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「アクティブアドレス数が伸びている=強気相場が近い」——SNSやニュース記事で、こうした短絡的な解説を見かけたことがあるかもしれません。しかし、この理解には注意が必要です。実際には、ひとりの利用者が取引のたびに新しいアドレスを使うことも珍しくなく、アクティブアドレス数は「利用者数」そのものではなく、「その期間にオンチェーンで動いたアドレスの延べ数」を示す指標にすぎません。
この記事では、アクティブアドレス数の定義から算出の考え方、価格との先行・遅行関係の一般的な見方、そして指標として読む際の注意点までを整理します。読み終える頃には、この数字がニュースやSNSで話題になったときに、それが本当に何を意味しているのかを自分の頭で判断できるようになるはずです。主要なオンチェーン分析サービスが公開している算出方法の考え方を踏まえながら、順に見ていきましょう。
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アクティブアドレス数とは、一定期間(多くの場合1日単位)のうちに、送金または受取のいずれかでブロックチェーン上の取引に関わったアドレスの数を指します。同じアドレスが1日に何度取引をしても、集計上は1件として数えられるのが一般的な考え方です。
ここで注意したいのは、アドレスと「人」は一対一で対応しないという点です。ビットコインのウォレットの多くは、プライバシー保護の観点から取引のたびに新しい受取用アドレスを生成する仕組みを採用しています。そのため、ひとりの利用者の行動だけでもアクティブアドレス数を押し上げることがあります。逆に、取引所内で完結する売買は、多くの場合ブロックチェーン上の個別アドレスとしては現れず、取引所がまとめて管理するウォレットの内部処理として扱われます。
どのように集計されているのか
アクティブアドレス数は、GlassnodeやCryptoQuantといったオンチェーン分析サービスが、ブロックチェーンのノードから取得した生データをもとに算出し、公開しています。集計方法の細部(重複除去のルールや、ダスト取引と呼ばれる極小額の取引をどう扱うかなど)はサービスごとに異なるため、同じ「アクティブアドレス数」という名称でも数値が一致しないことがある点は覚えておいて損はありません。
- 送金アドレスと受取アドレスの両方を対象に、重複を除いて集計するのが一般的です
- 集計期間は日次・週次・月次など複数の粒度で提供されることが多いです
- スパム的な極小額取引を除外するフィルターの有無で数値が変わる場合があります
価格との先行・遅行関係をどう見るか
アクティブアドレス数と価格の関係については、長年さまざまな分析が行われてきました。一般的な傾向として語られるのは、実需や新規参入者の増加を伴う強気相場では、価格上昇に先立つか、ほぼ並行してアクティブアドレス数も増加する場面が多いとされている点です。ネットワークの利用そのものが広がっていることが、価格の裏づけになっているという見立てです。
一方で、レバレッジ取引や短期的な思惑が主導する相場では、価格だけが先行して上昇し、オンチェーン上の実際の利用は伴わないケースも指摘されています。価格とアクティブアドレス数が乖離する局面は、一部のオンチェーンアナリストの間で「実需の伴わない上昇」を疑う材料として語られることがあります。ただし、これはあくまで過去の値動きから語られる傾向であり、将来の値動きを保証するものではない点には注意してください。
他のオンチェーン指標と組み合わせて読む
アクティブアドレス数は単独で使うよりも、他の指標と組み合わせることで解釈の精度が上がるとされています。代表的な指標を以下にまとめます。
| 指標 | 何を測るか | 単独使用の弱点 |
|---|---|---|
| アクティブアドレス数 | ネットワーク上で動いたアドレスの延べ数 | 実際の利用者数とは一致しない |
| NVTレシオ | 時価総額と決済額の比率(株式のPERに近い考え方) | 取引所間の資金移動で数値が歪みやすい |
| 取引所残高の増減 | 取引所に保管されているコインの量の変化 | コールドウォレット管理の普及で解釈が難しくなっている |
これらを一つの数字だけで判断せず、複数の指標を突き合わせて全体の傾向を見る姿勢が、オンチェーン分析では基本とされています。より広い視点での分析については、投資戦略の関連記事もあわせて参考にしてください。
指標を読む際の注意点
アクティブアドレス数を判断材料にする際は、冒頭で触れた「アドレス数と利用者数のズレ」に加えて、いくつかの限界を理解しておく必要があります。
- 取引所やカストディサービスの内部移動は、個別アドレスとして表面化しないことが多い
- ライトニングネットワークなどのレイヤー2上の取引は、ベースレイヤーのアクティブアドレス数には反映されません
- 意図的に大量の極小額取引を発生させる、いわゆるスパム的な行為で数値が一時的に押し上げられることもあるとされています
これらを踏まえると、アクティブアドレス数はネットワークの利用度を大まかに把握するための一つの手がかりであり、単独の売買シグナルとして扱うべき指標ではないといえます。オンチェーン指標をはじめて学ぶ場合は、ビットコインの始め方ガイドやテクニカル分析カテゴリの記事もあわせて確認すると理解が深まります。
よくある質問(FAQ)
アクティブアドレス数だけで売買を判断してもいいですか?
おすすめできません。アクティブアドレス数はアドレスと利用者が一対一で対応しないという構造的な弱点を持つ指標です。NVTレシオや取引所残高の増減など、他の指標や価格チャートと組み合わせて、総合的に判断する材料の一つとして扱うのが妥当です。
アクティブアドレス数はどこで確認できますか?
GlassnodeやCryptoQuantなど、主要なオンチェーン分析サービスが日次データを公開しています。無料プランでも基本的な推移は確認できることが多いですが、詳細なデータや長期の履歴は有料プランが必要な場合があります。各サービスの公式情報をご確認ください。
アクティブアドレス数が急増・急減したときは何を疑えばいいですか?
急増の場合は、実需の拡大だけでなく、スパム的な極小額取引や取引所側のシステム的な処理変更が影響していないかを確認する視点が有効です。急減の場合も同様に、季節要因や特定のサービスの仕様変更が影響している可能性があるため、単一の要因に決めつけずに背景を確認することが大切です。
ビットコイン以外の通貨でも同じように使える指標ですか?
考え方自体はイーサリアムなど他のパブリックブロックチェーンにも応用されています。ただし、アドレス生成の仕組みやレイヤー2の普及度がチェーンごとに異なるため、数値をそのまま横並びで比較するのではなく、それぞれのネットワークの特性を踏まえて読む必要があります。
免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。最新の情報は公式情報をご確認ください。


