税金・確定申告

クリプタクトの損益計算結果を確定申告ソフトに入力する手順

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暗号資産の確定申告は、大きく4つの工程に分かれます。取引履歴を集める、年間の所得金額を確定させる、申告書の該当欄に転記する、提出して根拠資料を保管する、の4つです。この順番を先に押さえておくと、どの道具がどこまでを担ってくれるのかが整理しやすくなります。

損益計算ツールが担当するのは、原則として2つ目の工程までとされています。クリプタクトのようなサービスが画面に表示する年間損益は、そのまま提出できる申告書ではなく、申告書に書き込むための材料にあたります。一方で確定申告ソフトは申告書の形を整える工程を担いますが、暗号資産の取得価額を1取引ずつ追いかける計算まではカバーしていない場合が多くなっています。

つまりこの2種類の道具は、競合しているのではなく担当する工程が違うという関係です。この記事では、損益計算の結果として出てくるどの数字を申告書のどの欄に入れることになるのかを対応表で整理し、実際の入力手順と、途中でつまずきやすい点をまとめます。

損益計算ツールと確定申告ソフトは、担当する工程が違う

損益計算ツールが出すのは「所得金額」まで

暗号資産の売却、他の暗号資産との交換、商品やサービスの決済への利用によって生じた利益は、原則として雑所得に区分され、総合課税の対象になるとされています。年間の収入金額から取得価額や手数料を差し引いて所得金額を確定させる作業が、一般に損益計算と呼ばれている部分です。

取得価額の算定には総平均法や移動平均法といった方法があり、同じ銘柄について複数の取引所やウォレットにまたがる履歴を時系列で通して並べ替える必要があります。件数が数百を超えたあたりから表計算ソフトの手作業では管理が難しくなるため、クリプタクトのような損益計算サービスが使われることが多くなっています。

ただし、こうしたサービスが出力するのは年間の収入金額、必要経費に相当する金額、差引の所得金額といった数字までです。所得税額そのものや、提出用の申告書の様式までは含まれないのが一般的とされています。所得区分の考え方は仮想通貨の税金ガイドもあわせて確認しておくと、この後の転記作業で迷いにくくなります。

確定申告ソフトが担うのは「申告書の形」

マネーフォワード クラウド確定申告やよいの青色申告 オンラインのような会計ソフトは、入力した所得や控除の情報から申告書の様式を組み立て、税額を計算し、電子申告または印刷という形で提出まで導く部分を担います。

もっとも、これらは事業所得や不動産所得を持つ個人事業主を主な対象として設計されているケースが多く、暗号資産の取引履歴を読み込んで取得価額を自動計算する機能が標準で備わっているとは限りません。実務上は、損益計算ツールで確定させた金額を、会計ソフト側の雑所得の入力欄に手で入力する流れになる場合が多いとされています。

対応範囲や料金体系は改定されることがあります。最新の情報は各社の公式情報で確認してください。

どの数字を、どの欄に入れるのか

確定申告書には、雑所得のうち公的年金等にも業務にも当たらないものを記載する区分が設けられているのが一般的です。暗号資産の売却益などは、この区分に入るとされています。損益計算の結果と申告書側の欄は、おおむね次のように対応します。

損益計算ツール側で出てくる数字 申告書側での位置づけ 補足
年間の収入金額(売却・交換・決済の合計) 雑所得の収入金額 円に換算した金額で記載するのが原則とされています
取得価額の合計 必要経費の一部 総平均法または移動平均法で算定した金額
売買手数料・送金手数料 必要経費の一部 その取引に直接ひもづく範囲に限られる場合があります
年間損益(差引の金額) 雑所得の所得金額 収入金額から必要経費を引いた後の金額
取引所ごとの内訳 所得の内訳を書く欄 種目は「暗号資産」などと記載する例が案内されています
源泉徴収税額 通常は0 国内の取引所では差し引かれないのが一般的です

会計ソフト側には「雑所得」「その他の所得」といった名称の入力欄が用意されている場合がありますが、名称や配置は改定で変わることがあります。実際の入力時は画面の説明文と国税庁の公式情報を突き合わせて確認してください。

入力の手順

先に用意しておくもの

着手してから探し始めると手が止まりやすいのは、源泉徴収票、各取引所が発行する年間の取引報告書、取引履歴ファイル、控除証明書、マイナンバーが確認できる書類、還付金の受取口座がわかるものです。コインチェックをはじめ国内の取引所では、年間の取引をまとめた資料を会員ページから取得できる場合があります。

  1. 利用したすべての取引所とウォレットについて、1月1日から12月31日までの取引履歴を取得する
  2. 損益計算ツールに取り込み、未対応の取引や出所不明の入出金が残っていないかを確認する
  3. 取得価額の計算方法を確定させ、年間の収入金額・必要経費・所得金額を出力する
  4. 確定申告ソフトまたは国税庁の確定申告書等作成コーナーを開き、給与所得など他の所得を先に入力する
  5. 雑所得の入力画面で、種目・取引所名・収入金額・必要経費を上の対応表のとおりに入力する
  6. 各種控除を入力し、算出された税額と納付または還付の金額を確認する
  7. 電子申告または印刷して提出し、損益計算の明細と取引履歴を根拠資料として保管する

順番として押さえておきたいのは、損益計算をすべて終わらせてから申告ソフトに移るという点です。途中で数字が変わると、申告ソフト側の入力をやり直すことになります。

つまずきやすいポイント

必要経費として入れる範囲

取得価額と売買手数料は必要経費に含まれるのが一般的ですが、それ以外の支出については、その所得を得るために直接必要だったといえるかどうかで判断されるとされています。書籍代や通信費のように私的な利用と混ざるものは、合理的な基準で按分する必要が生じる場合があります。損益計算ツールの出力には、こうした取引外の経費は含まれていないことが多いため、別途集計して加える形になります。

計算方法は毎年自由に変えられるとは限らない

取得価額の算定方法には総平均法と移動平均法があり、届出の有無によって適用される方法が決まる取り扱いがあるとされています。年ごとに都合のよい方を選び直すことは想定されていないため、前年と同じ方法で計算されているかを出力前に確認しておくと安全です。

取引所やウォレットの取りこぼし

数年前に少額だけ使って放置している取引所や、送金の中継に使ったウォレットが漏れると、取得価額の平均が変わり、年間損益そのものがずれます。入出金の相手先が特定できない履歴が残っている場合は、その原因を解消してから金額を確定させるほうが、後戻りが少なくなります。

制度の全体像は、一度通しで押さえたほうが早く済みます

税務の話は個別の論点を追うより、区分と計算方法の全体像を先に押さえたほうが判断が早くなります。制度は改正されるので、発行年を必ず確認してください。

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会計ソフトを使わずに済む場合もある

給与所得と暗号資産の雑所得だけであれば、申告書に記載する項目は多くありません。この場合は国税庁が無料で公開している確定申告書等作成コーナーで完結する場合が多く、有料の会計ソフトを契約しなくても提出まで進められることがあります。

有料の会計ソフトが効いてくるのは、事業所得や不動産所得があり、帳簿づけと決算書の作成が必要になる場合や、青色申告特別控除の適用を受ける場合とされています。暗号資産の損益計算そのものを速くしてくれる道具ではない、という点は押さえておきたいところです。関連する制度や手続きの記事は税金・確定申告カテゴリにまとめています。

よくある質問(FAQ)

損益計算ツールの出力をそのまま税務署に提出すればよいですか

損益計算ツールが出力するのは所得金額の計算根拠であり、確定申告書そのものではないとされています。提出するのは申告書のほうで、計算結果の明細は原則として手元で保管し、問い合わせがあったときに説明できる状態にしておく位置づけになります。

会計ソフトに取引履歴を直接読み込ませることはできますか

暗号資産の取引履歴を取り込んで取得価額まで自動計算する機能は、会計ソフト側に標準で用意されていない場合があります。連携機能が案内されていることもありますが、対応する取引所や取引種別に制限が設けられている場合があるため、最新の情報は各社の公式情報で確認してください。

年間の損益がマイナスでも申告は必要ですか

暗号資産の雑所得は、給与所得などとの損益通算ができず、赤字を翌年以降に繰り越すこともできないとされています。そのため損失だけを申告しても税額が減る効果は生じにくく、他に申告すべき所得や控除がなければ申告不要となる場合があります。ただし雑所得どうしの内部での通算は可能とされているため、他の雑所得がある場合は合算して判断することになります。

計算の根拠資料はどのくらい保管すればよいですか

所得の計算根拠となる書類には保存期間が定められており、一般に数年単位での保管が求められるとされています。取引所のサービス終了や履歴の取得期限によって後から入手できなくなることがあるため、その年の申告が終わった時点で履歴ファイルと計算結果を手元に残しておくと安心です。これから口座を増やす予定がある場合は、仮想通貨の始め方ガイドもあわせて確認しておくと、履歴管理の設計がしやすくなります。

まとめ

損益計算ツールと確定申告ソフトは、どちらか一方を選ぶものではなく、工程が違う道具です。前者が年間の所得金額を確定させ、後者がその数字を申告書の形に落とし込みます。この境界がはっきりすると、「計算は終わったのに申告書が作れない」という詰まり方は起きにくくなります。

転記するのは、収入金額・必要経費・所得金額という3つの数字が中心です。会計ソフトが必須かどうかは、暗号資産以外にどんな所得があるかで決まります。制度や各社の仕様は変わることがあるため、実際の手続きの前に、国税庁および各社の公式情報で最新の内容を確認してください。

免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。最新の情報は公式情報をご確認ください。

判断に迷う部分は、税理士への相談も選択肢になります。スキルマーケット「ココナラ」で確定申告の相談相手を探す(PR)。最終的な申告内容の判断はご自身の責任となるため、所轄の税務署への確認と併せてご検討ください。

この記事について

執筆・編集:Bitcoin Analyze 編集部

金融庁・国税庁および各事業者の公式資料にあたり、基準日と定義を固定したうえで記事を作成しています。価格予測や利益保証は扱いません。事業者の条件は変更されるため、最終的な判断は公式情報をご確認ください。

主な参照先

Bitcoin Analyze 編集部

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