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※本記事にはアフィリエイト広告(A8.net)を含みます。記載の内容は2026年8月時点で公開情報を確認した一般的な解説です。
※本文に直接のアフィリエイトリンクはありません。サイト共通部分にPRが表示される場合があります。数値は2026年8月17日にCambridge Centre for Alternative Finance(CCAF)とBitcoin開発者向け文書で確認しました。
- Cambridgeの2025年調査はBitcoinマイニングの年間電力消費を138TWh、世界の電力消費の約0.5%と推計
- 同調査のネットワーク全体排出量推計は39.8MtCO2e
- 持続可能電源52.4%の内訳は再生可能エネルギー42.6%、原子力9.8%。「再エネ52.4%」ではない
- これらは49社、世界の報告採掘活動の48%を基にした推計で、全マイナーの電力メーター実測合計ではない
Bitcoinの電力消費は0ではありません。一方で、「1取引が家庭何日分」「銀行や金採掘より小さいから問題ない」といった単純比較も、因果関係や集計範囲を誤ります。
この記事では、Proof of Work(PoW)の仕様、Cambridgeの2025年業界調査、CBECIの日次推計モデルを分け、どの数値が実測でどの数値が推計かを確認します。
Bitcoinは何に電力を使うのか
マイナーは、候補ブロックの80バイトヘッダーをハッシュ化し、コンセンサス規則が求めるターゲット以下の値を探します。有効なハッシュは事前に予測できないため、nonce等を変えて試行を繰り返します。
これは「複雑な数学問題の正解を解く」作業ではありません。ハッシュ値がターゲット条件を満たすかを高速に試す確率的な探索です。
Bitcoinは2,016ブロックごとに、直前期間が理想の1,209,600秒(約2週間)に近づくよう難易度を調整します。ネットワーク全体のハッシュレートが増えても、ブロック間隔を長期的に約10分へ近づける仕組みです。
通常のフルノードはブロックと取引を検証しますが、ASICでPoWを競うマイナーとは別です。自宅PC・VPSの容量と電力の判断を混ぜないでください。
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電力消費は全ネットワークの実測値ではない
分散した世界中のマイニング設備に共通電力メーターはありません。Cambridge Bitcoin Electricity Consumption Index(CBECI)も、実際の総電力需要は直接確定できないと明記しています。
CBECIはハイブリッドのトップダウン方式で、次の主な要素を使います。
- ネットワークの平均ハッシュレート
- ブロック補助金と取引手数料の価値
- 100種類を超える機器仕様から作る採掘機の効率モデル
- 仮定する平均電力単価
- 冷却等を含むPower Usage Effectiveness(PUE)
その上で、全マイナーが最高効率機器を使うと仮定する理論下限、採算が合う中で最も非効率な機器も使われると仮定する理論上限、複数機器の組み合わせによるbest-guess推計を示します。
日次ページの「年率換算TWh」は、現在の推定電力需要が1年続くと仮定した値です。短期的なハッシュレート変動を弱めるため7日移動平均を使います。過去12か月に実際に計測した検針値ではありません。
2025年Cambridge調査が示した138TWh
Cambridge Digital Mining Industry Reportは2025年4月28日に公表されました。調査には49のデジタルマイニング企業が参加し、回答者の拠点は23か国にわたります。報告データは世界の採掘活動の48%を表すとされています。
| 指標 | 2025年報告の推計 | 読む時の注意 |
|---|---|---|
| 年間電力消費 | 138TWh | 報告データからネットワーク全体へ拡張した推計 |
| 世界電力消費比 | 約0.5% | 比較年・母数の定義と同時に引用する |
| ネットワーク全体排出量 | 39.8MtCO2e | 電力量と電源構成の仮定による推計 |
| 報告採掘活動のカバー率 | 48% | 未回答・小規模・非公開設備の構成が同じとは限らない |
138TWhは「2026年の固定値」ではありません。報酬、BTC価格、ハッシュレート、機器効率、電力単価、稼働・停止で電力需要は変わります。現在値を使う場合は、日次CBECIの日付、モデルバージョン、下限・上限・best guessのどれかを記録してください。
ニュースの断片だけ追っていると、なぜその設計になっているのかが分からないまま値動きに振り回されます。設計思想と歴史を一度通しで読むと、判断の基準が自分の中にできます。
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持続可能電源52.4%は再生可能エネルギーだけではない
同報告の回答電源構成は次の通りです。
| 分類 | 構成比 | 注意 |
|---|---|---|
| 再生可能エネルギー | 42.6% | 水力・風力等を含む |
| 原子力 | 9.8% | 報告の「持続可能電源」に含む |
| 天然ガス | 38.2% | 回答構成の単一電源として最大 |
| 石炭 | 8.9% | 燃焼時とライフサイクルの排出がある |
したがって、「Bitcoinマイニングの52.4%が再エネ」と書くと、9.8ポイントの原子力を再エネに読み替えることになります。再エネ比率と42.6%、持続可能電源と52.4%を分けてください。
これも報告参加者が提供したデータの電源構成です。世界の全マイニング拠点を同時に計測した値ではなく、未回答部分の電源構成が同じとは限りません。
電力消費とCO2e排出量は同じ指標ではない
同じ電力量でも、電源構成によってライフサイクル温室効果ガス排出は異なります。CCAFのGHG推計は、電力消費推計、ハッシュレートの地理分布、国・地域の電源構成、電源ごとのライフサイクル排出原単位を組み合わせます。
この方法には仮定があります。例えば、採掘拠点の国・州の平均的な電源構成が、実際にマイナーが使う電源を表すと仮定する期間があります。最新の地理データ後も同じ分布が続くと仮定する予測期間もあります。
CCAFは、フレアガス、オフグリッド採掘、廃熱回収、カーボンオフセットなど排出を減らし得る活動は、信頼できるデータが少ないため現行モデルに含めていないとしています。逆に、これらの事例があることだけで、ネットワーク全体の排出が相殺されるとも判定できません。
「1取引あたり電力」を因果関係として使わない
「年間推定電力消費 ÷ オンチェーン取引件数」という計算は、過去期間の平均的な割算強度は示せます。しかし、「次の1取引を追加すると、その電力量が追加で必要になる」という限界電力の意味にはなりません。
Bitcoin開発者向け文書が示す通り、PoWでハッシュ化するのは80バイトのブロックヘッダーです。候補ブロック内の取引データが増えても、同じ比率でハッシュ試行電力が増える仕様ではありません。
このため、決済システムとの比較では、オンチェーン取引数だけでなく、Lightning等のオフチェーン決済、取引所内振替、複数支払いのバッチ処理をどの範囲まで含めるかを先に決める必要があります。
銀行・金採掘・国・家庭との比較で見る条件
BitcoinのTWhを他の対象と比べること自体はできますが、次の条件を揃えなければ優劣は判定できません。
- 電力だけか、熱や輸送燃料を含むエネルギー全体か
- 直接運用だけか、機器製造・建物・輸送・廃棄を含むライフサイクルか
- 全世界か一国か、同じ年と期間を比べているか
- 決済だけか、預金・貸出・保管・本人確認等の機能全体か
- 実測値、企業回答、経済モデル、ライフサイクル推計のどれか
高効率ASICが増えれば総電力が必ず減るわけではない
機器の効率はJ/TH(1テラハッシュあたりジュール)で比較できます。J/THが下がれば、同じハッシュレートをより少ない電力で出せます。
ただし、マイナーが高効率機器を増設して総ハッシュレートを増やせば、ネットワーク全体の電力は減らない可能性があります。難易度調整はブロック間隔を調整する仕組みで、消費電力の上限を設定する機能ではありません。
特定ASICの消費電力とTH/sはその機種の仕様であり、世界全体の稼働台数・機器構成ではありません。CBECIが機器バスケットと発売時期による重み付けを使うのは、新旧複数機種が同時に動くためです。
PoSへの変更は消費電力設定の切替ではない
Proof of Stake(PoS)はPoWのハッシュ競争と同じ計算を行わないため、合意形成の直接的な電力需要は大幅に異なります。しかし、BitcoinがPoSへ変更することは、電力設定を下げるような簡単な更新ではありません。ブロック生成者の選択、攻撃コスト、フォーク選択、既存機器と経済インセンティブを変えるコンセンサス規則の全面変更です。
この記事は「PoWの消費電力は大きいから安全」、または「PoSの電力は小さいから全ての安全性で優れる」とは判定しません。各方式の安全性は、参加集中度、クライアント規則、フォーク回復、経済インセンティブ等を含めて別に検証します。
日本の家庭・事業者は世界推計をそのまま収支に使わない
Cambridgeの138TWh・39.8MtCO2e・電源構成は世界の採掘活動を対象にした推計です。日本のハッシュレート構成比、日本の家庭用電力での収益性、日本の系統排出係数を直接示す数値ではありません。
個人がASICを稼働させる場合は、機器価格と故障リスクだけでなく、実測消費電力、契約容量、配線とブレーカー、連続発熱、騒音、排熱、火災安全、通信停止、プール条件、受取・売却時の記録を見積もる必要があります。採掘難易度、報酬価値、競合ハッシュレートが変わるため、機器仕様だけで黒字は保証できません。
数値を引用する前のチェックリスト
- 電力需要GWか、年間電力量TWhか、温室効果ガスMtCO2eか
- 検針実測、企業アンケート、ハッシュレート/機器モデルのどれか
- 推計日、報告年、モデルバージョン、下限・上限が付いているか
- 電源構成の「再エネ」「原子力」「持続可能電源」を分けたか
- 地理分布と対応する電源構成は、どの期間のデータか
- 比較先と期間、地域、機能範囲、ライフサイクル範囲を揃えたか
- 「1取引あたり」を追加1取引の限界電力と誤解していないか
まとめ
Cambridgeの2025年調査は、Bitcoinマイニングの年間電力消費を138TWh、世界比を約0.5%、排出量を39.8MtCO2eと推計しました。但し、これは49社の回答と報告採掘活動48%を基にする推計で、全拠点のメーター実測ではありません。
電力量、電源構成、排出量は別の指標です。また、PoWのハッシュ競争は個々の取引を1件ずつ処理する電力と線形に対応しません。数値の賛否より先に、期間、単位、実測/推計、電源分類、比較範囲を確認するのが出発点です。
数字で確かめたい場合は、目的別の計算ツールで試算できます(26種・登録不要)。
よくある質問
Bitcoinの年間電力消費は何TWhですか?
Cambridgeの2025年業界調査は138TWhと推計しました。ただし、ハッシュレート、報酬、機器効率、電力単価で変わるため固定値ではありません。日次ではCBECIが理論下限、理論上限、best-guessの年率推計を更新しています。
Bitcoinの1取引は何kWhを使いますか?
年間電力推計をオンチェーン取引数で割る後方的な平均値は計算できますが、追加1取引の限界電力ではありません。PoWはブロックヘッダーをハッシュ化し、取引件数が増えると同率でハッシュ試行電力が増える仕様ではありません。
Bitcoinマイニングの再生可能エネルギー比率は52.4%ですか?
いいえ。Cambridgeの2025年報告では、再生可能エネルギーは42.6%です。52.4%は再エネ42.6%と原子力9.8%を合わせた「持続可能電源」の比率です。また、報告採掘活動の48%を基にする構成です。
Cambridgeの138TWhは世界のマイナーを全て実測した値ですか?
いいえ。49社の調査データと、世界の報告採掘活動48%のカバーを基にしたネットワーク全体推計です。分散した全採掘拠点の電力メーターを合計した数値ではありません。



