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ディフィカルティ(採掘難易度)調整とは?2週間ごとに変わる仕組み

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ビットコインの設計の核心は、参加者が何人になっても「およそ10分に1ブロック」というペースを崩さないことにあります。採掘機が増えて計算力が10倍になったとき、ブロックが10倍速く出てしまっては発行スケジュールが壊れてしまう。そこでネットワークは、ゴールの高さそのものを自動で上下させて、ペースを一定に引き戻しています。これがディフィカルティ、日本語で採掘難易度と呼ばれる値の正体です。

この記事では、その難易度がどんな計算で決まるのか、なぜ調整の周期が約2週間なのか、そしてマイナーが一斉に撤退したときにネットワークが自力で立ち直る流れまでを扱います。読み終えるころには、難易度の上昇や下落というニュースを見たときに、それが何を意味していて何を意味していないのかを自分で判断できるようになるはずです。

解説にあたっては、ビットコインの実装で公開されている調整ルールと、過去に大きな下方修正が起きた局面の記録を突き合わせて整理しました。専門用語は初めて出てくるところで補足しますので、技術に明るくない方も順に読み進めてみてください。

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ディフィカルティとは「ゴールの高さ」のこと

マイニングでは、ブロックの中身と数字を組み合わせてハッシュ値という固定長の値を計算します。この値が、あらかじめ決められた基準値より小さくなったときだけ、そのブロックが有効なものとして認められます。この基準値を「ターゲット」と呼びます。

ターゲットが小さいほど、条件を満たすハッシュ値を引き当てるのは難しくなります。難易度とは、この難しさを人間に読みやすい倍率へ言い換えたものです。ビットコインが始まった当初の最も緩い条件を1として、それに対して何倍難しいかを表しています。難易度が2倍になったということは、同じ計算力なら平均して2倍の時間がかかるようになった、という意味です。

重要なのは、難易度が誰かの裁量で決められているわけではない点です。財団や開発者が会議で決めるのではなく、直前の実績データから全ノードが同じ計算式で導き出し、同じ答えに到達します。だからこそ、世界中に散らばったノードが管理者なしで同じルールを共有できています。関連する技術トピックは技術解説のカテゴリでも扱っています。

2016ブロックごとに、時間のズレを見て調整される

調整のタイミングは、時計ではなくブロックの本数で決まります。2016ブロックが積み上がるたびに、次の2016ブロック分の難易度が計算し直されます。10分に1ブロックというペースどおりに進めば、2016ブロックにかかる時間は20160分、つまりちょうど14日です。約2週間ごとという表現はここから来ています。

計算式そのものは驚くほど単純です。

  • 新しいターゲット=現在のターゲット×(実際にかかった時間÷20160分)

予定より速く掘り終えたなら比率が1より小さくなり、ターゲットが縮んで難しくなります。遅ければ比率が1より大きくなり、ターゲットが広がって易しくなります。実際の動きを整理すると次のようになります。

2016ブロックの所要時間 直前の平均ブロック間隔 難易度の動き 背景として多い状況
14日より短い 10分未満 上昇する 採掘機の増設、新型機の投入
ほぼ14日 約10分 ほぼ横ばい 計算力が安定している
14日より長い 10分超 下降する 撤退、規制、電力事情の悪化

細かい話を1つ添えると、この所要時間の計算には長く知られたずれがあります。区間の最初と最後のブロックの時刻を引き算する実装になっているため、実際に測っているのは2016ブロック分ではなく2015ブロック分の間隔です。結果として平均ブロック間隔はごくわずかに10分を下回る方向へ寄るとされていますが、日常の感覚に影響するほどの差ではありません。

変動幅には上下の上限がある

調整は青天井ではありません。1回の調整で難易度が動ける幅は、上方向におよそ4倍まで、下方向はおよそ4分の1までに制限されています。実際にかかった時間が極端であっても、比率はこの範囲に丸められてから適用されます。

この上限は、急激な変化でネットワークが不安定になるのを防ぐための安全装置です。仮に上限がなければ、一時的な事故や計算力の急変で難易度が振り切れ、次の区間が長期間まともに進まなくなる恐れがあります。上下を締めておくことで、どんな事態が起きても調整は段階的にしか進まず、システムが極端な状態に固定されないようになっています。

実務的には、上限に達するような調整はめったに起こりません。実際に観測されてきた変動の多くは、上下いずれも一桁パーセントから十数パーセントの範囲に収まっています。上限は日常的に効くものではなく、非常時のための枠だと理解しておけば十分です。

マイナーが撤退しても止まらない自己修復のしくみ

この設計が最もよく働くのは、採掘者が大量に離脱した局面です。計算力が急に減れば、ブロックはなかなか見つからなくなり、間隔は10分より長く伸びていきます。送金の確認が遅れ、ネットワークは目に見えて重くなります。

しかし、その状態は次の調整までしか続きません。所要時間が14日を超えて長引いた分だけ、次の区間の難易度は自動的に引き下げられます。ゴールが低くなれば、残った採掘者だけでもブロックを見つけやすくなり、間隔は10分付近へ戻っていく。誰かが対策を指示したわけでもないのに、ルールに従うだけで平常運転へ復帰していきます。

実例として広く知られているのが、2021年半ばに中国でマイニングが規制された局面です。世界のハッシュレートの相当部分が短期間で停止し、ブロック間隔が大きく伸びた結果、難易度はおよそ28%という当時としては最大規模の下方修正を記録したとされています。停止した機材が他国へ移設されて再稼働するにつれ、難易度は数か月かけて元の水準へ戻っていきました。混乱の最中もチェーンそのものは止まらず、ブロックは生成され続けています。

ときどき「価格が下がるとマイナーが減り、難易度が下がらないままチェーンが止まる」という筋書きが語られることがあります。いわゆるデススパイラル論です。しかし実際には、難易度が下がりにくい局面が長くても次の調整までであり、そこで自動的に緩和が入ります。この自己修復があるからこそ、ビットコインは十年を超えて稼働を続けてこられたと説明されることが多いのです。過去の局面の振り返りはビットコインのカテゴリにまとめています。

ディフィカルティから読み取れること、読み取れないこと

難易度は、その時点でどれだけの計算資源がネットワークに投入されているかを映す指標です。難易度が高いほど、過去のブロックを書き換えるために必要な計算量も大きくなります。つまり、改ざんのコストという意味での堅牢さを測る目安として読むことができます。

一方で、読み取れないこともはっきりしています。難易度は過去2週間の実績から機械的に決まる後追いの値であり、これから価格がどう動くかを示すものではありません。難易度の上下を売買のシグナルとして扱う解釈も見かけますが、そうした関係を断定できる根拠はなく、少なくとも将来の値動きを保証するものではないと考えてください。判断材料の組み立て方については投資戦略のカテゴリも参考になります。

難易度の上昇が続くと、個人が機材を買って採掘に参入する採算はどんどん厳しくなります。そのため、ネットワークへの関わり方として現物を保有する選択をする人も少なくありません。国内であればコインチェックのような取引所で口座を開くのが一般的な入口で、手順は仮想通貨の始め方ガイドで整理しています。

よくある質問(FAQ)

難易度の調整は必ず14日ごとに行われるのですか

いいえ、基準はあくまで2016ブロックの経過であり、日数ではありません。計算力が増えてブロックが速く出た区間では14日より短い間隔で調整が入り、遅い区間では14日を超えます。

結果として14日前後に落ち着くことが多いため「約2週間ごと」と表現されますが、日付が固定されているわけではない点は押さえておいてください。

半減期と難易度調整は同じものですか

まったく別の仕組みです。半減期は新規発行される報酬の量が減るイベントで、21万ブロックごとに訪れます。難易度調整は掘りにくさを合わせる仕組みで、2016ブロックごとです。

ただし関連はあります。半減期で報酬が減ると採算の合わない採掘者が離脱しやすく、その結果として難易度が下がる方向に調整されることがあります。

難易度が上がると、送金の手数料も上がりますか

直接の関係はありません。送金手数料は、ブロックに入りきらないほど取引が混み合ったときに、先に処理してもらいたい人が上乗せする金額で決まります。難易度の高低で決まる値ではありません。

ただし、難易度が急上昇してブロック間隔が一時的に伸びる局面では、処理待ちの取引がたまって手数料の相場が上がることはあります。

ブロックの時刻は誰がつけているのですか、ごまかせないのですか

時刻はブロックを作った採掘者が記録します。そのため理論上はある程度前後させられますが、直前の複数ブロックの中央値より後でなければならない、ネットワーク時刻から大きく先行してはならない、といったルールで許容範囲が絞られています。

加えて、難易度の計算に使われるのは2016ブロックにわたる長い期間の差分です。1つのブロックの時刻を多少ずらしても、調整結果を意図した方向へ動かすのは現実的ではないとされています。

免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。最新の情報は公式情報をご確認ください。

この記事について

執筆・編集:Bitcoin Analyze 編集部

金融庁・国税庁および各事業者の公式資料にあたり、基準日と定義を固定したうえで記事を作成しています。価格予測や利益保証は扱いません。事業者の条件は変更されるため、最終的な判断は公式情報をご確認ください。

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