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ビットコインの発行上限は2100万枚と決まっていますが、この数字がそのまま「今すぐ市場で動かせる枚数」を意味するわけではありません。上限に近づけば近づくほど、発行された枚数と、実際に取引や送金に使われている枚数との間には無視できない差が生まれてきます。
「発行上限イコール流通量」という前提で希少性や価格の話を考えていると、市場に出回っている実際の供給量を過大に見積もってしまうかもしれません。この記事では、失われたコインや長期間動いていないコインを除いた「実質流通量」という考え方と、その推定のされ方、そして希少性の評価にどう影響するのかを整理します。
読み終える頃には、ニュースやSNSで見かける「発行枚数」の数字をそのまま鵜呑みにせず、供給側の実態を一段深く理解できるようになります。オンチェーンデータや複数の調査会社が公表している推定の考え方を突き合わせながら、順に見ていきましょう。
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2026年時点で、採掘されてブロックチェーン上に記録されたビットコインは発行上限の9割超に達しているとされています。ただしこれは「発行済み供給」であり、そのすべてが取引可能な状態にあるとは限りません。
供給の考え方には段階があります。採掘によって新たに生まれた「発行済み供給」、そこから明らかに動かせないコインを除いた「流通供給」、さらに長期間動いていないコインの一部を除いた「実質流通量」という順に、実態に近づけていくイメージです。
「失われたビットコイン」とは何か
秘密鍵の紛失やパスワード忘れ
ビットコインの黎明期には、価値がまだ広く知られていなかったこともあり、秘密鍵を記録したハードディスクを誤って廃棄してしまった、パスワードを忘れて取り出せなくなったといった事例が複数報じられています。こうしたコインは技術的には存在していても、事実上は誰も動かせません。
保有者の死亡と鍵の相続未対応
秘密鍵の保管方法が家族に共有されないまま保有者が亡くなり、コインが誰にもアクセスできない状態で残されるケースも指摘されています。銀行口座と異なり、鍵そのものを知らなければ相続の手続きだけでは引き出せない点が背景にあります。
初期に採掘されたまま動いていないコイン
ビットコインが誕生した2009年前後に採掘され、2010年以降ほとんど動いていないとされるコインも一定数存在します。真偽は確認できませんが、こうしたコインは実質的な供給からは外れているとみなされることが一般的です。鍵の管理を誤ってこうした状態にしないためには、保管方法を見直しておくことが大切です。詳しくはハードウェアウォレットの選び方も参考にしてください。
実質流通量はどのように推定されているのか
実質流通量に公式な集計はありません。かわりに、ブロックチェーン上でコインが最後に動いた時期を分析し、一定期間動いていないコインを「休眠」とみなして供給から差し引くという考え方が広く使われています。
| コインの状態 | 目安となる非移動期間 | 供給への扱われ方 |
|---|---|---|
| 活発に取引される層 | 直近1年以内に移動 | 実質流通量にそのまま含まれる |
| 中期保有層 | おおむね1〜5年動きなし | 一部は将来の売り圧力として意識される |
| 長期休眠層 | 5年以上動きなし | 実質的な供給からほぼ除外して扱われることが多い |
| 紛失が疑われる層 | 10年前後、動きが確認できない | 事実上失われたコインとして推定されることが多い |
この区分けはあくまで目安であり、分析を行う調査会社によって基準や推定値には幅があります。同じ時期のデータを見ても、機関によって数字が異なることは珍しくありません。
実質流通量が希少性の評価に与える影響
実質的に取引できる供給が少ないほど、理論上は同じ需要に対する希少性の評価は高まりやすくなります。ストック・フロー比率のような考え方を用いた分析モデルでも、実質流通量に近い数字を使うことで説明力が高まるとされることがあります。
ただし、これは供給側の一面にすぎません。実際の価格は需要側の要因にも大きく左右されるため、実質流通量が減っていることが、そのまま価格上昇を約束するものではない点には注意が必要です。
個人投資家はこの考え方とどう付き合えばよいか
実質流通量という考え方を知っておくと、発行枚数だけを見て希少性を判断する単純化を避けやすくなります。とはいえ推定値には幅があるため、一つの数字を絶対視せず、複数の情報源を見比べる姿勢が大切です。
これから購入を検討する場合は、まず基本的な始め方を確認しておくと安心です。暗号資産の始め方ガイドや、投資戦略に関する記事もあわせて参考にしてください。自分のコインを将来「失われたコイン」の一部にしないためにも、鍵の管理方法を体系的に学んでおくと良いでしょう。市販の書籍で基礎から整理したい場合は関連書籍を探してみるのも一つの方法です。
よくある質問(FAQ)
実質流通量は公式に発表されている数字ですか
いいえ、公的機関が確定値として発表しているものではありません。ブロックチェーン分析を手掛ける民間の調査会社などが、オンチェーンデータをもとに独自の基準で推定している数字です。
失われたコインはブロックチェーン上で確認できるのですか
「失われた」こと自体を技術的に証明する手段はありません。あくまでコインが長期間移動していないという事実から、失われている可能性が高いと推測しているに過ぎない点は理解しておく必要があります。
実質流通量が減れば価格は必ず上がりますか
そうとは限りません。価格は需要側の要因にも大きく左右されるため、供給が減ることは一因になり得ても、上昇を保証するものではないとされています。
自分のコインが「失われたコイン」に数えられないためにはどうすればよいですか
秘密鍵の管理方法を明確にし、必要に応じて家族など信頼できる相手と保管場所の考え方を共有しておくことが基本です。ハードウェアウォレットの活用や、相続を見据えた準備も検討しておくと安心です。
免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。最新の情報は公式情報をご確認ください。



