税金・確定申告

NFT売買の税金計算のやり方|転売益・ロイヤリティ・ガス代の扱い

本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含む場合があります。

※本記事にはアフィリエイト広告(A8.net)を含みます。

NFTの税金は、一つの計算式で片づくものではありません。整理の起点になるのは「誰が」「何をしたか」という構造で、大きく3つの型に分かれます。買ったものを売った転売益、自分で作ったものを初めて売った一次販売、そして二次流通のたびに入ってくるロイヤリティです。

この3つで所得区分が変わり、使える控除も変わります。転売益は譲渡所得に区分される場合があり、その場合は年間50万円の特別控除が使えます。一方、営利を目的として継続的に売買しているとみられる場合は雑所得または事業所得となり、特別控除は使えません。制作者側の一次販売とロイヤリティは、原則として雑所得または事業所得として整理されるとされています。

さらに見落とされやすいのが、購入代金をイーサリアムなどの暗号資産で支払った場合です。その支払い自体が暗号資産の譲渡にあたるため、含み益が実現して別途課税される場合があります。本記事はこの構造に沿って、計算方法とガス代の扱いまで順に整理します。

NFTの税金は3つの型に分かれる

国税庁が公表しているNFTの税務上の取扱いに関する資料では、購入したデジタルアートを譲渡した場合、その所得は譲渡所得に区分されるとされています。ただし、営利を目的として継続的に行われている場合は、雑所得または事業所得に区分されるとされています。

転売益(買って売った場合)

鑑賞目的で購入した作品を手放して利益が出た、という程度であれば譲渡所得として扱われる場合があります。総合課税の譲渡所得には年間50万円の特別控除があり、保有期間が5年を超えていれば長期譲渡所得として、控除後の金額の2分の1が課税対象になるとされています。

制作者の一次販売

自分で制作した作品をNFTとして発行し販売した場合の所得は、雑所得または事業所得に区分されるとされています。制作を継続的な業務として行っているなら事業所得、副業的な規模であれば雑所得と判断される場合が一般的です。

ロイヤリティ(二次流通の分配)

二次流通が発生するたびに制作者へ自動的に分配されるロイヤリティも、雑所得または事業所得として扱われるとされています。受け取った時点の時価で円換算し、その年の収入金額に含めます。受取が暗号資産である以上、受領時の価格を記録しておかないと後から再現できません。

転売益の計算:譲渡所得と雑所得の分かれ目

譲渡所得として計算する場合の式は「売却代金−(取得価額+譲渡費用)−特別控除50万円」です。雑所得として計算する場合は特別控除がなく、「収入金額−必要経費」で計算します。

たとえば、40万円で購入したNFTを90万円で売却し、売却時の手数料とガス代が合計5万円だったとします。譲渡所得として計算できる場合、90万円−(40万円+5万円)=45万円となり、特別控除50万円の範囲内であるため課税所得は生じない計算になります。同じ取引を雑所得として計算すると、45万円がそのまま所得になります。同じ売買でも、区分の違いで結果が大きく変わることが分かります。

どちらに区分されるかは、取引の頻度や規模、営利性の有無などから総合的に判断されるとされており、明確な回数基準が示されているわけではありません。短期間に何度も売買を繰り返している場合は、雑所得として整理されることを前提に見積もっておくほうが安全です。

決済に使った暗号資産の含み益に注意

NFTをイーサリアムで購入した場合、その支払いは暗号資産を手放す行為にあたるため、支払時の時価と暗号資産の取得価額との差額が雑所得として計算されるとされています。つまり1回の購入で、NFT側の取得価額の確定と、暗号資産側の損益確定が同時に起きます。円換算のレートはGMOコインなどの取引所の価格を参照する方法が一般的です。

ガス代・手数料はどこまで経費になるか

NFT取引ではガス代が細かく発生します。どの支出をどこに入れるかで所得金額が変わるため、発生した場面ごとに振り分けます。

支出の場面 主な扱い 補足
NFTの購入代金 取得価額 支払時の時価で円換算します
購入時のガス代 取得価額に算入 取得に要した費用として扱う整理が一般的です
売却時のガス代 譲渡費用または必要経費 売却との対応関係が示せることが前提です
販売所の販売手数料 譲渡費用または必要経費 取引画面の明細を保存します
発行時のガス代 制作に係る必要経費 一次販売の収入に対応させます
売れなかった作品の発行費用 必要経費になる場合がある 事業性の有無で判断が分かれる場合があります
パソコンや制作ソフトの費用 業務利用分を按分 私的利用分は除く必要があります

譲渡所得として計算する場合、必要経費という枠ではなく「取得費」と「譲渡費用」という枠で整理する点に注意が必要です。作品と直接結び付かない一般的な設備費用は、譲渡費用として認められにくい場合があります。

計算から確定申告までの手順

NFTの取引履歴は複数の場所に分散します。次の順序でまとめると漏れが出にくくなります。

  1. マーケットプレイスの取引履歴と、ブロックチェーンの取引記録の両方から、購入と売却の一覧を作ります。
  2. 各取引について、実行日時と支払った暗号資産の数量を確認し、その時点の時価で日本円に換算します。
  3. 取引を「転売」「一次販売」「ロイヤリティ受領」に分類し、所得区分ごとに集計します。
  4. ガス代を購入分と売却分に振り分け、取得価額と譲渡費用のどちらに入れるかを決めます。
  5. 決済に使った暗号資産側の損益を、クリプタクトなどの損益計算サービスで別途計算します。
  6. 年間の所得を合計し、申告要否を判断します。給与を1か所から受けている会社員の場合、給与以外の所得の合計が20万円を超えると確定申告が必要になるとされています。
  7. 確定申告書に区分ごとに記載し、計算根拠の明細を保存します。

暗号資産側の計算方法や控除の全体像は仮想通貨の税金ガイドにまとめています。控除額や申告基準は税制改正で変わることがあるため、最新の情報は国税庁の公表情報で確認してください。

よくある質問(FAQ)

NFTを売って損が出た場合、他の所得と相殺できますか

譲渡所得として計算する場合、生活に通常必要でない資産の譲渡による損失は、他の所得と通算できないとされる場合があります。雑所得として計算する場合も、給与所得などとの損益通算や翌年への繰越しはできないとされています。同じ年の他の雑所得と相殺できるかどうかが実務上の論点になります。

無償でもらったNFTを売った場合の取得価額はどうなりますか

取得時に市場価格が存在せず、対価も支払っていない場合は、取得価額を0円として売却代金の全額が所得になる整理となる場合があります。逆に、受取時にすでに市場価格が付いていた場合は、その時価を収入金額として認識したうえで、同額が取得価額として引き継がれる考え方になります。

学生や扶養に入っている人がNFTで利益を出した場合はどうなりますか

収入がNFTの所得だけであれば、基礎控除48万円を超えると所得税の申告が必要になる場合があります。アルバイト給与がある場合は、給与所得控除55万円と基礎控除48万円を合わせた範囲を超えるかが目安です。19歳以上23歳未満の親族には特定扶養控除が所得税で63万円、住民税で45万円とされており、本人の所得が増えると扶養から外れて世帯の税負担が変わる場合があります。金額の基準は改正されることがあるため、最新の情報は国税庁の公表情報で確認してください。

円で直接購入できるサービスを使えば計算は簡単になりますか

日本円で直接決済できるサービスを使えば、暗号資産側の損益計算が発生しないため、計算はかなり単純になります。取得価額も日本円でそのまま確定します。暗号資産の購入や保管の基本から確認したい場合は、仮想通貨の始め方ガイドもあわせて参考にしてください。

まとめ:区分を決めてから電卓を叩く

NFTの税金計算でつまずく原因の多くは、金額の集計ではなく所得区分の判断にあります。転売なのか一次販売なのかロイヤリティなのか、そして営利継続性があるかどうかを先に決めてしまえば、あとは収入と経費を当てはめるだけです。

もう一つ忘れずに押さえたいのが、決済に使った暗号資産側の損益です。NFT単体では損をしていても、支払いに使ったコインの含み益で所得が発生している場合があります。年末までに一度通しで計算しておくと、判断の余地が残ります。関連する制度の解説は税金・確定申告カテゴリにまとめています。

免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。最新の情報は公式情報をご確認ください。

判断に迷う論点は、先に確認したほうが早い

この記事で扱ったのは、公開されている情報から言える一般的な扱いです。実際の申告では、自分の取引履歴に当てはめたときに判断が要る場面が出てきます。区分の判定、過年度の修正、複数の論点が重なる場合などです。

クリプト税理士は暗号資産の確定申告を専門に扱うサービスで、LINEから相談を始められます。対応範囲や費用は変わることがあるため、依頼前に公式ページで確認してください。

自分のケースに当てはめたときに、判断がつかない論点がある場合だけ:
クリプト税理士にLINEで対応範囲と料金を聞く(PR)

取引が国内取引所の現物売買だけで、金額も小さいなら、この記事の内容で足ります。税務署でも相談を受け付けているので、費用をかける前に確認する手もあります。

申告までの3工程PR

損益計算ツールが出せるのは所得金額までで、確定申告書そのものは作成できません。工程が分かれている点を先に押さえておくと、年明けに手が止まりにくくなります。

  1. 1取引履歴を集める各取引所から年間の履歴をダウンロードする
  2. 2年間の損益を計算する複数取引所の履歴をまとめて所得金額を出す
    クリプタクト
  3. 3確定申告書を作成して提出する出した金額を雑所得として申告書に入力する
    マネーフォワード クラウド確定申告やよいの青色申告 オンライン

この記事について

執筆・編集:Bitcoin Analyze 編集部

金融庁・国税庁および各事業者の公式資料にあたり、基準日と定義を固定したうえで記事を作成しています。価格予測や利益保証は扱いません。事業者の条件は変更されるため、最終的な判断は公式情報をご確認ください。

主な参照先

Bitcoin Analyze 編集部

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください