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仮想通貨の利益を確定申告する会社員の多くは、「給与とは別枠で税金がかかる」というイメージを持っています。しかし実際には、賞与を含めた1年間の給与所得と仮想通貨の雑所得は合算され、ひとつの累進課税として税率が決まります。賞与が多く出た年ほど、仮想通貨の利益にかかる実質的な税率も一段上がってしまう。これが、多くの会社員がボーナスの年に見落としがちな落とし穴です。
本記事では、給与所得(賞与込み)と仮想通貨の雑所得を合算した場合に、税率区分がどのように変化するのかを年収別のシミュレーションで具体的に示します。読み終える頃には、自分の年収と賞与、仮想通貨の利益額から、おおよその税率区分と納税額の見通しを自分で立てられるようになるはずです。国税庁が公表している税率区分表と所得税の計算のしくみを突き合わせて整理しましたので、順に見ていきましょう。
賞与と仮想通貨の利益はなぜ合算されるのか
会社員の給与所得は、毎月の給与と賞与を合わせた1年間の総支給額から給与所得控除を差し引いて計算されます。一方、仮想通貨の売却や交換によって生じた利益は、原則として雑所得に分類され、給与所得など他の所得と合算したうえで税率を掛ける総合課税の対象です。株式や投資信託の譲渡益で使われる申告分離課税とは異なり、仮想通貨の利益は他の所得と切り離して計算することができません。そのため、賞与が多く支給された年は課税所得の土台がもともと高くなっており、そこに仮想通貨の利益が上乗せされる形になります。
所得税の累進課税のしくみ
所得税は課税所得の金額に応じて税率が段階的に上がる累進課税で、広く知られている区分では課税所得が195万円以下であれば5%、900万円を超えるあたりから33%、さらに高額になると40%台へと上がっていきます。重要なのは、この税率が「所得全体」ではなく、区分ごとに段階的に適用される点です。加えて住民税がおおむね一律10%かかるため、課税所得が増えるほど所得税と住民税を合わせた負担割合も上がっていきます。なお具体的な税率区分や控除額は改定されることがあるため、最新の数値は国税庁の公式サイトで確認することをおすすめします。
年収・賞与・仮想通貨利益別の税率シミュレーション
以下は、給与収入(賞与込み)と仮想通貨の利益を合算した場合に、課税所得がどの税率区分に近づくかを示した概算の目安です。給与所得控除や基礎控除などを考慮した簡易的なモデルであり、実際の税額は各種控除の適用状況によって変わります。
| 給与収入(賞与込み) | 仮想通貨の利益 | 合算後の税率区分の目安 |
|---|---|---|
| 約400万円 | 100万円 | 10%前後 |
| 約600万円 | 150万円 | 20%前後 |
| 約800万円 | 200万円 | 20〜23%前後 |
| 約1,000万円 | 300万円 | 33%前後 |
表からも分かるとおり、給与収入が900万円前後のラインを仮想通貨の利益で押し上げてしまうと、税率区分がひとつ上の段階に入り込みます。ボーナスの支給額があらかじめ分かっている年は、仮想通貨の利益をいつ確定するかによって、合算後の税率区分が変わる可能性がある点を意識しておくとよいでしょう。税率区分や確定申告の全体像は税金・確定申告のカテゴリでも取り上げています。
納税額のイメージをつかむ計算の流れ
実際の納税額は、給与所得と雑所得を合算した総所得金額から所得控除を差し引いて課税所得を算出し、そこに税率区分ごとの速算表を当てはめて計算します。仮想通貨の利益部分だけを取り出して「いくら税金がかかったか」を大まかに知りたい場合は、合算前と合算後の税額差を比較する方法が分かりやすいでしょう。取引所ごとに損益がばらけていると集計が煩雑になるため、クリプタクトのような損益計算ツールを使って年間の利益額を先に確定させておくと、シミュレーションの精度が上がります。
ボーナス年に納税資金で困らないための考え方
- 仮想通貨の利益を確定した時点で、想定税率分をあらかじめ別口座に取り分けておく
- 賞与の支給時期と仮想通貨の利確時期が同じ年に集中しないよう、複数年に分けることも選択肢のひとつとして検討する
- 住民税は翌年に課税される点を踏まえ、利益を確定した翌年の納税資金も見込んでおく
仮想通貨の利益確定は自分でタイミングを選べる数少ない所得です。投資戦略の観点から利確時期を分散させることも、税負担をならす一つの考え方といえます。税金の基本的なしくみについては、仮想通貨の税金ガイドでも整理していますので、あわせて確認してみてください。
よくある質問(FAQ)
ボーナスの金額によって仮想通貨の税率は変わりますか
直接ボーナスの金額が仮想通貨だけの税率を決めるわけではありませんが、賞与を含めた給与所得と仮想通貨の雑所得は合算されるため、賞与が多い年ほど合算後の課税所得が押し上げられ、結果として仮想通貨の利益にかかる実質的な税率も上がりやすくなります。
仮想通貨の利益だけを分けて低い税率で申告できませんか
原則としてできません。仮想通貨の利益は総合課税の対象である雑所得に分類されるため、株式の譲渡益のように分離して一定税率で申告することは認められていません。合算後の課税所得全体に累進税率が適用されます。
年収がいくらを超えると税率が大きく変わりますか
広く知られている区分では、課税所得が900万円を超えるあたりから税率が段階的に上がっていく傾向があります。ただしこれは給与収入そのものではなく各種控除を差し引いた後の課税所得の金額であり、家族構成や控除の状況によって個人差があります。正確な区分は国税庁の公式情報で確認してください。
納税資金はどのくらい確保しておけばよいですか
年収や他の所得の状況によって適用される税率が異なるため一概にはいえませんが、仮想通貨の利益を確定した際は、所得税・住民税を合わせて利益の一部をあらかじめ取り分けておくと、翌年の納税時に資金不足で困る事態を避けやすくなります。
免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。最新の情報は公式情報をご確認ください。
判断に迷う論点は、先に確認したほうが早い
この記事で扱ったのは、公開されている情報から言える一般的な扱いです。実際の申告では、自分の取引履歴に当てはめたときに判断が要る場面が出てきます。区分の判定、過年度の修正、複数の論点が重なる場合などです。
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