税金・確定申告

リステーキングの基本と論点|同じ資産を重ねて使うことで何が積み上がるのか

本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含む場合があります。

※本記事にはアフィリエイト広告(A8.net)を含みます。記載の内容は2026年8月時点で国税庁の公開情報および各公式サイトを確認した一般的な解説であり、個別の税務判断については税理士または所轄の税務署にご確認ください。

ステーキングで得た資産を、そのまま置いておくのではなく、もう一度何かに使えないかと考えたことはないでしょうか。近年、この発想を仕組みとして提供する「リステーキング」と呼ばれるサービスが増えています。

ただし、同じ資産を重ねて使うということは、得られるものが増えるのと同時に、注意すべき点も増えるということでもあります。この記事では、リステーキングの基本的な考え方と、押さえておきたい論点を整理します。

先に触れておくと、リステーキングは複数のサービスに資産を重ねて預ける仕組みであるため、DeFiの利用に共通するリスクとして資金を失うおそれがあります。層が重なるほど、どこにどんなリスクがあるのかが分かりにくくなる点も、本文で詳しく取り上げます。

「同じ資産をもう一度使う」という発想

リステーキングとは、すでにステーキングしている資産、またはその資産を表すトークンを、別のサービスの安全性を担保するためにさらに活用する仕組みの総称です。特定の1つのサービスを指す言葉ではなく、こうした「資産の再利用」という考え方全体を指すものだと捉えると分かりやすくなります。

ステーキングそのものは、ネットワークの運営に資産を差し出す代わりに報酬機会を得る仕組みです。リステーキングは、この「差し出した資産」を、もう一段別のところでも役立てようとする発想から生まれています。1つの資産から複数の役割を引き出せる可能性がある一方で、その分だけ考えるべきことも増えます。同じ元手で何かを二重・三重に働かせようとすれば、それぞれの場所で発生する条件やリスクも同時に引き受けることになる、という点は覚えておいて損はありません。この後の項目で、その両面を順番に見ていきます。

仕組みの概略:担保の再利用とは

リステーキングの流れを大まかに整理すると、次のようになります。

  • あるネットワークに資産をステーキングする
  • その状態を表す権利やトークンを受け取る、または保有し続ける
  • その権利やトークンを、別のサービスの安全性の担保としてさらに預け入れる(これがリステーキングにあたる部分です)
  • 担保を受け入れたサービス側から、追加の報酬機会が生まれる

ポイントは、最初にステーキングした資産そのものが、形を変えながら複数の場所で「担保」としての役割を果たす点です。ステーキングした資産を直接引き出さずに流通・活用できるようにする仕組みはリキッドステーキングの解説記事でも取り上げていますが、リステーキングはこうした仕組みとも関係が深く、同じ資産の「もう一段の活用」という点で発想が共通しています。担保として預け直す先が増えれば増えるほど、1つの資産が支えている役割の数も増えていく、という理解で全体像はつかめます。

重なるのは収益機会だけでなく、リスクも

資産を重ねて活用すれば、その分だけ報酬機会が増える可能性があります。ただし、リステーキングで重なるのは収益機会だけではありません。それぞれの層が抱えているリスクも、同じように積み上がっていきます。層ごとに何が増えていくのかを整理すると、次のようになります。

収益機会 スラッシングなどの罰則リスク コントラクトリスク 記録すべき取引数
層1:通常のステーキング ベースとなる報酬機会が1つ ステーキング先のネットワークのルール分 ステーキング先のサービス分 預け入れ・報酬受取という基本セット
層2:受け取った権利・トークンを別サービスの担保にする 層1の報酬に加え、担保提供先からの報酬機会が上乗せ 層1のルールに加え、担保提供先のルール違反リスクも加算 層1のサービスに加え、担保提供先のコントラクトも対象に 層1の記録に加え、担保提供・新たな報酬受取の記録が追加
層3:さらに別サービスで再利用する 報酬機会がさらに増える可能性 罰則リスクの対象となるネットワーク・サービスがさらに増える 関与するコントラクトの数がさらに増える 取引や受け取るトークンの種類がさらに増える

表からも分かるとおり、層を重ねるほど右側の列(リスクや記録の負担)も一緒に伸びていきます。収益機会だけを見て層を重ねると、リスクと記録の負担も同じ分だけ引き受けていることを見落としがちです。似た構造はイールドファーミングのリスクを整理した記事でも取り上げていますので、あわせて確認してみてください。

スラッシングという「罰則」の存在

ステーキングには、ネットワークのルールに違反した際に、預けた資産の一部が没収される仕組みを持つものがあります。これは一般に「スラッシング」と呼ばれ、不正な行為や運用上の不備に対するペナルティとして設計されています。すべてのネットワークが同じ条件でスラッシングを実施しているわけではなく、対象となる行為や没収される割合は、ネットワークやサービスごとの設計によって異なります。

リステーキングでは、同じ資産(またはそれを表すトークン)を複数の層で担保として使っているため、どこか1つの層でルール違反が発生した場合に、その影響が他の層での扱いにも及ぶ可能性があります。層を重ねるということは、報酬機会だけでなく、こうした罰則リスクの対象になる範囲も広げているということです。利用するサービスごとにどんな条件でスラッシングが発生し得るのかは、事前に確認しておきたいポイントです。

層をまたぐと、自分の資産の状態が見えなくなる

リステーキングを何層にもわたって利用すると、もう1つ見落としやすい問題が出てきます。それは、自分の資産が今どの層で、どんな状態にあるのかを把握しづらくなることです。

単純なステーキングであれば、預け先は1つですので、資産の状態は比較的追いやすいものです。しかし層を重ねると、元の資産・それを表す権利やトークン・担保として預け直した先・そこから発生する新たな報酬という具合に、確認すべき対象が枝分かれしていきます。それぞれ別の画面やウォレットで管理されていることも多く、「今どの層で何が起きているか」を1か所でまとめて確認できるとは限りません。結果として、収益機会とリスクの両方が積み上がっているにもかかわらず、その全体像だけが見えにくくなるという状態が起こり得ます。

この見えにくさは、DeFiやNFTを含む取引全般に共通する課題でもあります。関連する損益の把握が複雑になりやすい理由はDeFi・NFTの損益計算に関する記事でも取り上げていますので、参考にしてください。

税務はまだ論点が固まっていない領域です

リステーキングのように新しく、かつ層が重なる仕組みについては、税務上の扱いにも明確でない論点が多く残っています。各層での預け入れ自体をどう扱うか、担保として預けたことで受け取る権利やトークンをどう評価するか、そこから発生する報酬をどのタイミングでどう扱うかなど、整理しきれていない部分は少なくありません。

一方で、基本的な考え方の手がかりはあります。国税庁のFAQでは、暗号資産に関する報酬を受け取った場合、取得した時点の時価で所得を認識するという整理が示されています(国税庁 No.1524 仮想通貨を使用することにより利益が生じた場合の課税関係)。ただし、これはあくまで一般的な整理であり、リステーキングのように複数の層をまたぐ取引すべてにそのまま当てはめられるとは限りません。個別の取引がどう扱われるかは、税理士または所轄の税務署に確認しながら判断する必要があります。

ステーキング報酬の記録をどう残すかという実務的な論点はステーキング報酬の記録に関する記事で整理していますので、リステーキングを検討する際の土台としても参考になります。

記録の数が跳ね上がる理由と自動化の必要性

ここまで見てきたとおり、層を重ねるということは、収益機会・罰則リスク・コントラクトリスクが同時に積み上がっていくということでした。そして、これと同じことが「記録すべき取引の数」にも起こります。層が1つ増えるたびに、預け入れの記録、受け取る権利やトークンの記録、そこから生まれる報酬の記録が新たに加わるためです。

数回程度の取引であれば手作業でも管理できますが、層が増えて取引や受け取るトークンの種類が増えてくると、手作業での記録は現実的ではなくなっていきます。どの取引がどの層のものか、どのトークンがいつ・いくらの時価で発生したものかを、後からすべて追い直すのは負担が大きい作業です。

この負担を減らす方法の1つが、損益計算ツールによる自動化です。クリプタクトは、DeFi取引の自動識別に対応していると公式に案内しており、無料プランでも年間取引50件までは結果表示まで確認できます。取引件数がそれを超える場合は、有料プランが年額6,600円から用意されています。層を重ねる前に、クリプタクト公式サイトでDeFi取引の対応状況を確認しておくと、記録の管理方針を先に決めやすくなります。

よくある質問

リステーキングは初心者でも始められますか

仕組みとしては、ステーキングの延長線上にあるため、操作自体は難しくないことが多いです。ただし、層が重なることでリスクと記録の負担がどちらも増えるという構造は、経験の有無にかかわらず共通します。始める前に、本記事で挙げたリスクと記録の負担を理解しておくことをおすすめします。

スラッシングはどのような場合に起きますか

ネットワークのルールに違反する行為や、運用上の不備があった場合に発生するとされています。対象となる行為や没収される割合は、ネットワークやサービスの設計によって異なるため、利用するサービスごとの条件を確認しておくことが大切です。リステーキングでは、対象となる層が複数になる点にも注意が必要です。

記録が煩雑になった場合はどうすればよいですか

層をまたぐ取引をすべて手作業で追うのは負担が大きいため、損益計算ツールの利用が現実的な選択肢になります。クリプタクトのように無料プランを備えたツールであれば、まず自分の取引履歴を入れてみて、対応状況や使い勝手を確認することができます。→ クリプタクト公式サイトで無料プランの範囲を見る

税務上の扱いに迷った場合はどうすればよいですか

本記事で紹介した内容は一般的な整理であり、個別の取引がどう扱われるかを確定するものではありません。層が重なるほど論点も増えやすいため、迷う点があれば税理士または所轄の税務署に確認しながら進めることをおすすめします。

まとめ

  • リステーキングは、すでにステーキングしている資産を、別のサービスの担保としてさらに活用する仕組みの総称です
  • 層を重ねるほど、収益機会だけでなく、罰則リスク・コントラクトリスク・記録すべき取引数もあわせて増えていきます
  • スラッシングのような罰則の仕組みを持つネットワークもあり、層をまたぐことでその対象範囲が広がる可能性があります
  • 層をまたぐと自分の資産の状態が把握しづらくなるため、定期的な確認が欠かせません
  • 税務上は明確でない論点が多く、判断は税理士・税務署への確認が前提になります
  • 記録の数が増えることを見越して、早い段階で自動化の方法を検討しておくと安心です

層を重ねる前に、まずは自分の取引がどこまで自動で記録・整理できるのかを確認しておくと、後からの管理がぐっと楽になります。→ クリプタクト公式サイトを見てみる

本記事は一般的な情報提供であり、個別の税務判断は税理士または所轄の税務署にご確認ください。DeFiの利用には資金を失うリスクがあり、暗号資産は価格変動が大きい資産です。投資判断はご自身の責任でお願いします。

書籍で体系的に押さえたい方は、Amazonで「仮想通貨 税金」の書籍を探すという方法もあります。

※当サイトはAmazonアソシエイト・プログラムの参加者であり、適格販売により収入を得ています。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください