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「暴落で売ってしまう人は投資に向いていない」としばしば語られます。しかし実際には、性格や才能の問題ではなく、暴落が来る前にルールを用意していたかどうかで、その後の結果の多くが決まります。
含み益が数時間で大きく目減りする場面に直面すると、「今のうちに手放しておくべきではないか」という思考には誰でも囚われやすくなります。本記事では、行動経済学の知見をもとに、感情的な狼狽売りと計画に基づいた損切りの違いを整理したうえで、暴落が来る前に決めておきたい具体的なルールの作り方を解説します。
ルールをあらかじめ言葉にしておけば、次に大きな下落が起きたときも、目先の値動きではなく自分で決めた基準に沿って判断できるようになります。行動経済学の代表的な理論や、過去の暴落局面で共通して見られる投資家心理の傾向を踏まえて整理しました。順に見ていきましょう。
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行動経済学には「プロスペクト理論」と呼ばれる考え方があります。これは、人は利益を得たときの喜びよりも、同じ金額の損失を被ったときの痛みのほうを強く感じるという心理的な傾向を説明したものです。含み益が減っていく状況では、「損失を確定させたくない、でもこれ以上減るのも怖い」という葛藤が強いストレスを生み、多くの人が「とりあえず売って楽になりたい」という選択に流れてしまいます。
人は無意識のうちに購入したときの価格を基準にして評価額の増減を判断しがちで、この基準からの下げ幅が大きいほど焦りも強くなります。さらに、SNSや周囲で悲観的な意見が増えると、自分自身の判断基準ではなく周囲の空気に合わせて行動してしまう集団心理も働きます。これらはいずれも自然な心理反応であり、意志が弱いからではありません。
狼狽売りと損切りの違いとは
狼狽売りと損切りは、結果として「売る」という行動は同じでも、判断のプロセスがまったく異なります。前者は値動きを見た直後に恐怖や焦りから行われるのに対し、後者はあらかじめ決めておいた条件に該当したために行われます。
| 比較項目 | 狼狽売り | 計画的な損切り |
|---|---|---|
| 判断のきっかけ | 値動きへの恐怖や焦り | 事前に決めた価格や条件 |
| 判断のタイミング | 値動きを見た直後 | ルールに該当した時点 |
| 売却後の納得感 | 後悔や自己嫌悪が残りやすい | 想定内の行動として受け止めやすい |
両者を分けるのは才能や経験ではなく、暴落前にルールを決めていたかどうかという一点に尽きます。
暴落前に決めておきたい事前ルール
暴落が起きてから冷静に考えようとしても、恐怖や焦りが判断力を鈍らせてしまいます。値動きが穏やかなうちに、次のようなルールを言葉にしておきましょう。
- 損切りラインを「購入価格からマイナス◯%」のように数字で決めておく
- 生活防衛資金とは別に、暴落しても生活に影響しない金額だけで投資する
- 下落を見た直後には売買せず、一定時間は判断を保留すると決めておく
- ニュースやSNSを確認する頻度をあらかじめ制限しておく
これから購入方法や口座の準備から確認したい方は、仮想通貨の始め方ガイドもあわせてご覧ください。ルールは購入を始める前の段階で決めておくほど機能しやすくなります。
ルールを実際に機能させる仕組み化
決めたルールも、暴落の瞬間に意志の力だけで守ろうとすると崩れやすいものです。あらかじめ売却条件を注文機能に設定しておく、資産の一部を取引所から出して自分で管理するなど、感情が介入しにくい仕組みを作っておくことも有効です。あらかじめ条件を設定しておけば、値動きを見た瞬間に判断する必要がなくなり、迷いそのものを減らせます。
自分で資産を管理する方法については、ハードウェアウォレットの使い方で詳しく解説しています。すぐに売却できない環境に一部の資産を置いておくことも、衝動的な行動を防ぐ一つの手段になります。
暴落時ほど狙われる詐欺にも注意
暴落局面では、不安になった投資家を狙う詐欺も増える傾向があるとされています。「損失を取り戻せる」といった甘い言葉や、公式を装った問い合わせ窓口には注意が必要です。動揺しているときほど、こうした誘いに判断力を奪われやすくなります。
詐欺の具体的な手口や見分け方は、仮想通貨詐欺の見分け方で整理しています。暴落前に一度目を通しておくと、いざというときに冷静な判断がしやすくなります。
それでも動揺してしまったときの対処法
ルールを決めていても、実際の暴落を前にすると心が揺れることはあります。そのようなときは、まず画面から離れて深呼吸をする、決めておいたルールを読み返す、信頼できる人に状況を話してみるなど、値動きから距離を置く行動を優先しましょう。
行動経済学やメンタルコントロールに関する入門書を1冊手元に置いておくと、自分の反応を客観的に見つめ直すきっかけになります。行動経済学に関する書籍を探してみるのもよいでしょう。ビットコインに関するほかの記事はビットコインカテゴリでまとめて確認できます。
よくある質問(FAQ)
損切りラインはどのくらいに設定すればよいですか?
適切な水準は、投資に回す金額や目的によって人それぞれ異なります。一般には、購入価格から一定の下落率で区切る方法がよく用いられているとされています。まずは自分が許容できる下落幅を考え、無理のない比率から始めることが大切です。
切りのよい数字に引きずられて基準を決めるのではなく、生活に影響が出ない範囲かどうかを軸に考えると、ルールを守りやすくなります。
一度ルールを破って狼狽売りしてしまいました。もう遅いですか?
遅すぎるということはありません。大切なのは、なぜルールを破ってしまったのかを振り返り、次に活かせる形に見直すことです。一度の失敗を責めるよりも、ルールをより現実的な内容に調整するきっかけとして捉えましょう。
そのときの値動きや自分の心理状態を簡単にメモしておくと、次に似た場面に直面したときの参考になります。
暴落中はニュースやSNSを見ないほうがいいですか?
完全に情報を遮断する必要はありませんが、確認する頻度や時間帯をあらかじめ決めておくことをおすすめします。値動きを常に追い続けると、判断の材料よりも不安ばかりが積み重なりやすくなります。
積立投資でも狼狽売りは起こりますか?
起こり得ます。積立は購入タイミングを分散する仕組みであり、暴落時の心理的な動揺そのものを防ぐものではありません。積立を続ける場合も、暴落時にどう行動するかを事前に決めておくことが同じように重要です。
免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。最新の情報は公式情報をご確認ください。