本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含む場合があります。
ビットコインのブロックは、おおよそ10分に1つのペースで生成されます。その1つを掘り当てるために、世界中の採掘機が毎秒とてつもない回数の計算を繰り返しているというのが現在の姿です。個人が家庭用の機材1台で挑んだ場合、統計上は当選まで数百年待つ計算になることも珍しくありません。
先に結論をお伝えします。だからこそ採掘者の大半は「マイニングプール」に参加していて、その報酬方式は安定を買うPPS系か、期待値を取りにいくPPLNS系かという二択に集約されます。主要プールが公開している報酬方式の説明と手数料の記載を突き合わせると、名前は十数種類あっても、中身はこの二系統とその派生だと整理できます。
この記事では、プールがそもそも何をしている仕組みなのかという土台から、PPSとPPLNSで手取りの出方がどう変わるのか、そして選ぶときに見るべき条件までを順に扱います。読み終えるころには、プールの比較ページを開いたときに「どの数字を先に見ればいいか」で迷わなくなるはずです。順に見ていきましょう。
日本円の入出金に対応した国内の登録業者なら、送金や積立まで一つの口座で完結します。口座開設と維持の費用はかからず、取扱銘柄や手数料体系は公式サイトで確認できます。
GMOコインの口座開設ページを見る →PR・GMOコイン(GMOコイン株式会社)。手数料や取扱銘柄は変更されることがあるため、最新の内容は公式サイトでご確認ください。暗号資産は価格変動が大きく、投資判断はご自身の責任でお願いします。マイニングプールとは、当たりくじを共同で買う仕組み
マイニングは、ブロックの中身と「ナンス」と呼ばれる数字を組み合わせてハッシュ値を計算し、それが決められた基準値より小さくなる組み合わせを探す作業です。計算の中身自体は単純で、当たりを引くまでひたすら数字を変えて試すしかありません。つまり、宝くじを大量に買い続ける行為に近い性質を持っています。
ここで問題になるのが、報酬が「全部か、ゼロか」でしか手に入らない点です。ブロックを見つけた採掘者だけが新規発行分と取引手数料を受け取り、惜しかった人には1円も入りません。機材を1台だけ動かしている人にとって、これは何年も収入ゼロが続きうることを意味します。
マイニングプールは、この当たりくじを大勢で共同購入し、当たったときの賞金を貢献度に応じて分け合う仕組みです。貢献度の計測には「シェア」という単位が使われます。本番の基準よりずっと緩い基準を設けておき、それを満たすハッシュを見つけたら1シェアとしてプールに提出する。シェアは報酬にはなりませんが、その参加者がどれだけ計算を回したかの証明になります。ブロックが見つかったとき、このシェアの積み上がりを物差しにして配分が決まる、というのが全体の骨格です。ハッシュやナンスの基礎からたどりたい方は、技術解説のカテゴリもあわせて読んでみてください。
報酬方式は大きく2系統に分かれる
プールの一覧を見ると、PPS、FPPS、PPS+、PPLNS、SOLOといった略語が並びます。一見すると別物が5種類あるように見えますが、判断の軸は「プールが変動リスクを引き受けるかどうか」の一点です。引き受ける代わりに手数料を多めに取るのがPPS系、引き受けない代わりに手数料が安いのがPPLNS系だと考えると迷いません。
| 方式 | 報酬の出どころ | 受け取りの変動 | 手数料の傾向 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| PPS | プールが立て替える固定単価 | 小さい | 高め | 電気代の支払いを毎月そろえたい人 |
| FPPS | 固定単価に取引手数料分の平均を上乗せ | 小さい | 高め | 安定しつつ手数料収入も取りたい人 |
| PPS+ | 新規発行分は固定、取引手数料分は実績配分 | 小から中 | 中から高め | 両者の中間を望む人 |
| PPLNS | 実際に見つけたブロックのみ | 大きい | 低め | 長期間止めずに回し続ける人 |
| ソロ | 自分が当てたブロックのみ | 極端に大きい | 最小 | 実験や趣味として挑む人 |
手数料の水準はプールごとに異なり、同じプールでも通貨や時期によって変わります。一般にPPS系は2%から4%程度、PPLNS系は0%から2%程度に設定されることが多いとされていますが、これは目安にすぎません。契約前に必ず公式サイトの料金ページで現在の数値を確認してください。
PPSとPPLNSでは手取りの出方がこう変わる
PPSは「シェアの買い取り」
PPSでは、あなたが提出したシェア1つごとに、あらかじめ決められた単価が支払われます。プールがブロックを見つけられたかどうかは関係ありません。運悪く数日ブロックが出なかったとしても、参加者への支払いはプールが立て替えます。採掘者から見れば、計算力を時給で売っているのに近い感覚です。
その安心の代金が手数料です。プールは不運が続いた期間の赤字を自社で吸収する必要があるため、その保険料を上乗せした料率を設定します。
PPLNSは「直近の貢献度で山分け」
PPLNSは、ブロックが見つかった瞬間にさかのぼり、直近Nシェア分の提出履歴を見て山分けする方式です。Nの範囲はプールが決めます。ブロックが出なければ配当もゼロ、出れば大きく入るという波の大きい受け取り方になります。
説明のために単純な仮定を置いてみます。あるプールが平均して1日1ブロック見つけ、あなたのシェアが全体の1%を占めているとします。PPSならほぼ毎日、期待値どおりの金額が着金します。PPLNSでは、当たった日にまとまった額が入り、出なかった日はゼロという形になり、月をまたいで均せば理論値に近づいていきます。長い目で見た合計はPPLNSのほうが手数料の安さの分だけ有利になりやすい一方、途中で採掘をやめると、直近シェアが残っていない期間の取り分を取り損ねる点には注意が必要です。
プールを選ぶときに見る5つの数字
方式を決めたら、次は個別のプールの比較です。公式サイトで確認できる項目のうち、実際の手取りに効くのは次の5つです。
- 手数料率と、それが報酬のどの部分にかかるのか(新規発行分だけか、取引手数料分も含むのか)
- 最低支払額と支払い頻度。少額の機材で参加すると、しきい値に届かず何週間も出金できないことがあります
- サーバーの設置地域。物理的に遠いと、提出したシェアが古いブロックに紐づいてしまう「古い共有」が増え、わずかながら効率が落ちます
- 情報公開の姿勢。見つけたブロックの一覧、稼働率、自分のハッシュレート推移をリアルタイムで確認できるかどうか
- 受け取り先の指定方法。自分のウォレットアドレスを直接指定できるのか、プール内の残高として預ける形なのか
最後の項目は安全性に直結します。プールに残高を長く置いたままにすると、そのプールの運営リスクをそのまま背負うことになります。まとまった額になったら自分の管理下へ移すのが基本で、長期保有分はハードウェアウォレットのような自己管理型の保管に移す人が多いようです。機種の選択肢を見比べたい場合は、ハードウェアウォレットの一覧から正規販売元のものを選んでください。
プールの集中は、構造的な弱点でもある
採掘者にとって便利なプールですが、ネットワーク全体の視点に立つと悩ましい副作用があります。少数の大きなプールに計算力が集まると、ブロックにどの取引を載せるかという判断が、その運営者に事実上集約されてしまうためです。仮に単独で全体の過半のハッシュレートを握る主体が現れれば、取引の意図的な排除や、自分の送金の巻き戻しといった攻撃が理論上は可能になるとされています。
この構造を和らげるために提案されているのが、Stratum V2に代表される新しい接続方式です。従来はプールが決めたブロックの内容を採掘者が黙って計算していましたが、載せる取引の中身を採掘者側が自分で組み立てられるようにする、という発想です。プール選びの段階で対応状況を見ておくと、自分の計算力がどの程度分散に貢献するかを意識できます。ビットコインの設計思想に関する話題はビットコインのカテゴリでも扱っています。
日本から参加するときの実務
日本国内で採掘を検討する場合、最大の変数は電気料金です。専用機は消費電力が大きく、稼働音と発熱も家庭用の環境では無視できません。始める前に、想定する機材の消費電力から月々の電気代を計算し、報酬の想定額と突き合わせる作業を必ず先にしてください。ここが合わなければ、どの報酬方式を選んでも収支は改善しません。
報酬を日本円にする段階では、国内の取引所口座が必要になります。コインチェックやビットバンクなど国内の主要な事業者はいずれも本人確認を経て開設する形で、送金手数料や出金手数料の体系は各社で異なります。口座の準備から手を付ける方は仮想通貨の始め方ガイドが参考になります。
税務上の扱いも先に押さえておく必要があります。日本では、マイニングで得た報酬は取得した時点の時価で所得として認識するのが原則とされ、その後に売却して値上がり分が出れば、そこでも損益が発生します。取得時の日時と数量の記録がないと、後から計算し直すのは非常に手間がかかります。報酬の受け取り記録は最初の1回目から残しておいてください。考え方の全体像は仮想通貨の税金ガイドで整理しています。
よくある質問(FAQ)
初心者はPPSとPPLNSのどちらを選ぶべきですか
収支の見通しを立てやすいという理由から、最初はPPS系を選ぶ人が多いようです。毎月の電気代という確定した支出に対して、収入側の変動が小さいほうが管理しやすいためです。
運用に慣れ、長期間止めずに回せる見込みが立ってから、手数料の安いPPLNS系を検討するという順序が無理のない進め方です。
小さな機材1台でもプールに参加する意味はありますか
参加自体はできますが、最低支払額に届くまでの期間を先に確認してください。しきい値に何か月も届かない規模であれば、電気代だけが先に出ていくことになります。
学習目的で仕組みを体験したいのであれば有意義ですが、収益を目的にする場合は、事前の試算で採算が合うかどうかを冷静に見る必要があります。
プールを途中で乗り換えると損をしますか
PPS系であれば、提出済みのシェアはその都度支払われているため、乗り換えによる取りこぼしは基本的に発生しません。未払い残高が最低支払額に届いているかだけ確認してください。
PPLNS系の場合は、直近シェアの積み上がりが報酬の元になっているため、切り替えた直後は受け取りが落ち込みやすい構造です。乗り換えるなら、その落ち込みを織り込んでおきましょう。
クラウドマイニングの契約はプール参加と同じですか
別物です。プール参加は自分の機材を動かして計算力を提供する行為ですが、クラウドマイニングは事業者に資金を預けて採掘を代行してもらう契約で、事業者の運営そのものに依存します。
高い利回りを前面に出す勧誘には注意が必要です。判断材料の集め方は詐欺の見分け方でも整理しています。
免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。最新の情報は公式情報をご確認ください。