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損益計算ツールの画面には、年間の損益が日本円で表示されています。数字はもう出ている。あとはこれを申告書に載せるだけ、のはずが、その「載せる場所」がどこなのかで手が止まる、という段階です。取引所から取り出した年間取引報告書も、そのまま提出する書類ではありません。
確定申告ソフトを開いても、最初に案内されるのは事業の売上や経費、あるいは給与の入力で、暗号資産という語はどこにも見当たらないことがあります。実際には、暗号資産の利益は多くの場合「雑所得」として扱われ、その入力欄は所得の種類を選ぶ画面の中にあるとされています。探す場所さえ分かれば、入力そのものは数値を写す作業です。
この記事では、損益計算で確定させた金額をマネーフォワード クラウド確定申告に雑所得として入力し、e-Tax(電子申告)での提出まで進める流れを整理します。画面の名称や配置は改修で変わることがあるため、項目の考え方を中心に説明します。税金の全体像は仮想通貨の税金ガイドも参考にしてください。
入力を始める前にそろえておく資料
入力中に資料を探しに行くと、金額の取り違えが起きやすくなります。先に手元へ集めておくものを整理します。
| 資料 | 入手先 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 年間の損益計算結果 | 損益計算ツール | 雑所得の収入金額と必要経費 |
| 取引履歴のファイル | 各取引所・ウォレット | 計算根拠として保存 |
| 年間取引報告書 | 国内取引所 | 集計結果の照合 |
| 源泉徴収票 | 勤務先 | 給与所得の入力 |
| 各種控除証明書 | 保険会社など | 所得控除の入力 |
| 本人確認・認証手段 | マイナンバーカードなど | 電子申告の送信 |
年間取引報告書は提出書類ではありませんが、損益計算ツールが出した数字と桁が合っているかを見る照合材料になります。桁が一つ違う、といった取り込み漏れはこの段階で気づけることがあります。
会計ソフトは雑所得の入力欄を用意しますが、取引所をまたいだ取得価額の計算まではしません。クリプタクトはクレジットカード登録なし、メールアドレス登録だけでFreeプランを始められます。まず自分が使っている取引所の対応状況と、CSVの取込結果を確認してください。
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雑所得として入力する手順
- 申告する年分を確認し、その年度の入力画面を開く。
- 所得の種類を選ぶ画面で、給与所得のほかに雑所得に相当する区分を選ぶ。「雑所得」「その他の所得」といった名称の入力欄がある場合があります。
- 種目や所得の名称を入れる欄があれば、暗号資産による所得と分かる記載をする。
- 収入金額の欄に、損益計算ツールで確定させた年間の総収入金額を入力する。
- 必要経費の欄に、取引手数料など差し引ける支出を入力する。
- 源泉徴収票の内容を給与所得として入力する。
- 社会保険料控除や生命保険料控除など、所得控除と税額控除を入力する。
- 税額と納付額を確認し、提出方法を選んで送信または印刷提出を行う。
収入金額と必要経費は分けて入れる
損益計算ツールが画面上で目立たせるのは差引後の損益であることが多いのですが、申告書側は収入金額と必要経費を分けて記載する構成になっている場合があります。利益額だけを収入金額の欄に入れてしまうと、経費を二重に差し引く形になったり、逆に経費が反映されないまま提出されたりすることがあります。
ツール側に、総収入金額と取得原価・手数料が分かる形の出力があれば、それに合わせて入力するのが安全です。どの数字をどの欄に入れたかを控えておくと、翌年の作業や問い合わせのときに再現しやすくなります。
種目の書き方と行の分け方
雑所得の入力欄には、種目や概要を記載する欄が用意されている場合があります。「暗号資産」「暗号資産取引」といった記載にしておくと、何による所得かが後から見て分かります。書き方に厳密な決まりがあるわけではないとされていますが、原稿料や公的年金など他の雑所得と同じ行にまとめず、分けて入力しておくほうが整理しやすくなります。
必要経費に入れられるもの・判断が分かれるもの
取引手数料、送金手数料、暗号資産の取得に直接かかった費用は、必要経費として扱われるのが一般的とされています。クリプタクトのような損益計算ツールの利用料も、暗号資産の所得計算のために支出したものとして整理できると考えられます。
一方、パソコンの購入費、通信費、書籍代、セミナー費用などは、その所得を得るために直接必要だったと説明できる範囲で按分するという考え方になります。全額を経費にできるとは限らず、私的な利用との区分が問われる場合があります。
判断に迷う支出は、無理に入れるより保留にして、税務署や税理士に確認したほうが確実です。金額の大きい支出ほど、根拠を残しておく価値があります。
入力後に確認しておきたい数字
20万円基準の扱い
給与所得者で、給与以外の所得の合計が20万円以下であれば所得税の確定申告は不要とされる基準があります。ただし医療費控除やふるさと納税などのために確定申告をする場合は、20万円以下の雑所得も含めて申告することになるとされています。住民税については別枠で申告が必要になる場合があります。
損益通算と繰越しはできない
暗号資産の雑所得は総合課税で、給与所得や事業所得との損益通算はできず、損失の翌年繰越しも認められていないとされています。前年の損失を今年の利益から引く、といった入力欄を探しても見つからないのは、制度上そもそも用意されていないためです。
控除を自分で引かない
基礎控除48万円や給与所得控除(最低55万円)は、申告ソフト側が自動で計算する構成になっている場合が多いです。あらかじめ自分で差し引いた金額を入力すると、二重に控除された状態になります。控除前の金額をそのまま入れるのが基本です。
提出までと提出後の手続き
電子申告を選ぶ場合、マイナンバーカードと読み取りに対応したスマートフォンやカードリーダーを使う方法と、税務署で発行される識別番号と暗証番号を使う方法があるとされています。ソフトから直接送信できる構成の場合もあれば、データを書き出して国税庁側の画面で送信する構成の場合もあるため、手順は実際の画面の案内に従ってください。
提出後は、納付書、口座振替、電子納税、クレジットカード納付などの方法で納税します。納付の期限は申告期限と同じ日に設定されているのが通例のため、申告だけ済ませて納付を忘れると延滞税が生じる場合があります。
送信後の受信通知や申告データ、損益計算の根拠となった履歴は、翌年の取得価額の引き継ぎのためにも保存しておくと役立ちます。関連する解説は税金・確定申告カテゴリにまとめています。
よくある質問(FAQ)
このソフトだけで暗号資産の損益計算までできますか
一般的な個人向けの確定申告ソフトは、取引履歴から取得価額を計算する機能までは想定していない場合が多いとされています。雑所得の金額を入力する欄は用意されていても、その金額を作る工程は損益計算ツールや自分の集計で埋める必要があります。
年間取引報告書をそのまま提出すればよいですか
年間取引報告書は取引所が発行する参考資料で、それ自体が申告書ではありません。記載内容をもとに所得金額を計算し、申告書へ入力するという使い方になります。複数の取引所を使っている場合は、すべてを合算した金額で計算する必要があるとされています。
複数の取引所を使っている場合はどう入力しますか
取引所ごとに行を分けるのではなく、同じ通貨の取得価額を通算したうえで、暗号資産の雑所得として合計額を入力するのが一般的とされています。コインチェックなどの国内取引所と海外取引所を併用している場合も、履歴をすべて集めたうえで計算する前提です。
勤務先に知られずに申告できますか
住民税の納付方法を選ぶ欄が用意されている場合があり、給与から差し引く方法ではなく自分で納付する方法を選べることがあります。ただし自治体の運用によって扱いが異なる場合があるとされているため、確実性を求めるなら居住地の自治体に確認するのが安全です。
まとめ
入力作業そのものは、損益計算で確定させた収入金額と必要経費を、雑所得の欄へ分けて写すだけです。つまずきやすいのは入力の難しさではなく、どの画面のどの区分に入れるのかが分からない点と、差引後の利益だけを入れてしまう点の二つに集約されます。
先に資料をそろえ、収入金額と必要経費を分けて把握し、控除は自分で引かずソフトに任せる。この三点を守れば、提出までの流れは大きく崩れにくくなります。これから取引所を増やす予定がある人は、履歴の取り出しやすさも見ておくとよく、口座選びの観点は仮想通貨の始め方ガイドで扱っています。
画面の名称、料金、対応機能は変更されることがあるため、最新の情報は各社の公式情報で確認してください。
免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。最新の情報は公式情報をご確認ください。
判断に迷う部分は、税理士への相談も選択肢になります。スキルマーケット「ココナラ」で確定申告の相談相手を探す(PR)。最終的な申告内容の判断はご自身の責任となるため、所轄の税務署への確認と併せてご検討ください。