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毎月の給料日に1万円分だけビットコインを買い増す。そんな積立を3年、5年と続けているうちに、ある日ふとアプリの資産評価額を見て、含み益の大きさに驚く場面は少なくありません。積立を地道に続けてきた人ほど、いざ利益が膨らんだときにどう動けばよいのか、迷いやすいものです。
いざ利益を確定しようとした瞬間に立ちはだかるのが、「取得価額はどう計算すればいいのか」「税金はいくらになるのか」という疑問です。積立は購入のタイミングも価格もそのつどばらばらなので、一括で購入した場合よりも計算が複雑に感じられます。この記事では、数年間の積立を売却するケースを具体的な数字を使いながらステップごとに解説し、利確のタイミングで気をつけたいポイントもあわせて紹介します。読み終えるころには、自分の積立を売却するときに何を確認すればよいか、道筋が見えているはずです。
国税庁が公表している暗号資産の税務上の取扱いに関する資料をもとに、計算の考え方を順に見ていきましょう。
ビットコインの利益はどのように課税されるのか
個人が得たビットコインの売却益は、給与所得などと合算して税額を計算する総合課税の雑所得(他の所得と合わせて税率が決まる所得区分です)として扱われるのが基本とされています。株式投資でおなじみの申告分離課税(税率がほぼ一律の方式)とは仕組みが異なり、所得全体が大きくなるほど税率も上がる累進課税が適用される点は、押さえておきたいポイントです。
所得税と住民税を合わせた実効税率は、所得水準によっては50%前後に達することもあるとされています。また、保有しているだけでは課税されず、売却や決済での使用など利益が確定した時点で初めて課税対象になるという基本ルールも、あわせて覚えておくと安心です。
取得価額はどう計算するのか(総平均法と移動平均法)
複数回に分けて購入したビットコインを売却する場合、まず必要になるのが「取得価額」、つまり一単位あたりの購入コストの計算です。国税庁の考え方では、暗号資産の評価方法として総平均法と移動平均法のいずれかを用いるとされ、届出をしなければ総平均法が適用されるとされています。移動平均法を使いたい場合は、税務署への届出が必要とされています。
それぞれの特徴を整理すると、次のようになります。
| 項目 | 総平均法 | 移動平均法 |
|---|---|---|
| 計算方法 | 一定期間に購入した分をまとめて平均単価を算出 | 購入のたびに平均単価を再計算 |
| 届出の要否 | 原則不要とされる | 税務署への届出が必要 |
| 手間 | 比較的少ない | 取引のたびに計算が必要で多い |
| 向いている人 | 積立などで購入回数が多い人 | 取引頻度が少なく都度の損益を把握したい人 |
積立のように購入回数が多いケースでは、移動平均法だと購入のたびに単価を計算し直す必要があり、手間が大きくなりがちです。多くの場合は総平均法のほうが扱いやすいとされていますが、値動きの大きい年にまとめて購入した場合など状況によって有利不利は変わるため、迷うときは税理士など専門家に相談することをおすすめします。
具体例で計算してみる(3年間の積立を売却したケース)
実際の数字を使って、計算の流れを確認してみましょう。以下はあくまで説明のための一例であり、実際の価格や税額を示すものではない点にご注意ください。
- 1年目:10万円で0.10ビットコインを購入
- 2年目:10万円で0.05ビットコインを購入
- 3年目:10万円で0.04ビットコインを購入
総平均法で取得価額を計算すると、次のようになります。
- 購入総額の合計:10万円+10万円+10万円=30万円
- 取得したビットコインの合計:0.10+0.05+0.04=0.19ビットコイン
- 平均取得単価:30万円÷0.19ビットコイン≒約157万9千円
仮にこの0.19ビットコインをすべて、1ビットコインあたり300万円のタイミングで売却したとすると、売却額は約57万円、取得価額は30万円ですから、利益(譲渡益)は約27万円という計算になります。この27万円が、他の所得と合算されて総合課税の対象になるという流れです。
一部だけを売却する場合も考え方は同じで、平均取得単価に売却した数量を掛けて取得価額を求めます。たとえば0.19ビットコインのうち0.05ビットコインだけを売却するなら、取得価額は約157万9千円×0.05で、約7万9千円として計算します。
利確のタイミングで注意したいポイント
年間の所得合計で税率が変わる
総合課税は他の所得と合算されるため、同じ利益額でも、どの年にまとめて利確するかによって適用される税率が変わることがあります。一度に大きく売却して所得が跳ね上がるよりも、売却の時期を複数年に分ける選択肢を検討する人もいるとされています。
給与所得者は20万円という目安に注意
会社員など年末調整を受けている人は、給与以外の所得が年間20万円以下であれば所得税の確定申告が不要になる取扱いがあるとされています。ただし住民税は別扱いで、金額にかかわらず申告が必要になる場合がある点には注意が必要です。細かな条件は変わることもあるため、最新の情報は公式発表で確認しましょう。
積立を続けながら気をつけておきたいこと
積立を続けていると、購入回数が増えるほど取得価額の記録が複雑になっていきます。取引所によっては年間の取引報告書を発行しており、こうした資料を活用すると計算の手間を減らせます。たとえばcoincheckのような国内取引所では、年間の取引履歴を確認できる機能が用意されているとされています。
確定申告の具体的な手順や必要書類について詳しく知りたい方は、税金ガイドもあわせて確認してみてください。これから積立を始める方は始め方ガイドで基本的な流れを、積立を含めた投資の考え方は投資戦略のカテゴリで確認できます。
よくある質問(FAQ)
積立中で保有しているだけでも税金はかかりますか
いいえ、ビットコインを保有しているだけの状態では課税されません。売却や決済での使用、他の暗号資産への交換など、利益が確定する取引を行ったタイミングで初めて課税対象になります。
総平均法と移動平均法はどちらがお得ですか
一概にどちらが得とは言えません。値動きのパターンや購入のタイミングによって有利不利が変わるうえ、移動平均法を使うには届出も必要です。迷う場合は、両方の方法で試算するか、税理士に相談することをおすすめします。
積立の一部だけを売却した場合の取得価額はどう計算しますか
総平均法の場合、平均取得単価に売却した数量を掛けて計算します。記事内の計算例のように、平均単価を先に求めてから、売却分に応じて金額を割り出す考え方です。
確定申告が必要になるのはどんな場合ですか
会社員であれば、給与以外の所得が年間20万円を超える場合に所得税の確定申告が必要になるとされる一方、もともと申告が必要な個人事業主などは金額にかかわらず申告が必要です。判断に迷う場合は、税務署や税理士に確認することをおすすめします。
免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。最新の情報は公式情報をご確認ください。
判断に迷う論点は、先に確認したほうが早い
この記事で扱ったのは、公開されている情報から言える一般的な扱いです。実際の申告では、自分の取引履歴に当てはめたときに判断が要る場面が出てきます。区分の判定、過年度の修正、複数の論点が重なる場合などです。
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