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法人でビットコインを保有する場合の会計処理と期末時価評価の注意点

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法人がビットコインを保有する場合、個人の資産運用とはまったく異なるルールが適用されます。中心にあるのは「期末時価評価」と呼ばれる仕組みです。決算日に保有している暗号資産を時価で評価し直し、含み益も含み損も、その事業年度の所得としていったん計算に組み込まれます。売却していなくても、含み益に対して法人税がかかりうる点が、法人保有ならではの最大の特徴です。個人の感覚のまま保有すると、資金繰りを見誤る原因にもなります。

この記事では、法人が暗号資産を保有する際に必要な会計処理の基本、期末時価評価の対象になる条件、近年の税制改正でどこまで緩和されてきたか、そして実務でつまずきやすいポイントを整理します。読み終える頃には、法人としてビットコインを保有する前に確認しておくべき論点が一通り頭に入っているはずです。

国税庁が公表している質疑応答事例や税制改正の内容を突き合わせて整理しました。順に見ていきましょう。

法人保有の暗号資産に「期末時価評価」が原則となる仕組み

法人税法上、法人が事業年度末に保有する暗号資産のうち、活発な取引が行われる市場が存在するものについては、原則として時価で評価する必要があります。ここでいう時価とは、決算日時点で暗号資産交換業者が公表する価格などをもとに算定するのが一般的です。

時価評価の結果生じた評価益・評価損は、実際に売却していなくてもその事業年度の益金または損金に算入されます。株式でいえば「売買目的有価証券」に近い扱いがビットコインなどの暗号資産全般に及んでいるイメージを持つと理解しやすいでしょう。個人の場合は売却しない限り課税されないため、この違いを知らずに法人でまとまった額を保有すると、含み益に見合う納税資金を用意できていないという事態が起こり得ます。

個人(雑所得)と法人ではどこが違うのか

同じビットコインの保有でも、個人と法人では課税のタイミングや計算方法が大きく異なります。主な違いを整理すると次のとおりです。

項目 個人(雑所得) 法人
保有中の含み益 課税されない(売却・使用時に課税) 原則として期末に時価評価し課税対象になる
適用される税率 累進課税で所得税・住民税をあわせ最大でおよそ55%程度とされる 法人税等をあわせた実効税率でおよそ30%前後とされる
他の所得との通算 雑所得内でのみ通算可能で、赤字の繰越は原則できない 他の事業損益と合算でき、欠損金は要件を満たせば繰り越せる
必要経費・損金 取得や管理に直接必要な費用の一部に限られる 事業に関連する費用を損金として計上しやすい

税率だけを見ると法人のほうが有利に見える場面もありますが、含み益の段階で課税されるという法人特有の負担があるため、単純にどちらが得とは言い切れません。保有額や事業計画に応じて、顧問税理士と試算したうえで判断することをおすすめします。

時価評価課税の対象外となるケースと近年の改正動向

期末時価評価には、対象外となる例外も設けられています。代表的なのが、自社が発行し、かつ発行時から譲渡制限が付されているトークンです。この場合は市場で自由に売買できる状態にないため、時価評価の対象から外れるとされています。

さらに近年の税制改正では、自社発行以外の暗号資産についても、長期保有を目的として継続的に保有し、一定の譲渡制限が付されているものであれば時価評価課税の対象外とする範囲が広げられてきました。Web3関連企業からの要望を受けて段階的に緩和が進んできた分野であり、今後も見直しが続く可能性があります。自社のケースが対象になるかどうかは、その事業年度時点の最新の要件に照らして確認する必要があるため、国税庁の公表資料や顧問税理士への確認を欠かさないようにしましょう。

暗号資産全般の仕組みや基礎知識を先に押さえておきたい場合は、暗号資産の始め方ガイドもあわせて確認しておくと理解がスムーズです。

法人でビットコインを保有するメリット

期末時価評価という負担がある一方で、法人保有には次のようなメリットも挙げられます。

  • 決済手段や取引先との関係で暗号資産を扱う必要がある事業にとって、自然な形で保有・運用できる
  • 含み損が生じた場合は損金として他の事業所得と通算できるため、個人の雑所得より柔軟に扱える場面がある
  • 資産の一部を暗号資産に分散させることで、事業戦略として資産構成の多様化につなげられる

ただし、いずれも含み益課税というコストとのバランスで判断すべき事項であり、税制優遇そのものを目的に法人化を急ぐべきではありません。投資戦略の一環として検討する場合は、投資戦略の関連記事もあわせて参考にしてください。

実務で直面しやすい負担と対応のポイント

法人が暗号資産を保有すると、決算のたびに時価評価と損益計算という実務負担が発生します。取引が多い場合や複数の取引所・ウォレットを利用している場合は、手作業での集計が現実的でなくなることも珍しくありません。こうした事情から、クリプタクトのような暗号資産の損益計算に特化したツールを使い、期末時価評価や年間の損益を自動的に集計する法人も増えています。

また、まとまった額のビットコインを長期保有する場合は、保管方法にも注意が必要です。取引所に置いたままにせず、資産保全の観点からハードウェアウォレットなどのコールドストレージを組み合わせる企業もあります。詳しくはハードウェアウォレットの選び方ガイドを参考にしてください。コールドストレージ用の製品は、Amazonの検索結果からも確認できます。

法人口座に対応する国内の暗号資産交換業者としては、bitFlyerのように法人向けサービスを用意しているところもあります。口座開設時の必要書類や審査基準は業者ごとに異なるため、事前に公式サイトで最新の情報を確認しておきましょう。

よくある質問(FAQ)

個人事業主が事業用にビットコインを保有する場合も期末時価評価の対象になりますか?

期末時価評価は法人税法上の規定であり、個人事業主は対象になりません。個人が保有する暗号資産は、事業所得や雑所得として売却・使用のタイミングで課税されるのが基本です。暗号資産全体の税金の考え方は暗号資産の税金ガイドで整理しています。

期末時価評価の対象になる暗号資産の条件は何ですか?

活発な取引が行われる市場が存在する暗号資産であることが基本的な条件です。取引量がごく少なく、時価を客観的に算定しにくいものは扱いが異なる場合があるため、個別の判断が必要になります。

含み損が出ている場合はどうなりますか?

時価評価によって生じた評価損は、原則として損金に算入できます。他の事業の所得と通算できるため、含み損の分だけ法人税の負担が軽くなる仕組みです。ただし翌期に時価が回復すれば、その分は評価益として再び課税対象になります。

会計処理や税務申告は自社だけで対応できますか?

暗号資産の時価評価や申告書への反映は専門的な判断を伴うため、顧問税理士など専門家に相談しながら進めるのが安全です。特に取引量が多い場合や複数の暗号資産を扱う場合は、早い段階で会計処理のルールを整えておくことをおすすめします。

免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。最新の情報は公式情報をご確認ください。

法人の処理は、判断のたびに影響が残る

期末時価評価の対象になるかどうか、短期売買目的に該当するかどうかで、計上する金額も申告書の書き方も変わります。個人の申告と違い、法人は一度決めた処理が翌期以降にも影響するため、最初の判断を後から直すのに手間がかかります。

クリプト税理士は暗号資産の確定申告を専門に扱うサービスで、LINEから相談を始められます。対応範囲や費用は変わることがあるため、依頼前に公式ページで確認してください。

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顧問税理士がいて、暗号資産の処理も見てもらえるなら、まずそちらに相談するのが早いです。この記事は、相談する前に論点を整理しておくための材料として使ってください。

この記事について

執筆・編集:Bitcoin Analyze 編集部

金融庁・国税庁および各事業者の公式資料にあたり、基準日と定義を固定したうえで記事を作成しています。価格予測や利益保証は扱いません。事業者の条件は変更されるため、最終的な判断は公式情報をご確認ください。

主な参照先

Bitcoin Analyze 編集部

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