投資戦略

FXの確定申告の基本|申告分離課税20.315%・損失繰越3年・年間取引報告書の使い方

本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含む場合があります。

※本記事にはアフィリエイト広告(A8.net)を含みます。記載の内容は2026年8月時点で国税庁の公開情報および各公式サイトを確認した一般的な解説であり、個別の税務判断については税理士または所轄の税務署にご確認ください。

※当サイトはAmazonアソシエイト・プログラムの参加者であり、適格販売により収入を得ています。

店頭FX(外国為替証拠金取引)で利益が出ると、「確定申告はどうすればいいのか」「税率はいくらなのか」といった疑問が出てきます。反対に損失が出た年は、「利益がないのだから申告しなくていい」と考えてしまう人も少なくありません。しかしFXの税金には、暗号資産や株式とは異なる独自のルールがあり、とくに損失が出た年こそ申告しておく意味があります。

この記事では、店頭FXの所得がどのように区分され、どのような税率で計算されるのかという基本から、利益が出た年・損失が出た年それぞれでやるべきこと、確定申告が不要になる場合の条件、暗号資産もあわせて取引している人が注意したい点までを、国税庁の公開情報をもとに整理します。なお、FXは証拠金を上回る損失が生じるおそれがある取引です。税金の話に入る前に、この点はあらかじめ押さえておいてください。

FXの税金は暗号資産と別枠|まず所得区分を知る

店頭FXの所得は「先物取引に係る雑所得等」

店頭FX(外国為替証拠金取引)の差金決済による所得は、国税庁タックスアンサーNo.1522「先物取引に係る雑所得等の課税の特例」に示されているとおり、「先物取引に係る雑所得等」として申告分離課税の対象になります。給与所得など他の所得と合算せず、FXの損益だけを切り離して税額を計算する仕組みです。

このため、FXで利益が出た年は、給与など他の所得の金額にかかわらず、FXの利益に対して一定の税率が適用されます。他の所得がどれだけ多くても少なくても、FX部分の税率が変わることはない、という点がまず押さえておきたい前提です。

税率20.315%の内訳

店頭FXの申告分離課税の税率は20.315%です。内訳は所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%の合計となっています。年間の損益がプラスであれば、この税率で税額を計算し、確定申告によって納税します。

暗号資産(総合課税)との違い

暗号資産の取引による所得は、店頭FXとは異なり、給与所得など他の所得と合算して計算する総合課税の雑所得として扱われます。同じ「レバレッジをかけた取引」であっても、店頭FXと暗号資産では所得区分そのものが違うという点は、最初に押さえておきたいところです。この違いは損益通算や繰越控除の可否にも関わってくるため、後の章で詳しく確認します。両者の違いをより詳しく整理した内容は仮想通貨レバレッジ取引と店頭FXの課税の違いにまとめています。

店頭FX・暗号資産・給与の課税区分を比較

ここまでの内容を表に整理します。

区分 所得区分 課税方式 他の所得との損益通算 損失の繰越控除
店頭FX(差金決済) 先物取引に係る雑所得等 申告分離課税(税率20.315%) 他の「先物取引に係る雑所得等」(取引所FX・商品先物等)とは可 翌年以後3年間可(繰り越す年も連続して申告が必要)
暗号資産 雑所得 総合課税 店頭FXの先物取引に係る雑所得等とは不可 制度なし
給与 給与所得 総合課税 (給与以外の総合課税の所得と合算)

表のとおり、店頭FXだけが「申告分離課税・税率20.315%・3年繰越可」という独自の列に入ります。暗号資産と給与はどちらも総合課税という同じ列に並ぶため、店頭FXの損益とは別枠で考える必要がある、という位置関係です。実際の取引条件やスプレッドは業者ごとに異なるため、比較検討する場合はDMM FXの公式サイトで取引条件をチェックするところから始めるとよいでしょう。

利益が出た年にやること

年間取引報告書を確認する

FX業者の多くは、年間の取引損益をまとめた書類を口座の管理画面などで交付しています。名称は「年間取引報告書」「年間損益報告書」など業者によって異なりますが、1年間の決済損益や差引損益がまとまっているため、確定申告の際の基礎資料として使えます。DMM FXの場合も、口座の管理画面から年間の取引に関する報告書を確認できます。具体的な確認方法はDMM FX公式サイトで年間取引報告書の確認方法を見るところから確認しておくと安心です。

確定申告書の「先物取引に係る雑所得等」の欄に記入する

年間取引報告書で年間の損益が確認できたら、確定申告書のうち「先物取引に係る雑所得等」の欄に、その金額を記入します。給与所得など他の所得とは別の欄で、分離して税額を計算する形になるため、他の所得の申告欄と混同しないよう注意してください。

必要経費として差し引けるもの

FXの取引に直接必要となった費用は、必要経費として所得から差し引ける場合があります。具体的にどの費用が経費として認められるかは個々の状況によって判断が分かれるため、何が該当するか迷う場合は、税務署に確認しておくと安心です。

損失の年こそ申告する

3年間の繰越控除とは

店頭FXでその年の損益がマイナスになった場合でも、確定申告をしておくことで、その損失を翌年以後3年間にわたって繰り越し、将来の利益と相殺できる制度があります。「損失が出た年は申告しなくていい」と考えてしまいがちですが、繰越控除を使うためには、損失が出た年にも確定申告をしておくことが前提になります。

繰り越す間も毎年の申告が必要

繰越控除は、一度申告すれば自動的に適用され続けるものではありません。繰り越した損失を翌年以降の利益と相殺するためには、繰り越す期間中も連続して確定申告をおこなうことが要件になります。途中の年に申告をしなかった場合、それ以降の繰越控除が使えなくなる可能性があるため、損失が出た年から数年間は、たとえ利益が出ていない年であっても申告を継続する意識を持っておく必要があります。

他の「先物取引に係る雑所得等」との損益通算

店頭FXの損益は、取引所FXや商品先物取引など、同じ「先物取引に係る雑所得等」に区分される他の取引の損益とは通算できます。一方で、給与所得や、総合課税である暗号資産の雑所得とは通算できません。FXで損失が出ていても、その損失を給与所得や暗号資産の利益と相殺することはできない、という点は誤解しやすいところです。

申告が不要になる場合(20万円ルール)

給与所得者の20万円ルールの条件

会社員など給与所得がある人は、給与以外の所得の合計額が20万円以下であれば、所得税の確定申告が不要になる場合があります(国税庁タックスアンサーNo.1900)。この「給与以外の所得」には、FXの利益だけでなく、副業の所得など他の所得も合算して判断します。FXの利益だけを見て20万円以下かどうかを判断すると、他の所得と合わせた結果を見誤ることがあるため注意が必要です。

また、この20万円ルールは、あくまで所得税の確定申告を不要にできる場合があるという規定です。前の章で触れた損失の繰越控除を使いたい場合は、たとえ所得が20万円以下であっても、控除を受けるための確定申告をしておく必要があります。

住民税は別扱いという点に注意

20万円ルールが適用されて所得税の確定申告が不要になった場合でも、住民税の申告は別に必要になる場合があります。所得税と住民税は別の制度であるため、「所得税の申告がいらない=何もしなくていい」ではない、という点は見落としやすいところです。20万円ルールの対象範囲や住民税の扱いについては20万円ルールの正確な意味でより詳しく整理していますので、あわせてご確認ください。

暗号資産も取引している人が注意したい点

所得区分が違うため損益は通算できない

店頭FXと暗号資産の両方を取引している人にとって、もっとも見落としやすいのが「所得区分が違うため、両者の損益を通算できない」という点です。店頭FXの利益と暗号資産の損失(あるいはその逆)があっても、申告分離課税と総合課税という別の区分にまたがっているため、単純に相殺して申告することはできません。

また、店頭FXの3年間の繰越控除は、あくまで「先物取引に係る雑所得等」の範囲内での制度であり、暗号資産の損益には適用されません。FXの取引経験がある人ほど、この感覚を暗号資産の取引にそのまま持ち込んでしまいやすいため、両方を取引している場合は所得区分を分けて計算する意識を持っておく必要があります。両方を取引している人向けの整理は仮想通貨レバレッジ取引と店頭FXの課税の違いでも扱っていますので、あわせて確認してみてください。

スマホでの確定申告

スマホ申告への流れ

確定申告というと、税務署の窓口や申告書の郵送を思い浮かべる人もいますが、現在はスマートフォンから申告を完結させる方法も用意されています。年間取引報告書で損益を確認し、必要な金額を該当の欄に入力していくという基本的な流れそのものは、暗号資産の確定申告でも共通しています。スマホでの申告がどこまで完結できるかはスマホで確定申告の記事で段階を追って整理していますので、あわせて参考にしてください。

よくある質問

FXの利益はいくらから確定申告が必要ですか

給与所得がある会社員の場合、給与以外の所得の合計が20万円を超えると、所得税の確定申告が必要になるのが基本的な考え方です(国税庁タックスアンサーNo.1900)。給与所得がない人は、所得の金額にかかわらず申告が必要になる場合があります。ご自身の状況に応じた判断は、税務署にご確認ください。

損失が出た年も申告したほうがいいですか

損失が出た年でも、確定申告をしておくことで、その損失を翌年以後3年間繰り越し、将来の利益と相殺できる制度があります。「損失だから申告しなくていい」と考えず、繰越控除を使う可能性がある場合は申告しておくことをおすすめします。

暗号資産の損益とFXの損益は合算できますか

合算できません。店頭FXは申告分離課税の「先物取引に係る雑所得等」、暗号資産は総合課税の雑所得と、所得区分が異なるためです。それぞれ別の区分として計算し、確定申告書の異なる欄に記入することになります。

年間取引報告書はどこで確認できますか

多くのFX業者は、口座の管理画面(マイページなど)から年間の取引報告書をダウンロードまたは確認できるようにしています。名称や表示場所は業者によって異なるため、確定申告の時期が近づいたら、利用している業者の案内を確認しておくと安心です。

FXの取引で経費として認められるものはありますか

取引に直接必要となった費用は、必要経費として所得から差し引ける場合があります。ただし何が経費として認められるかは個々の状況によって判断が分かれるため、具体的な項目については税務署に確認することをおすすめします。

まとめ

  • 店頭FXの所得は「先物取引に係る雑所得等」として申告分離課税の対象となり、税率は20.315%(所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5%)
  • 暗号資産の所得は総合課税の雑所得であり、店頭FXとは所得区分が異なるため損益は通算できない
  • 損失が出た年でも確定申告をしておくことで、翌年以後3年間の繰越控除が使える(繰り越す間も毎年の申告が要件)
  • 給与所得者は給与以外の所得合計が20万円以下であれば所得税の確定申告が不要になる場合があるが、住民税は別途申告が必要になる場合がある
  • FX業者が交付する年間取引報告書は、申告の基礎資料として活用できる

年間取引報告書は、多くの場合、口座の管理画面から確認できます。DMM FXを含め、利用している業者の管理画面を確定申告の時期に一度確認しておくと、申告の準備がスムーズになります。DMM FX公式サイトで口座の管理画面や取引ルールを確認するところから始めてみてください。口座選びの他の視点はFX口座を比較するとき見るべき7項目にまとめています。

書籍で体系的に押さえたい方は、Amazonで「FX 入門」の書籍を探すという方法もあります。

本記事は一般的な情報提供であり、個別の税務判断は税理士または所轄の税務署にご確認ください。FX取引は証拠金を上回る損失が生じるおそれがあります。投資判断はご自身の責任でお願いします。

Bitcoin Analyze 編集部