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「ビットコインに強気なら、関連株を買っても同じように儲かる」——この理解は、半分だけ正しく、半分は間違いです。関連株と現物は、上がる理由も下がる理由も重なっているように見えて、実際には動く幅も、下落からの戻り方もまったく別の資産です。どちらを選ぶか決めきれずに手が止まっている方も多いと思います。
先に結論を言うと、ビットコインそのものの値動きを取りたいなら現物、証券口座の枠内で値動きを増幅させて取りにいくなら関連株という使い分けが基本になります。マイニング企業や大量保有企業が公表している決算資料と、同じ期間のビットコイン価格の推移を並べて確認すると、両者のブレ幅の差ははっきり出ます。
なぜそうなるのか、値動きの特性・上乗せされるリスク・税金・保管という4つの観点から、順に比較しながら解説します。
「ビットコイン関連株」と呼ばれるものは3種類ある
ひとくちに関連株といっても中身は違います。まず自分がどのタイプを検討しているのかを分けるところから始めてください。ここが混ざっていると、比較そのものが成立しません。
1. マイニング企業
計算機を大量に動かして新規発行分を獲得する企業です。収益は「ビットコイン価格 × 獲得量 − 電気代」というかたちで決まるため、価格が上がると利益が一気に膨らみ、下がると赤字に転落しやすい構造を持ちます。ビットコインの値動きが、そのまま利益の増減率として何倍かに拡大されて表れるのがこのタイプの特徴です。
2. ビットコインを大量に保有する事業会社
本業とは別に、資金調達をしながらビットコインを買い増していく方針を掲げる企業です。株価には保有資産の時価が反映されますが、それだけでは説明できない上乗せ分が付くことも、逆に割り引かれることもあります。保有量に対する株価の割高・割安が、市場の熱気で伸び縮みする点は必ず頭に入れておくべきです。
3. 取引所・関連サービス企業とETF
取引所や決済インフラを手がける企業は、価格そのものより取引量の増減に業績が左右されます。価格が横ばいでも売買が活発なら収益は伸び、逆に価格が高くても閑散としていれば伸び悩みます。また現物のビットコインを裏付けとするETF(上場投資信託)は、企業のリスクを負わずに価格へ連動させる商品で、性格としては現物に近い位置にあります。
値動きの特性を表で比較する
投資判断に直結する部分を、同じ物差しで並べます。ここでいう「連動の倍率」とは、ビットコインが1動いたときに何倍動きやすいかという傾向のことです。あくまで一般に語られている傾向であり、企業ごとの財務状況によって大きく変わります。
| 比較項目 | 現物のビットコイン | マイニング企業株 | 大量保有企業株 |
|---|---|---|---|
| 連動の倍率の傾向 | おおむね1倍 | 1倍を大きく超えることが多い | 1倍前後から数倍まで幅がある |
| 上昇局面 | 価格上昇分がそのまま反映 | 利益の急拡大を織り込んで先行しやすい | 上乗せ分が膨らみ加速しやすい |
| 下落局面 | 価格下落分がそのまま反映 | 赤字懸念で価格以上に売られやすい | 上乗せ分の剥落で二重に下げやすい |
| 上乗せされるリスク | 保管ミス、取引所の信用 | 電気代高騰、設備投資、増資による希薄化 | 資金調達の失敗、経営判断 |
| 取引できる時間 | ほぼ24時間365日 | 各市場の取引時間内のみ | 各市場の取引時間内のみ |
| 最低金額の目安 | 数百円から購入可能 | 1単元の株価に依存 | 1単元の株価に依存 |
| 保管の手間 | 自己管理なら鍵の管理が必要 | 証券口座で完結 | 証券口座で完結 |
表から読み取ってほしいのは、関連株が「ビットコインの代わり」ではないという一点です。関連株は、ビットコインの値動きに企業経営という別の変数を掛け合わせた商品です。価格が上がったのに株価が下がる、あるいはその逆が起こるのは、この掛け算の後半が効いているからです。
税金と口座の違いは意外と大きい
手取りに直結するにもかかわらず、比較のときに抜け落ちがちなのが税制です。日本では一般に、暗号資産の売却益は雑所得として他の所得と合算して課税され、上場株式の譲渡益は分離して計算し、おおむね2割程度の税率が適用される取り扱いとされています。所得が大きい方ほど、この差は無視できない大きさになります。
ただし暗号資産の課税方式については見直しの議論が続いており、扱いが変わる可能性があります。損失を出した年の繰り越しができるかどうかも制度によって異なるため、判断の前に仮想通貨の税金ガイドで全体像を確認し、最終的な数字は国税庁の公表資料など公式情報でご確認ください。証券口座であれば、口座の種類によって申告の手間そのものを減らせる点も比較材料になります。
目的別の使い分け:あなたはどちらを選ぶべきか
結論を用途別に落とし込みます。次のうち、自分の言葉に近いほうを選んでください。
- ビットコインの長期的な希少性に賭けたいならば現物。企業の業績や増資に左右されず、価格の動きだけを受け取れます
- 値動きの幅をあえて大きくして短期で成果を狙うならマイニング企業株。ただし下落局面の深さも同じだけ引き受けます
- 証券口座しか使えない、あるいは既存の資産と一元管理したいなら関連株かETF。暗号資産の口座を新たに開かずに済みます
- 配当や優待といった株式ならではの果実がほしいなら関連株。ただし業績が価格に依存する企業では、その果実自体が不安定になりがちです
- 迷っているなら、まず現物を少額から。原資産の値動きを体感しないまま、増幅された商品に入るのは順番が逆です
両方を持つ選択肢もありますが、その場合は「合計でどれだけビットコインに賭けているか」を必ず合算して把握してください。現物と関連株を別枠として数えていると、気づかないうちに資産全体が同じ方向に大きく傾きます。配分の考え方は投資戦略のカテゴリーもあわせてご覧ください。
現物を選ぶ場合に押さえておきたい実務
取引所は「買い方」で選ぶ
国内の登録業者であれば、どこでも基本的な売買はできます。差が出るのは購入方法です。手軽さを優先した販売所形式は、売値と買値の差が実質的な負担になりやすく、取引所形式で板に注文を出すほうが負担を抑えられるのが一般的です。コインチェックやGMOコインのように、どちらの方式にも対応している業者では、同じ銘柄でも購入画面の選び方で条件が変わります。手数料の詳細は改定されることがあるため、必ず各社の公式情報で最新の条件をご確認ください。口座開設から購入までの流れは仮想通貨の始め方ガイドに手順をまとめています。
長期で持つ分の置き場所を決めておく
関連株は証券会社の分別管理の仕組みに守られますが、現物を取引所に置いたままにするのとは前提が異なります。長期保有を前提にするなら、秘密鍵を自分で管理する専用機器の利用も選択肢に入ります。製品の選び方はハードウェアウォレットの解説で整理していますので、必要に応じてハードウェアウォレットの取り扱い一覧もご覧ください。購入するときは、必ず正規の販売経路を選んでください。
よくある質問(FAQ)
関連株のほうが儲かるというのは本当ですか?
上昇局面に限れば、価格の上昇率を超えて株価が伸びる場面はあります。ただし同じ仕組みが下落局面でも働き、価格の下落率を超えて下げることも起こります。増資による1株あたり価値の希薄化や、電気代の上昇といった企業側の事情が重なると、価格が戻っても株価が戻りきらないこともあります。上振れだけを取り出して比較しないことが大切です。
現物と関連株、両方持つのは分散になりますか?
厳密な意味での分散にはなりにくいと考えてください。どちらもビットコイン価格という同じ要因に強く反応するため、下落局面では同時に下がる可能性が高くなります。両方持つ場合は分散としてではなく、値動きの大きさを調整する手段として位置づけるほうが実態に合います。
ETFがあるなら現物は不要でしょうか?
目的次第です。証券口座で完結させたい、確定申告の手間を抑えたいという方にはETFが向きます。一方、自分で鍵を管理して第三者に預けない形にしたい、少額から自由な単位で買いたいという場合は現物にしかできないことがあります。取引時間の制約があるかどうかも実務上の違いとして効いてきます。
初心者はどちらから始めるべきですか?
まずは現物を、生活に影響しない金額から始めるのが無難です。原資産がどれくらいの幅で動くのかを自分の資金で体感してから、必要に応じて関連株を検討する順番であれば、値動きの大きさに驚いて判断を誤る場面を減らせます。焦って大きな金額を入れず、まず値動きの性格に慣れることを優先してください。
免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。最新の情報は公式情報をご確認ください。
判断に迷う論点は、先に確認したほうが早い
この記事で扱ったのは、公開されている情報から言える一般的な扱いです。実際の申告では、自分の取引履歴に当てはめたときに判断が要る場面が出てきます。区分の判定、過年度の修正、複数の論点が重なる場合などです。
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