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※本記事にはアフィリエイト広告(A8.net)を含みます。記載の内容は2026年8月時点で公開情報を確認した一般的な解説です。
NFTとして流通しているトークンの大半は、ERC-721とERC-1155という2つの規格のどちらかで発行されています。1点物のデジタルアートにはERC-721、ゲーム内アイテムやトレーディングカードにはERC-1155——市場を観察すると、用途によって規格がはっきり使い分けられている傾向が見て取れます。
なぜこのような住み分けが生まれるのでしょうか。この記事では、両規格の仕組みの違い、それぞれが得意とする場面、そしてNFTを購入・発行する立場で知っておきたい実務上の差を整理します。読み終えれば、NFTプロジェクトの詳細ページに書かれた規格名から「このNFTがどう管理されているか」を読み取れるようになり、用途に合わない規格選びで失敗することも避けられます。イーサリアムの規格原文(EIP-721・EIP-1155)と主要マーケットプレイスの公式ドキュメントを読み込んだうえで解説します。順に見ていきましょう。
ERC-721とは——「1点物」を証明する規格
ERC-721は、2018年に標準化された非代替性トークン(NFT)の規格です。最大の特徴は、コントラクト内のすべてのトークンが固有のID(tokenId)を持ち、1つずつ区別されることです。ERC-20のトークンが「残高100枚」と数量で管理されるのに対し、ERC-721は「ID番号1234のトークンの所有者は誰か」という形で、1点ごとに所有者が記録されます。
この構造のため、同じコレクションのNFTでも1つずつ別の画像や属性を持たせられ、「世界に1つ」であることをブロックチェーン上で示せます。デジタルアートや会員証、ドメイン名など、個体の固有性そのものに価値がある用途に向いているとされています。
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ERC-1155とは——複数種類をまとめて扱う規格
ERC-1155は、ゲーム開発企業Enjinの提案から生まれ、2019年に標準化された「マルチトークン規格」です。1つのコントラクトの中に複数のトークン種類(ID)を定義でき、しかも各IDごとに数量を持たせられます。つまり「ID=1の回復薬を500個、ID=2の伝説の剣を1本」のように、代替可能なアイテムと1点物を同じコントラクトで同時に管理できるのが核心です。
さらに、複数の種類・数量を1回のトランザクションでまとめて転送するバッチ転送が規格に組み込まれています。アイテムを100種類配布するのに100回の取引が必要だったERC-721に対し、ERC-1155なら1回で済む場面があり、ガス代(ネットワーク手数料)の節約につながると一般に説明されています。
両規格の違いを一覧で整理
| 項目 | ERC-721 | ERC-1155 |
|---|---|---|
| 管理単位 | 1トークン=1個の固有ID | ID×数量(種類ごとに複数個持てる) |
| 代替可能トークンの発行 | 不可(NFT専用) | 可(同一コントラクト内で共存) |
| 一括転送 | 規格標準にはない | バッチ転送が標準機能 |
| 発行・配布コスト | 点数が増えると割高になりやすい | 大量発行時に効率的とされる |
| 主な用途 | 1点物アート・会員証・ドメイン | ゲームアイテム・カード・特典類 |
どちらが優れているという関係ではなく、「個体の固有性」を突き詰めたのがERC-721、「種類×数量の効率管理」を突き詰めたのがERC-1155という役割分担です。
なぜアートは721、ゲームは1155に寄るのか
1点物のアートでは、トークンが「唯一である」ことの分かりやすさが価値の根幹です。ERC-721はコントラクト全体がNFT専用で、1トークン=1所有者という構造が単純明快なため、コレクション性を打ち出す用途と相性がよいと考えられています。
一方ゲームでは、消耗品・装備・通貨的アイテムなど性質の異なる資産が大量に登場し、プレイヤー間の受け渡しも頻繁です。種類ごとの数量管理とバッチ転送を備えたERC-1155は、この負荷を規格レベルで吸収できます。ゲームアイテムのように同種を何百個も配る場面で、発行や配布のコスト差が効いてくるわけです。NFTやWeb3関連の動向はDeFi・Web3カテゴリの記事でも扱っています。
購入・発行する立場での注意点
NFTを購入する際は、マーケットプレイスの詳細欄で規格とコントラクトアドレスを確認する習慣をつけましょう。有名コレクションを装った偽コントラクトはどちらの規格でも作れてしまうため、公式サイトやブロックチェーンエクスプローラーでアドレスを照合するのが基本です。具体的な確認手順は詐欺の見分け方ガイドにまとめています。
また、ERC-1155は1回の承認でコントラクト内の全IDを操作できる設計が一般的なため、怪しいサイトへ承認(approve)を与えるリスクはむしろ大きくなり得ます。高額なNFTを保有するなら、承認操作を行うウォレットと保管用ウォレットを分け、保管側にはハードウェアウォレットを使う構成が堅実です。
よくある質問(FAQ)
ERC-1155のNFTは「1点物」にできますか?
できます。あるIDの発行数を1に制限すれば、実質的に1点物として扱えます。ただし発行数の上限がコントラクト側で保証されているかはプロジェクトの実装次第のため、詳細ページや公式資料での確認が必要です。
規格の違いで資産価値は変わりますか?
規格そのものが価値を決めるわけではありません。価値は作品性・発行数・プロジェクトの信頼性などで決まり、規格は管理のされ方の違いにすぎません。将来の値上がりを保証するものでもない点にご注意ください。
ERC-721のNFTをERC-1155に変換できますか?
直接の変換はできません。規格はコントラクトの設計そのものだからです。実務では、旧トークンを預けて新規格で再発行する「ラップ」や移行用コントラクトが使われることがありますが、公式が提供する手段かを必ず確認してください。
どちらの規格でもガス代はETHで払うのですか?
イーサリアム上ではそうです。手数料水準は混雑状況で変動するため、取引前に表示される見積もりと公式情報を確認しましょう。NFT売買益の税務は税金ガイドも参考にしてください。
免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。最新の情報は公式情報をご確認ください。