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2024年4月、ビットコインのブロック報酬は6.25BTCから3.125BTCへ半分になりました。ここまでは過去3回と同じ手順です。決定的に違ったのは、その約1か月前——2024年3月の時点で、ビットコインがすでに前サイクルの史上最高値を更新していたことでした。
過去3回は、いずれも半減期を迎えた時点の価格が前回の高値をはっきり下回っていました。「半減期のあとに、時間をかけて最高値を取りに行く」というのがこれまでのパターンだったからです。2024年のサイクルは、その順番が入れ替わった初めての回になりました。
この記事では、4回目の半減期の前後でビットコインの値動きがどう変わったのかを、過去3サイクルと並べて検証します。数字は公開されているチャートとブロックチェーンの記録から誰でも追える範囲のものを使い、解釈が分かれる部分は分かれると明記しました。よく言われる「今回は違う」がどこまで裏づけのある話なのか、順に見ていきましょう。
前提の整理:2024年サイクルで変わった外部環境
値動きを比べる前に、土台の違いを押さえておく必要があります。2024年1月、米国の証券当局が現物ビットコインETF(現物を裏付けとした上場投資信託)を承認し、翌日から取引が始まりました。半減期のわずか3か月前の出来事です。
それまでのサイクルでは、機関投資家がビットコインを買うには先物や信託といった間接的な手段が中心でした。現物ETFの登場は、証券口座から株式と同じ操作でビットコインの現物需要を生み出す経路が開いたことを意味します。なお、日本国内の証券会社で同種の商品が扱えるかは制度上の論点があり、取り扱い状況は各社の公式情報でご確認ください。
過去4回のサイクルを数字で並べる
半減期の時点の価格と、そのサイクルで記録された高値を概算で並べたものが次の表です。取引所によって価格に差があるため、傾向をつかむための参考値として見てください。
| 半減期 | 半減期時の価格(概算) | サイクル高値(概算) | 高値までの期間 |
|---|---|---|---|
| 2012年11月 | 約12ドル | 約1,100ドル(2013年11月) | 約12か月 |
| 2016年7月 | 約650ドル | 約1万9,000ドル(2017年12月) | 約17か月 |
| 2020年5月 | 約8,600ドル | 約6万9,000ドル(2021年11月) | 約18か月 |
| 2024年4月 | 約6万4,000ドル | 10万ドルの節目を突破(2024年12月) | 約8か月で節目に到達 |
この表から読み取れることは2つあります。ひとつは、半減期時の価格に対する上昇倍率がサイクルごとに小さくなっていること。おおよそ90倍、30倍、8倍と桁が落ち、4回目はさらに小さい規模にとどまっています。市場規模が大きくなるほど、同じ倍率で動かすのに必要な資金は増えるため、この逓減自体は自然な現象と説明されることが多いです。
もうひとつは、高値をつけるまでの期間にばらつきがあり、「半減期の1年後が天井」という単純な法則にはなっていないことです。
2024年サイクルが過去と違った3つの点
1. 上昇が半減期の「前」から始まっていた
過去3回は、半減期の時点でまだ前サイクルの下落の余韻が残り、そこから緩やかに上げていく展開でした。2024年は逆で、ETF承認を受けた資金流入によって1月から3月にかけて上昇し、半減期を迎える前に最高値を更新しています。半減期の直後は、むしろ数か月の調整局面が続きました。
半減期そのものが上昇の引き金だった、という説明は今回に限っては当てはめにくく、値動きの順番がそれを示しています。
2. 需要側に継続的な買い手が加わった
これまでのサイクルで需要を作っていたのは、主に個人投資家と一部の企業でした。2024年以降は、ETFを通じた資金の出入りが定期的に公表され、市場参加者がその数字を見て動くという新しい構図が加わっています。上場企業が財務戦略としてビットコインを保有する動きも広がりました。
ただし、この変化が上向きにだけ働くとは限りません。ETFに入った資金は同じ経路で出ていくこともでき、機関投資家の資金は株式市場の地合いに連動しやすい性質があります。ビットコインが「独立した資産」から「リスク資産のひとつ」として扱われる度合いが強まった、という見方も出ています。
3. マイナーの収益構造がより厳しくなった
報酬が3.125BTCに減ったことで、電気代の高い地域や旧世代の機材を使う事業者の採算は一段と厳しくなりました。半減期の直後には、ビットコイン上で新しい規格のトークンを発行する動きが集中し、取引手数料が一時的に跳ね上がる場面もありましたが、その水準は長続きしていません。長期的に手数料収入がブロック報酬の減少をどこまで補えるかは、いまも結論の出ていない論点です。
「半減期が上げた」と言えるのか、相関と因果を分ける
半減期のあとに価格が上がった、という観測自体は4回とも大枠で当てはまります。ただし、サンプルは4つしかありません。統計的に因果関係を主張するには少なすぎる数です。
同じ期間には、世界的な金融緩和と引き締め、大手取引所の破綻、規制の整備、そしてETFの承認といった大きな出来事が重なっています。半減期だけを取り出して原因と断じるのは無理があり、供給の絞り込みは値動きを説明する要因のひとつにすぎないと捉えるほうが実態に近いはずです。
サイクルを前提にした売買計画の考え方は投資戦略カテゴリでも扱っています。
次の半減期に向けて、見ておくべき指標
次の半減期は2028年ごろと見込まれます。日付ではなく21万ブロック到達で発生するため、前後する点はこれまでと変わりません。そのときに「今回は違うのか」を自分で判断するために、次のような材料を定点観測しておくと役に立ちます。
- ETFへの資金の出入り。買い越しが続いているのか、流出に転じているのか
- マイナーの保有量と送金動向。採算悪化による売却が増えていないか
- 取引所に置かれているビットコインの残高。減少は長期保有への移動を示すとされます
- 金利など外部環境。リスク資産全体の地合いと連動する場面が増えています
実際に売買するなら、価格だけでなく手数料体系や注文方法も確認しておきたいところです。国内ではbitbankやGMOコインなどが板取引に対応していますが、条件は改定されることがあるため公式情報での確認をおすすめします。口座開設からの流れは始め方ガイドに、利益が出た場合の申告は税金ガイドにまとめました。個別の値動きや動向はビットコインカテゴリで追えます。
よくある質問(FAQ)
2024年の半減期後、結局ビットコインは上がったのですか
半減期の直後は数か月の調整が続き、その後2024年12月に10万ドルの節目を超えました。ただし半減期時の価格からの倍率で見ると、過去3サイクルより小さい規模にとどまっています。直近の水準は取引所の公式チャートでご確認ください。
「半減期の約1年後が天井」というアノマリーは今回も有効ですか
過去3回はおおむね12〜18か月後に高値をつけましたが、幅が広く、4回目は上昇の起点が半減期より前にずれています。時期を当てにした売買計画は、想定が外れたときの損失が大きくなりやすい点に注意が必要です。
ETFがあるのに現物を持つ意味はありますか
目的次第です。証券口座で完結させたいならETF、送金や自己管理を重視するなら現物、という整理になります。現物を長期で持つ場合は保管方法が重要で、ハードウェアウォレットの解説が参考になります。
次の半減期に備えて今から何をすべきですか
特定のタイミングに賭けるより、買付を時間分散する、保管と納税の準備を整えるといった、外部環境に左右されにくい部分を先に固めるのが現実的です。半減期の仕組みそのものを確認したい方は、あわせて基礎解説の記事もご覧ください。
免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。最新の情報は公式情報をご確認ください。