イーサリアム - ETH

LidoとRocket Poolの利回り・手数料を徹底比較:どちらが有利か

リキッドステーキングを選ぶ際に最も気になるポイントの一つが「実際の利回り(APR)」と「手数料」です。LidoとRocket Poolはそれぞれ独自の手数料体系を持ち、ユーザーが受け取れる実質利回りに差が生まれることがあります。

本記事では、両プロトコルの利回りと手数料を具体的な数字を交えながら比較し、どちらのプロトコルがどのような条件でより有利になるかを解説します。なお、ステーキング報酬はイーサリアムネットワークの状況によって変動するため、本記事の数値はあくまで参考値として捉えてください。

利回りだけで判断せず、流動性・セキュリティ・分散性なども含めた総合評価が重要です。本記事がそのための判断材料の一つになれば幸いです。

1. ETHステーキングの基本利回り

1-1. ベースラインとなるネットワーク報酬

イーサリアムのPoSにおけるステーキング報酬は、ネットワーク全体のステーキング量に反比例して変動します。ステーキング量が増えるほど1バリデーターあたりの報酬は減少し、逆にステーキング量が少ないと報酬が増えます。

2024年時点では、イーサリアムの総ステーキング量は数千万ETHに達しており、ネットワーク報酬は年率3〜4%程度が一般的な水準とされています。この数値はガス代の状況や新規バリデーターの参入状況によって変動します。

1-2. リキッドステーキングの実質APRの計算方法

リキッドステーキングの実質APRは、ネットワーク報酬からプロトコル手数料を差し引いた値となります。計算式は以下のとおりです。

実質APR = ネットワーク報酬 × (1 – プロトコル手数料率)

例えばネットワーク報酬が4%でプロトコル手数料が10%の場合、実質APRは4% × 0.9 = 3.6%となります。実際にはガス代やバリデーター効率なども影響するため、公式サイトの最新数値を確認することを推奨します。

2. Lidoの手数料体系

2-1. Lidoのプロトコル手数料の内訳

Lidoはステーキング報酬の10%をプロトコル手数料として徴収します。この10%はさらに以下のように分配されます。

  • バリデーター(ノードオペレーター)への配分: 5%
  • Lido DAOの財務への配分: 5%

ユーザーが受け取れる報酬は、ネットワーク報酬の90%となります。手数料率は一見シンプルで分かりやすい設計です。

2-2. LidoのwstETHとの比較

Lidoにはstethの他にwstETH(Wrapped stETH)という形式もあります。stETHはリベーシングにより残高が増える仕組みですが、wstETHは残高は変わらず価値が上昇する仕組みです。DeFiプロトコルによってはwstETHの方が互換性が高く、使い勝手がよい場面があります。手数料自体はstETH・wstETH間で変わりません。

3. Rocket Poolの手数料体系

3-1. Rocket Poolのノードコミッション

Rocket Poolの手数料体系はLidoよりやや複雑です。ノードオペレーターがミニプールを立ち上げる際に、コミッション率を設定します。このコミッション率はプロトコルの需給状況によって変動し、一般的に5〜20%の範囲で推移します。

ユーザーが実際に受け取る報酬は「ネットワーク報酬 × (1 – ノードコミッション率)」となります。コミッション率が低い時期はLidoより高い利回りになる可能性があります。

3-2. RPLトークンとのインセンティブ

Rocket PoolはrETHの利回りに加え、RPLトークンによる追加インセンティブも提供しています。ただしこれは主にノードオペレーター向けの仕組みであり、rETH保有者への直接的な報酬ではありません。RPL自体はガバナンストークンとしての性質を持ちます。

4. 実質利回りの比較シミュレーション

4-1. 基本条件での比較

例として、ネットワークAPRが4%の場合の比較を示します。

  • Lido(stETH): 4% × 90% = 3.6% APR
  • Rocket Pool(rETH): 4% × (100% – ノードコミッション) ※コミッション率に依存

コミッション率が14%の場合のRocket Pool利回りは4% × 86% = 3.44%となり、Lidoより低くなります。一方コミッション率が5%の場合は4% × 95% = 3.8%となり、Lidoより高くなります。

4-2. 長期保有での複利効果

リキッドステーキングは報酬が自動的に再投資される複利型です。年率3.6%を複利で運用した場合、10年後には元本が約1.43倍になる計算です。長期投資の観点では、わずかなAPRの差も積み上がると大きな差になります。継続的にAPRを追跡し、より有利なプロトコルへのリバランスも検討に値します。

5. 流動性と取引コスト

5-1. stETHの流動性

stETHはDeFi市場での流動性が非常に高く、Curve Finance等の主要DEXに深い流動性プールが存在します。ETHへの換金もガス代を考慮すれば比較的スムーズに行えます。ただし相場急変時にはstETH/ETHのデペッグリスクがあります。

5-2. rETHの流動性とスリッページ

rETHはstETHに比べて流動性が低く、大口の換金では価格スリッページが発生する可能性があります。少額保有であれば大きな問題にはなりませんが、大口ポジションを換金する際には事前に流動性を確認することを推奨します。なお、Rocket Poolはプロトコルネイティブの換金機能も持っており、一定条件下でバーンによるETH回収も可能です。

6. 手数料以外の選択基準

6-1. DeFi活用との相性

stETHはAave・Compound・Curveなど主要DeFiで広くサポートされており、担保としての活用や流動性提供に使いやすい環境が整っています。rETHも徐々に対応プロトコルが増えていますが、対応状況はstETHに及ばない部分があります。DeFiを積極的に活用する予定であれば、エコシステムの充実度も選択基準に加えることを検討してください。

6-2. 分散性を重視するかどうか

Ethereumの分散性に貢献したいという観点では、Rocket Poolの方が望ましいとされています。Lidoが市場シェアを独占することへの懸念はEthereumコミュニティ内でも議論されており、プロトコルへのエクスポージャーを分散するという考え方もあります。

まとめ

LidoとRocket Poolの利回り・手数料を比較すると、どちらが絶対的に有利というわけではなく、市場状況や活用方法によって逆転することもあります。流動性の高さではLidoが優位であり、分散性や手数料の低さではRocket Poolが有利な場面もあります。

投資判断の際は最新の公式データを確認し、複数の観点から総合的に評価することが重要です。

よくある質問(FAQ)

Q. APRはどこで最新情報を確認できますか?
A. Lidoは公式サイト(lido.fi)、Rocket Poolは公式サイト(rocketpool.net)でそれぞれ最新APRが公開されています。DefiLlamaやStakingRewardsなどのアグリゲーターも参考になります。

Q. 手数料はいつ引かれますか?
A. 手数料は報酬から自動的に差し引かれた形で計算されるため、ユーザーが個別に支払う必要はありません。受け取る報酬が手数料差引後の純額となります。

Q. 途中で解約できますか?
A. stETHやrETHはDEXで売却することで換金可能です。ただし流動性や価格乖離により、意図した価格で換金できない場合があります。


※本記事は情報提供を目的としており、投資を推奨するものではありません。暗号資産への投資は元本割れのリスクがあります。投資判断はご自身の責任で行ってください。

Bitcoin Analyze 編集部

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