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暗号資産市場全体の時価総額の中で、ビットコインが占める比率は、相場の局面によって40%台から60%台以上まで大きく変動してきました。この比率は「ビットコインドミナンス」と呼ばれ、とくにアルトコインへの投資を検討する場面で真っ先に確認される指標のひとつです。
本記事では、ビットコインドミナンスとは何か、チャートの上昇・下降局面がそれぞれ何を意味するのか、そして「ドミナンスが下がるとアルトシーズンが来る」という古くからの定石が今も通用するのかを整理します。読み終えるころには、ドミナンスチャートを見たときに市場全体の資金の流れを自分なりに読み解けるようになっているはずです。複数の相場サイクルにおけるドミナンスの推移と、市場環境の変化を照らし合わせながら、順に見ていきましょう。
ビットコインドミナンスとは何か
ビットコインドミナンスとは、暗号資産市場全体の時価総額に対して、ビットコインの時価総額が占める割合を示す指標です。計算の考え方はシンプルで、ビットコインの時価総額を暗号資産市場全体の時価総額で割り、100を掛けて百分率にしたものです。多くのデータサイトがこの数値をリアルタイムで公開しています。
この数値が上昇しているときは、相対的にビットコインへ資金が集まっている、あるいはアルトコインの時価総額がビットコインより大きく下落していることを意味します。逆に下降しているときは、アルトコインの時価総額が相対的に増加していることを示します。
ドミナンス上昇局面と下降局面が意味するもの
ドミナンスの動きは、単独の数値としてよりも、上昇と下降という局面ごとの意味合いで捉えられることが一般的です。
| 局面 | 市場で起きているとされること |
|---|---|
| ドミナンス上昇 | 資金がビットコインへ相対的に集中、またはアルトコインが大きく下落 |
| ドミナンス下降 | 資金がアルトコインへ相対的にシフト、いわゆるアルトシーズンの兆候 |
| ドミナンス横ばい | ビットコインとアルトコイン全体がおおむね同程度の値動き |
とくに強気相場の後半でドミナンスが継続的に低下する局面は、投資家のリスク選好が高まり、より値動きの大きいアルトコインに資金が向かいやすい状態として語られることが多くあります。反対に、市場全体が下落する局面でドミナンスが上昇するときは、値動きの荒いアルトコインから資金が引き上げられ、相対的に安定していると見なされやすいビットコインに資金が退避しているという解釈がなされることもあります。また、ドミナンスは日々小さく上下することが多いため、単日の動きよりも数週間から数か月単位の傾向で捉えるほうが、局面判断の精度が高まるとされています。
アルトシーズンとの関係
「ドミナンスが下落するとアルトシーズンが来る」という関係は、複数の相場サイクルで観測されてきた経験則です。ビットコインが大きく上昇した後、その資金の一部が値上がり余地を求めてアルトコインへ循環するという流れが、過去のサイクルで繰り返し語られてきました。
- ビットコインが主導して上昇し、市場全体のセンチメントが強気に転じる
- 投資家のリスク選好が高まり、時価総額の小さいアルトコインへ資金が向かう
- 結果としてアルトコインの時価総額が相対的に拡大し、ドミナンスが低下する
この流れは「資金循環」と呼ばれ、アルトコイン投資の時期を計る参考情報として長年使われてきました。
この定石は今も有効なのか
ただし、この定石をそのまま現在の市場に当てはめることには注意が必要だとされています。理由の一つが、ドミナンスの計算に使われる暗号資産市場全体の時価総額に、ステーブルコインの時価総額が含まれている点です。ステーブルコインの発行残高はここ数年で拡大しており、これがドミナンスの計算式そのものに影響を与えている可能性が指摘されています。
また、現物ETFの登場など、機関投資家がビットコインへ資金を投じる経路が増えたことも、過去のサイクルとは異なる資金の動き方を生んでいる要因として挙げられます。こうした環境の変化により、ドミナンスの低下がそのままアルトコイン全体への資金シフトを意味するとは限らなくなってきているとされ、個別銘柄ごとの資金の集中と分散を合わせて見る必要性が指摘されています。上位の一部銘柄にだけ資金が集まり、その他の銘柄には資金が回らないまま相場が終わる局面も過去には見られました。こうした背景から、ドミナンスの推移を見る際は、計算に含まれる銘柄の範囲やステーブルコインの扱いがサイトごとにどう異なるかも合わせて確認しておくと、解釈のずれを防ぎやすくなります。
ドミナンスを投資判断に使う際の注意点
ドミナンスはあくまで市場全体の相対的な比率であり、この数値だけでビットコインやアルトコインの将来価格を予測できるものではありません。ドミナンスが低下していても、暗号資産市場全体が下落する中での相対的な低下である場合もあり、額面どおりの解釈には注意が必要です。
投資判断の材料とする場合は、投資戦略全体の中の一つの指標として位置づけ、出来高や個別銘柄のファンダメンタルズと合わせて確認する姿勢が欠かせません。値動きの大きいアルトコインに投資する際は、事前に詐欺の見分け方も押さえておくと安心です。
よくある質問(FAQ)
ビットコインドミナンスはどこで確認できますか
複数の暗号資産データサイトが、リアルタイムのドミナンスチャートを無料で公開しています。国内の取引所によっては取扱銘柄数を強みとしているところもあり、bitbankやGMOコインのようにアルトコインの動向を確認しやすい環境を提供している例もあります。
ドミナンスが下がれば必ずアルトコインを買うべきですか
必ずしもそうとは言えません。ドミナンスの低下は資金循環の一つのサインとされていますが、個別のアルトコインには銘柄ごとの事情もあります。とくに時価総額の小さい銘柄は値動きが荒く、ドミナンスの流れに乗れないまま下落が続くケースもあるため、銘柄ごとのファンダメンタルズも合わせて確認することが大切です。
ドミナンスにイーサリアムは含まれますか
ドミナンスは通常、ビットコインの時価総額を暗号資産市場全体の時価総額で割って計算されるため、分母にはイーサリアムを含む全銘柄の時価総額が含まれます。データサイトによっては、イーサリアムドミナンスなど個別銘柄ごとの比率も別途公開されています。
ドミナンスとビットコインの価格はどちらを見るべきですか
目的によって使い分けるのが基本です。ビットコイン自体の価値を見るなら価格そのものを、市場全体における資金の相対的な位置づけを見るならドミナンスを確認するとよいでしょう。両方を合わせて見ることで、より立体的に市場を把握できます。
免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。最新の情報は公式情報をご確認ください。