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カストディとは?機関投資家のビットコイン保管の仕組みをやさしく解説

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取引所のアプリでビットコインを買ったあと、画面に並んだ残高の数字をしばらく眺めて、ふと手が止まる。この数字は、いったいどこにあるのだろう。多くの人が一度は通る場面だと思います。

その「どこにあるのか」を説明する言葉が、カストディです。日本語では保管業務と訳され、他人の資産を預かって安全に管理する仕組み全体を指します。機関投資家が大きな金額のビットコインを持てるのは、この仕組みが規制と保険に支えられているからです。

この記事では、カストディの基本、個人の自己保管との違い、規制で何が求められるのか、保険はどこまで守るのかを順に整理します。読み終えるころには、「取引所に置いたままでよいのか、自分で管理すべきか」を、雰囲気ではなく条件で判断できるようになります。ここでの説明は、国内の制度の枠組みと、各社が開示している管理体制の資料の形式を突き合わせて整理したものです。順に見ていきましょう。

国内で暗号資産を買うなら、まず口座が要ります

日本円の入出金に対応した国内の登録業者なら、送金や積立まで一つの口座で完結します。口座開設と維持の費用はかからず、取扱銘柄や手数料体系は公式サイトで確認できます。

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カストディとは何を指す言葉か

カストディは、もともと株式や債券の世界で使われてきた言葉です。投資家に代わって有価証券を保管し、名義の管理や配当の受け取りといった事務を担う業務を指します。暗号資産の世界でも意味は変わりません。顧客の資産を預かり、秘密鍵を管理し、指示に応じて出し入れする業務がカストディです。

ビットコインの保有とは、突き詰めれば秘密鍵を持っていることを意味します。秘密鍵とは、そのアドレスから送金する権限を証明する文字列のことです。したがってカストディ業務の本質は、この鍵をどう作り、どう分けて保管し、誰が使えるようにするかという設計に集約されます。

なお、暗号資産を預かる事業を日本で行うには、法令上の登録が必要とされています。売買を伴わず保管だけを担う場合も対象になり得ます。

個人の自己保管と機関カストディの違い

両者は同じ「保管」でも、守ろうとしているものが違います。個人は自分の資産を自分の判断で守りますが、機関は他人から預かった資産を、組織として、記録に残る形で守らなければなりません。

観点 個人の自己保管 機関カストディ
鍵を持つ人 本人ひとり 複数人での分割管理が基本
出金の承認 本人の操作だけ 複数名の承認と手続きが必要
記録 任意 操作履歴の保存が求められる
外部の検証 なし 監査や外部評価を受ける
紛失時 原則として復元不可 復旧手順と補償の枠組みがある

この表を見ると、機関カストディの手続きが重いことが分かります。ただしその重さは、担当者ひとりの判断や、一台の端末の故障で資産が失われないようにするための設計です。個人が同じ体制を組む必要はありませんが、考え方は参考になります。

規制が求める三つの柱

1. 分別管理

預かった顧客の資産と、事業者自身の資産を明確に分けて管理することが求められます。帳簿上で分けるだけでなく、実際の保管場所を分ける運用が基本とされています。事業者の経営が悪化した場合に、顧客の資産が巻き込まれないようにするための仕組みです。

2. コールドウォレットでの保管

コールドウォレットとは、インターネットから切り離された環境で秘密鍵を管理する方式です。国内では、顧客から預かった暗号資産は原則としてこの方式で管理することが求められており、日常の出金に必要な最小限だけをオンライン側に置く運用が一般的とされています。

国内で登録を受けているコインチェックbitFlyerといった事業者は、こうした管理体制を各社のサイトで説明しています。どの範囲をどう管理しているかは会社ごとに書き方が異なるため、気になる場合は公式の説明ページを直接読むのが確実です。

3. 内部統制と第三者の検証

誰が鍵にアクセスできるのか、出金の承認は何段階か、退職者の権限はいつ消えるのか。こうした運用ルールを文書化し、実際にそのとおり動いているかを外部の監査で確かめる仕組みが求められます。技術よりも、この地味な運用管理のほうが事故防止に効いているとされています。

保険はどこまで守ってくれるのか

カストディ事業者が保険に加入しているという説明を見かけますが、内容は一様ではありません。一般に、対象になりやすいのはコールドウォレットからの盗難や内部の不正といった、事業者側の管理に起因する損害です。

一方で、次のようなケースは保険の対象外となることが多いとされています。

  • 利用者本人のパスワードや二段階認証が破られて出金された場合
  • 本人が詐欺に遭い、自分の意思で送金してしまった場合
  • 価格下落による資産価値の目減り

つまり保険は、事業者の落ち度を埋めるものであって、利用者側の事故まで面倒を見てくれるわけではありません。自分のアカウントを守る責任は、どこに預けていても自分に残ります。手口の傾向は詐欺の見分け方で押さえておいてください。補償の上限額や条件は各社が公式に開示していますので、実際の内容はそちらでご確認ください。

個人はこの仕組みをどう応用すればよいか

機関と同じ体制は組めません。それでも、考え方を借りることはできます。

  1. 金額で保管先を分ける。売買に使う分は取引所に置き、当面動かさない分は自分の管理下に移す。この二層構造が現実的です
  2. 復旧手段を先に用意する。リカバリーフレーズは紙などのオフライン媒体に控え、複数の場所に分けて保管します。撮影やクラウド保存は避けてください
  3. 出金の手順を家族と共有できる形にしておく。機関が承認プロセスを文書化するのと同じ発想です

自分の管理下に移す場合は、秘密鍵を専用の機器の中に閉じ込めるハードウェアウォレットが選択肢になります。ハードウェアウォレットの選び方で機種ごとの違いを確認したうえで、ハードウェアウォレットの取り扱い状況を見ておくと比較しやすくなります。購入は必ず正規の販売経路を選んでください。中古品や出所の分からない個体は、初期化済みに見えても安全とは言えません。

これから口座を開く段階の方は、暗号資産の始め方ガイドで全体の流れをつかんでから、保管方法を考えると順序よく進められます。

よくある質問(FAQ)

取引所に預けたままでも大丈夫ですか

国内で登録を受けた事業者は分別管理やコールドウォレットでの保管が求められており、一定の枠組みのなかで守られています。ただし、事業者に何かが起きたときの手続きには時間がかかることが想定されます。売買の予定がない分については、自分の管理下に移すことを検討する価値があります。

コールドウォレットなら絶対に安全ですか

いいえ。ネット経由の攻撃には強い方式ですが、リカバリーフレーズを盗み見られる、火災や水害で媒体を失う、保管場所を忘れるといったリスクは残ります。安全性は保管方式だけでなく、控えの取り方と保管場所の設計で決まります。

個人でもカストディサービスは使えますか

法人向けが中心で、最低預入額が設定されている場合が多いとされています。個人の現実的な選択肢は、登録事業者の口座とハードウェアウォレットの併用です。

相続や災害への備えはどうすればよいですか

資産の存在とアクセス方法を、信頼できる家族が把握できる状態にしておくことが出発点です。フレーズそのものを共有する必要はなく、「どこに何があるか」を残しておくだけでも大きく違います。税務上の取り扱いについては暗号資産の税金ガイドを参考にしつつ、具体的な手続きは税理士など専門家にご相談ください。

免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。最新の情報は公式情報をご確認ください。

この記事について

執筆・編集:Bitcoin Analyze 編集部

金融庁・国税庁および各事業者の公式資料にあたり、基準日と定義を固定したうえで記事を作成しています。価格予測や利益保証は扱いません。事業者の条件は変更されるため、最終的な判断は公式情報をご確認ください。

主な参照先

Bitcoin Analyze 編集部

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