税金・確定申告

暗号資産の相続と贈与で論点になること|評価と、遺された人が困らない準備

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※本記事にはアフィリエイト広告(A8.net)を含みます。記載の内容は2026年8月時点で国税庁の公開情報を確認した一般的な解説であり、個別の税務判断については税理士または所轄の税務署にご確認ください。

暗号資産は現金や不動産と違って、通帳もなければ登記簿もありません。持ち主本人が家族に何も伝えないまま亡くなってしまうと、資産があること自体が誰にも分からず、そのまま行方不明になってしまうことがあります。この記事では、暗号資産の相続・贈与で実際に論点になりやすいポイントと、遺された人が困らないために生前にできる準備を整理します。税率や控除額といった具体的な計算方法には踏み込みません。個別の税務判断は税理士または所轄の税務署にご確認ください。

暗号資産は「見つけてもらえない」ことが最大の問題

暗号資産は財産として相続や贈与の対象になり得るとされています。この点自体は多くの人がなんとなく理解しています。しかし実務で本当に問題になるのは、税金の計算方法よりも前の段階、つまり「そもそも遺された家族がその資産の存在に気づけるかどうか」です。

銀行口座であれば、通帳やキャッシュカード、金融機関からの郵便物といった手がかりが自宅に残ります。証券口座も同様に、取引報告書や年間取引報告書が定期的に届きます。ところが暗号資産の場合、取引所の口座もスマートフォンアプリの中で完結し、紙の書類がほとんど残りません。自己管理ウォレット(秘密鍵やシードフレーズを本人だけが保管する形式)に至っては、そのメモがどこかの引き出しに入っているだけということも珍しくありません。

本人が「いつか伝えよう」と思っているうちに、事故や急病で伝える機会そのものを失ってしまうケースは十分に起こり得ます。遺された家族が故人のスマートフォンやパソコンを開けたとしても、ロックが解除できなければアプリの中身を確認することすらできません。暗号資産の相続で最初につまずくのは、税金の話ではなく「資産があること自体に気づけるか」という、もっと手前の問題なのです。

税額をその場で試算できます

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年間取引報告書が出る取引所なら、申告の準備が短くなります

国内の登録業者は、1年分の取引をまとめた年間取引報告書を発行します。履歴を自分でつなぎ直す手間が減るぶん、損益計算に取りかかるまでが早くなります。口座開設と維持の費用はかからず、取扱銘柄や手数料体系は公式サイトで確認できます。

口座開設の手順を見る(無料) →PR・GMOコイン(GMOコイン株式会社)。手数料や取扱銘柄は変更されることがあるため、最新の内容は公式サイトでご確認ください。暗号資産は価格変動が大きく、投資判断はご自身の責任でお願いします。

遺された人が困る場面

暗号資産を遺す側と遺される側で、実際にどこでつまずきやすいのかを整理すると、原因はいくつかのパターンに分かれます。生前にできる備えとあわせて一覧にしました。

遺された人が困る場面 主な原因 生前にできる備え
資産の存在自体に気づけない 通帳や郵便物のような紙の手がかりが残らない 保有先の一覧を作り、保管場所を家族に伝えておく
取引所の口座を見つけても中身にアクセスできない ログインID・パスワード・二段階認証の設定が分からない ログイン情報の保管場所と手続きの流れを書面で残す
自己管理ウォレットの資産に一切アクセスできない 秘密鍵やシードフレーズを本人しか知らない 信頼できる形でアクセス方法を託す設計を用意する
どの取引所にいくら預けているか分からない 複数の取引所・ウォレットに分散していて全体像が不明 保有先と概算残高を記録し、定期的に更新する
相続の手続きをどこに相談すればよいか分からない 暗号資産特有の手続きに詳しい専門家がまだ少ない 税理士・司法書士など相談先を事前に決めておく

表の中でもっとも取り返しがつかないのが、自己管理ウォレットへのアクセス不能です。相続人が秘密鍵やリカバリーフレーズを知らないと、資産にアクセスできなくなるおそれがあります。取引所であれば運営会社に問い合わせるという手段が残りますが、自己管理ウォレットには問い合わせ窓口自体が存在しません。この違いは次の章で詳しく見ていきます。

口座と自己管理ウォレットでは手続きが違う

暗号資産の保有形態は大きく「取引所の口座」と「自己管理ウォレット」の2種類に分けられます。相続が発生したときの手続きは、このどちらで保有しているかによって大きく変わります。

取引所の口座の場合

国内の暗号資産取引所は金融庁の登録を受けた事業者であり、口座を持つ利用者が亡くなった場合の相続手続きが用意されています。一般的には、戸籍謄本や遺産分割協議書といった相続を証明する書類を提出し、取引所側の窓口で手続きを進める流れになります。ただし、必要書類や手続きの具体的な流れは業者によって異なるため、遺族がまず行うべきことは「どの取引所に口座があるか」を特定することです。口座の存在さえ分かれば、あとは取引所ごとの相続手続きの窓口に問い合わせる形で進められます。

自己管理ウォレット(秘密鍵・シードフレーズ)の場合

一方、ハードウェアウォレットやソフトウェアウォレットで自己管理している暗号資産には、問い合わせ先となる事業者が存在しません。資産へのアクセス権は、秘密鍵またはそれを復元するためのシードフレーズ(リカバリーフレーズ)そのものが握っています。この文字列を知っている人だけが資産を動かせる仕組みのため、本人以外の誰もその文字列を知らない状態で亡くなってしまうと、第三者による復元手段はなく、資産は事実上動かせなくなります。ハードウェアウォレットの基本的な仕組みについてはハードウェアウォレットの基礎知識で解説しています。

つまり、取引所の口座は「業者に相続の手続きを申し出る」という道筋があるのに対し、自己管理ウォレットは「生前に情報を共有しておく」という道筋しかありません。この違いを家族に理解してもらうことが、暗号資産の相続対策の出発点になります。

生前にできる準備

暗号資産の相続でつまずきやすいポイントが分かったところで、生前にできる具体的な準備を整理します。ポイントは「一覧化」「託し方」「分離」の3つです。

保有先の一覧を作る

まず用意したいのが、どの取引所に口座があるか、どのウォレットを使っているかをまとめた一覧です。口座名やウォレットの種類だけでも記録しておけば、遺族が「探すべき対象」を把握できます。金額まで書き残すかどうかは本人の判断ですが、少なくとも「どこに何があるか」というリストがあるだけで、遺族の負担は大きく変わります。

アクセス方法の託し方

次に重要なのが、パスワードや秘密鍵といったアクセス情報そのものをどう扱うかです。紙に書いてそのまま自宅に置いておく方法は分かりやすい一方で、生前の盗難や紛失のリスクも抱えます。シードフレーズの具体的な保管方法についてはシードフレーズの保管方法まとめで詳しく取り上げているので、あわせて確認してみてください。信頼できる家族や専門家に段階的に情報を託す、金庫や貸金庫を使う、複数の場所に分けて保管するなど、生前のセキュリティと相続時のアクセス性を両立させる工夫が必要になります。

保管の分離

「一覧(どこに何があるか)」と「アクセス情報(どうやって開けるか)」は、あえて別の場所に保管しておくという考え方も有効です。一覧だけを見ても資産は動かせず、アクセス情報だけを見ても何の資産かが分からない状態にしておけば、どちらか一方が盗まれても実害を防ぎやすくなります。この設計は本人が元気なうちにしか作れないため、後回しにしがちな作業でもあります。

税務は個別性が高いので専門家へ

暗号資産は相続や贈与の対象になり得る財産です。ただし、評価の方法や具体的な税額は、保有している資産の種類や金額、他の相続財産との関係、家族構成など個別の事情によって大きく変わります。この記事では具体的な税率や控除額には触れません。ネット上には様々な情報がありますが、暗号資産の評価や申告に関する判断は、税理士または所轄の税務署に確認する形をおすすめします。

また、相続した暗号資産をその後売却する場合には、相続時の話とは別に、売却によって生じる所得の論点が発生し得ます。暗号資産を売却または使用した場合の所得の取り扱いについては、国税庁のタックスアンサーNo.1524「暗号資産を売却又は使用した場合の損益の計算方法等」に説明があります。相続の場面と売却の場面はそれぞれ別の論点になるため、両方について専門家に相談しておくと安心です。どのような取引が課税の対象になり得るのかという全体像は暗号資産の課税対象になる取引の整理にまとめています。

まず「今どこにいくらあるか」を把握するところから

相続対策や税務相談というと身構えてしまいますが、最初の一歩はもっと地味な作業です。それは、被相続人自身が「今どこにいくら暗号資産を持っているか」を把握することです。複数の取引所に口座を持っていたり、DeFiやステーキングで資産が分散していたりすると、本人でさえ全体像を正確に把握できていないことがあります。

遺族側から見ても同じで、相続が発生してから慌てて調べようとしても、取引所ごとにログイン情報やアプリの操作方法が異なるため、想像以上に時間がかかります。生前のうちに保有先と概算の残高を一度整理しておくだけで、いざというときの負担は大きく変わります。この「把握」の作業は、相続対策であると同時に、日々の資産管理そのものでもあります。

記録を整える手段

保有先や残高を一度整理しても、暗号資産の価格は変動し、取引を重ねるたびに状況は変わっていきます。手作業で継続的に更新し続けるのは負担が大きく、途中で更新が止まってしまうことも珍しくありません。取引履歴や損益の記録を継続的に管理する方法については損益計算ツールの選び方でも取り上げていますが、こうしたツールは相続対策の文脈でも役立ちます。

たとえばクリプタクトは、複数の取引所やウォレットの取引をまとめて把握できるツールとして案内されています。取引所からダウンロードした取引履歴を取り込んだり、APIで連携したりすることで、今どの取引所にどれだけの資産があるかを一覧で確認しやすくなります。無料プランでは年間の取引が50件までであれば結果画面まで確認できると案内されているため、まずは自分の取引履歴を取り込んで、保有状況を可視化するところから始めてみるのも一つの方法です。→クリプタクトの無料プランで保有状況を整理してみる

もちろん、こうしたツールが整理してくれるのは取引所側の履歴が中心で、自己管理ウォレットの秘密鍵をどう託すかという問題を解決してくれるわけではありません。それでも「取引所に何があるか」を可視化しておくことは、一覧化の作業を大きく助けてくれます。対応している取引所やサービスの範囲は変更されることがあるため、クリプタクト公式サイトで最新の対応状況を確認することをおすすめします。

記録を整える作業は、相続が起きてから慌てて行うものではなく、日頃の資産管理の延長として少しずつ進めておくものです。取引の記録が整理されていれば、相続が発生した際に遺族や専門家へ状況を説明する材料にもなりますし、前述のとおり売却時に生じ得る所得の把握にも役立ちます。気になる方はクリプタクト公式サイトで詳細を確認してみてください

よくある質問

暗号資産は相続税や贈与税の対象になりますか。

暗号資産は財産の一種として、相続や贈与の対象になり得ると考えられています。ただし、評価方法や具体的な税額の計算は個別の事情によって異なるため、この記事では踏み込みません。詳しくは税理士または所轄の税務署にご確認ください。

秘密鍵やシードフレーズが分からないと、資産は諦めるしかないのでしょうか。

自己管理ウォレットの場合、秘密鍵やシードフレーズを知っている人だけが資産にアクセスできる仕組みになっています。相続人がこれらの情報を一切知らない場合、資産にアクセスできなくなるおそれがあります。だからこそ、本人が元気なうちにアクセス方法を託す準備をしておくことが重要になります。

取引所の口座と自己管理ウォレットで、相続の手続きに違いはありますか。

取引所の口座は、所定の書類を提出することで相続手続きの窓口が用意されています。手続きの詳細は業者ごとに異なるため、まずは口座がある取引所を特定することが第一歩になります。一方、自己管理ウォレットには問い合わせ先となる事業者が存在しないため、生前の情報共有が唯一の対応策になります。

生前に家族へ暗号資産の存在を伝える際、何を書き残せばよいですか。

最低限、どの取引所やウォレットに資産があるかという「保有先の一覧」は書き残しておくと、遺族が探すべき対象を把握できます。パスワードや秘密鍵そのものをどこまで書き残すかは、盗難や紛失のリスクとのバランスを考えながら、保管場所を分けるなどの工夫が必要です。

暗号資産の記録を整理するのに、ツールを使う必要はありますか。

手作業でも記録を残すこと自体は可能ですが、取引所が複数あったり取引の頻度が高かったりすると、継続的な更新が負担になりがちです。クリプタクトのように複数の取引所・ウォレットをまとめて把握できるツールを使えば、保有状況の可視化を続けやすくなります。ツールの活用はあくまで記録整理の一助であり、税務判断そのものを代行するものではありません。

実現損益の集計は、取引履歴を入れれば自動で出せます

取引所のCSVやAPIを読み込ませると、総平均法・移動平均法での年間損益がまとめて計算されます。無料の会員登録だけで対応取引所と計算結果の形式を確認できるので、手計算が必要な範囲を先に見極められます。

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本記事は一般的な情報提供であり、相続・贈与の取り扱いは個別の事情により異なります。個別の判断は税理士または所轄の税務署にご確認ください。暗号資産は価格変動が大きく、投資判断はご自身の責任でお願いします。

判断に迷う部分は、税理士への相談も選択肢になります。スキルマーケット「ココナラ」で確定申告の相談相手を探す(PR)。最終的な申告内容の判断はご自身の責任となるため、所轄の税務署への確認と併せてご検討ください。

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