コーナーで「雑所得(その他)」を入力したい」でも案内されています)。

  1. 作成コーナーのトップから「作成開始」を選び、e-Tax(マイナンバーカード方式など)で進む
  2. 所得税の申告書作成に進み、「申告する所得の選択等」の画面で「雑(業務・その他)」にチェックを入れる
  3. 「収入・所得の入力」の画面で「雑所得(業務)・雑所得(その他)」を選ぶ
  4. 「+雑所得を入力する」ボタンを押して、取引内容の入力欄を開く

画面の名称やボタンの文言は年分によって変わることがあります。細部が違っていても慌てず、雑所得(その他)の入力にたどり着くという目的だけ押さえて、画面の案内に従って進めてください。

種目・支払者名など、入力欄に書く内容

「+雑所得を入力する」で開いた画面では、おおむね次のような項目を入力します。

  • 種目:プルダウンから候補を選ぶ方式です。年分によっては暗号資産に相当する選択肢が用意されています。見当たらない場合は「その他」を選び、「暗号資産取引」などの名称を入力すれば差し支えありません
  • 支払者(業者)の氏名・名称:利用した暗号資産交換業者(取引所)の名称を入力します
  • 所得の生ずる場所:支払者の住所・所在地などを入力する欄です。取引所の所在地を入力します
  • 収入金額:損益計算で求めた年間の総収入(売却額など)を入力します
  • 必要経費:売却した仮想通貨の取得価額や手数料など、計算済みの経費合計を入力します

国税庁の案内でも、暗号資産の収入は「雑所得(その他)」の入力画面で、暗号資産の計算書などから求めた収入金額と必要経費を転記する形で入力すると説明されています。複数の取引所を使っている場合は、「+雑所得を入力する」から行を追加して取引所ごとに入力できます。入力後は画面が税額まで自動で計算してくれるので、電卓を叩く必要はありません。

損益計算さえ済んでいれば、入力は短時間で終わる

ここまで読んで気づいた方も多いと思いますが、作成コーナーで仮想通貨のために入力する数字は、突き詰めれば「収入金額」と「必要経費」の2つです。つまり、e-Tax申告の作業全体を10とすると、9は「1年分の取引をこの2つの数字にまとめる損益計算」であり、作成コーナーでの入力そのものは残りの1にすぎません。計算結果が手元にあれば、雑所得欄の入力は数分から十数分の転記作業で終わるのが実態です。

逆に言えば、損益計算が終わっていない状態で作成コーナーを開いても、入力欄を前に手が止まるだけです。取引が年に数回のシンプルな内容なら国税庁の計算書Excelで足りますが、複数取引所・仮想通貨同士の交換・海外取引所などが絡む場合は、CSVを取り込んで自動計算してくれるツールに任せるほうが速く、ミスも減ります。どのツールが自分に合うかは「損益計算ツールの選び方ガイド」で比較していますが、対応取引所数の多さで選ぶなら、まずクリプタクト公式サイトで対応取引所・対応コインの一覧を確認するのが早道です。普段使っている取引所がカバーされていれば、e-Tax当日の作業は「数字を2つ転記して送信する」だけになります。

添付書類は基本不要。ただし計算根拠は手元に保存する

e-Taxで仮想通貨の申告をする場合、損益計算に使った書類の提出は基本的に不要です。具体的には、暗号資産の計算書、取引所からダウンロードした取引履歴CSV、年間取引報告書などは、申告書に添付して送信する必要はありません。国税庁の案内でも、暗号資産の計算書は確定申告書に添付して提出する必要はないとされています。源泉徴収票も同様に添付不要です。

ただし、「提出しなくてよい」と「捨ててよい」はまったく別の話です。申告内容について後日税務署から問い合わせがあった場合や税務調査の場面では、収入金額と必要経費の根拠を自分で説明できる必要があります。国税庁の案内でも計算書は保管しておくことが推奨されており、計算過程のわかる資料一式(計算書・取引履歴・年間取引報告書・ツールの計算結果など)は、申告が終わったあとも少なくとも5年程度は保存しておくのが安心です。取引所の口座を解約すると履歴を再取得できなくなる場合があるため、申告のタイミングでデータをローカルに確保しておく習慣をつけましょう。

スマホ申告の対応状況(一般論)

「パソコンを持っていないので、スマホだけで完結させたい」という方も増えています。国税庁はスマートフォン向けの申告環境を年々拡充しており、スマホの画面に最適化された作成コーナーから、雑所得(暗号資産の利益を含む)の入力とe-Tax送信まで行える体制が整えられています。マイナンバーカードの読み取りもスマホ本体で行えるため、理屈のうえでは「マイナンバーカード+対応スマホ+損益計算の結果」の3点だけで申告が完結します。詳しくは国税庁の特集ページ「スマホとマイナンバーカードでe-Tax!」で最新の対応状況を確認してください。

また、マイナポータル連携を設定しておくと、給与所得の源泉徴収票などのデータを取得して自動入力できる場合があり、スマホの小さな画面で転記する手間を減らせます。一方で、損益計算そのもの、つまり複数の取引所のCSVを集めて集計する作業は、画面の大きいパソコンのほうが圧倒的にやりやすいのが実情です。「計算はパソコンやツールで済ませ、提出だけスマホで行う」という分担にすると、それぞれの得意分野を活かせます。

よくある質問

Q1. e-Taxを使うために、事前に税務署へ届出が必要ですか?

マイナンバーカード方式で利用する場合、開始届出書を別途提出しなくても、作成コーナーの画面の案内に沿って利用開始の手続きを進められる仕組みになっています。マイナンバーカードと読み取り環境さえあれば、思い立った日に作成から送信まで完了させることも可能です。一方、ID・パスワード方式を使いたい場合は、税務署での本人確認を経てIDの発行を受ける必要があるため、事前に一度出向くことになります。

Q2. 複数の取引所を使っている場合、入力はどうすればいいですか?

作成コーナーの雑所得(その他)の入力画面では、「+雑所得を入力する」から行を追加できるため、取引所ごとに支払者名を分けて入力する方法が分かりやすいです。損益計算ツールで全取引所を合算して計算している場合の記載方法など、判断に迷うケースは、画面の案内を確認したうえで所轄の税務署に相談すると確実です。

Q3. 取引履歴のCSVや計算書は、e-Taxで送信する必要がありますか?

いいえ、基本的に送信・添付は不要です。作成コーナーに入力するのは計算結果の数字だけで、その根拠となる計算書や取引履歴を提出する場面は通常ありません。ただし本文で触れたとおり、これらは申告内容の根拠として手元に保存しておくものです。申告が済んだからといって削除せず、計算過程を再現できる状態で残しておいてください。

Q4. 損益計算がまだ終わっていません。e-Taxの前に何をすればいいですか?

まず利用した全取引所から取引履歴を集め、年間の損益を確定させることが先決です。取引件数が少なければ国税庁の計算書Excelでも対応できますが、件数が多い方や仮想通貨同士の交換がある方は計算ツールの利用が現実的です。クリプタクトの場合、無料プランで年間取引50件以内なら損益計算結果の表示まで可能で、超える場合は年間300件まで対応するBasicプラン(6,600円/年)などが用意されています。最新の料金体系はクリプタクト公式サイトで料金プランの詳細を確認するのが確実です。

Q5. 申告期間中、e-Taxはいつでも送信できますか?

確定申告期間中のe-Taxは、メンテナンス時間帯を除いて24時間利用できるとされています。税務署の開庁時間に縛られないのはe-Taxの大きな利点で、平日の夜や休日に自宅から送信することも可能です。ただし、期限直前はアクセスが集中しやすく、マイナンバーカードのパスワードロックなど想定外のつまずきが起きても取り返す時間がありません。余裕を持った日程で送信まで済ませておきましょう。

まとめ:e-Taxの壁は「入力」ではなく「計算」

仮想通貨の確定申告をe-Taxで行う流れを、要点だけおさらいします。

  • 準備物は4つ:マイナンバーカード、読み取り対応スマホ(またはICカードリーダー)、年間損益の計算結果、源泉徴収票(給与がある方)
  • 入力箇所は雑所得(その他):作成コーナーで「雑(業務・その他)」にチェックし、種目・支払者名(取引所名)・収入金額・必要経費を入力。細部は画面の案内に従えばOK
  • 入力自体は短時間:作業の9割は損益計算。収入金額と必要経費が確定していれば、作成コーナーでの入力は転記だけ
  • 添付は不要でも保存は続ける:計算書・取引履歴は提出不要だが、根拠資料として申告後も保存する
  • スマホ完結も可能:スマホ向け作成コーナーが整備されており、計算はPC・提出はスマホという分担も有効

e-Taxそのものは、画面の案内に沿って進めば迷いにくい仕組みに年々改善されています。差がつくのは、その手前の損益計算をどれだけ早く終わらせられるかです。取引履歴の確保と計算を先に片づけて、送信ボタンを押すだけの状態で申告期間を迎えましょう。

※本記事は情報提供を目的としており、投資や税務の判断を推奨するものではありません。個別の税務判断は税理士または所轄の税務署にご確認ください。

Bitcoin Analyze 編集部