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※本記事にはアフィリエイト広告(A8.net)を含みます。記載の内容は2026年8月時点で公開情報を確認した一般的な解説です。
MetaMaskを開くと、ETHの下に見慣れない名前のトークンがいくつも並んでいる。取引所のニュースでは「ERC-20系トークンの入出金を再開」といった告知が流れてくる。この「ERC-20」という言葉、意味を曖昧なまま読み飛ばしている方は少なくないはずです。
この記事では、ERC-20とは何か、どんな仕組みで動いているのか、そしてERC-721やERC-1155といった他の規格と何が違うのかを、技術者でない方にも分かるように整理します。読み終える頃には、トークンのニュースや取引所の告知を規格の視点から正しく読み解けるようになり、偽トークンのような落とし穴も避けやすくなります。イーサリアム財団が公開している規格の原文(EIP-20)と主要ウォレットの公式ドキュメントを突き合わせて解説します。順に見ていきましょう。
ERC-20とは——イーサリアム上のトークンの「共通ルール」
ERC-20とは、イーサリアムのブロックチェーン上で発行されるトークン(コインのようなデジタル資産)が従うべき共通の設計ルールのことです。ERCは「Ethereum Request for Comments」の略で、イーサリアムの技術仕様の提案文書を指し、20はその通し番号です。2015年に提案され、現在まで最も広く使われているトークン規格とされています。
重要なのは、ERC-20は特定のトークンの名前ではなく「規格」だという点です。電源プラグの形状が国内で統一されているからどの家電もコンセントに挿せるのと同じで、トークンが共通の規格に従っているからこそ、ウォレットや取引所は個別に対応を作り込まなくても、あらゆるERC-20トークンを同じ方法で扱えます。
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ERC-20が定める基本の関数構成
ERC-20の実体は、トークンのスマートコントラクト(ブロックチェーン上で動くプログラム)が必ず備えるべき関数の一覧です。中心となるのは次の6つです。
- totalSupply:トークンの総発行量を返す
- balanceOf:指定したアドレスの残高を返す
- transfer:自分の残高から相手へトークンを送る
- transferFrom:許可を得た第三者が代理で送る
- approve:第三者に「いくらまで動かしてよい」と許可を与える
- allowance:与えた許可の残り枠を確認する
さらに、送金が起きたことを知らせるTransfer、許可が与えられたことを知らせるApprovalという2つのイベント(記録の通知)も定められています。ウォレットが残高を表示できるのはbalanceOfがあるから、分散型取引所がトークンを預からずに交換できるのはapproveとtransferFromの組み合わせがあるからです。名前や単位を返すname・symbol・decimalsも任意項目として広く実装されています。
なぜERC-20はここまで普及したのか
理由はシンプルで、「対応する側の負担が劇的に減る」からです。規格がなかった頃は、トークンごとに関数の名前も挙動もばらばらで、ウォレットや取引所は1つずつ個別対応する必要がありました。ERC-20の登場後は、一度対応すれば理論上すべてのERC-20トークンを扱えるようになり、新しいトークンの発行側も既存のウォレット・取引所のインフラにそのまま乗れるようになりました。
この相互運用性が、ステーブルコインからDeFi(分散型金融)のガバナンストークンまで、数え切れないトークンがイーサリアム上で発行される土台になったと考えられています。イーサリアムそのものの仕組みから知りたい方はイーサリアム関連の解説記事一覧もあわせてご覧ください。
ERC-721・ERC-1155との違い
ERC-20とよく比較されるのが、NFT(非代替性トークン)で使われるERC-721と、その発展形のERC-1155です。違いを表に整理します。
| 規格 | 性質 | 主な用途 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ERC-20 | 代替可能(どの1枚も等価) | 通貨・ポイント型トークン | 残高は数量で管理される |
| ERC-721 | 非代替(1つずつ固有) | NFTアート・会員証 | トークンごとに固有IDを持つ |
| ERC-1155 | 両方を1コントラクトで扱える | ゲームアイテム等 | 複数種類の一括転送が可能 |
ERC-20のトークンは1枚1枚に区別がなく、1,000円札同士を交換しても価値が変わらないのと同じ「代替可能」な資産です。一方ERC-721は1つずつが固有のIDを持つ「1点物」で、ここが規格上の本質的な違いです。
ERC-20トークンを扱うときの注意点
規格は誰でも自由に使えるため、有名トークンと同じ名前・シンボルを名乗る偽トークンも簡単に発行できてしまいます。トークンの真贋は名前ではなくコントラクトアドレス(トークン固有の住所)で確認するのが原則です。手口の具体例は詐欺の見分け方ガイドで詳しく解説しています。
また、approveで一度与えた許可は取り消すまで残り続けるため、怪しいサイトに無制限の許可を与えるとトークンを抜き取られる恐れがあります。まとまった資産を長期保有するなら、秘密鍵をオフラインで守るハードウェアウォレットの活用も検討するとよいでしょう。
よくある質問(FAQ)
ERC-20トークンはビットコインのウォレットに送れますか?
送れません。ERC-20はイーサリアムのネットワーク上の規格であり、ビットコインとはブロックチェーンが別です。誤ったネットワークへ送ると資産を失う恐れがあるため、送金前に必ず対応ネットワークを確認してください。
ERC-20トークンの送金手数料は何で払いますか?
トークン自体ではなく、イーサリアムのガス代としてETHで支払います。トークン残高があってもETHが0だと送金できないため、ウォレットには少額のETHを入れておくのが一般的です。手数料の水準は変動するため、送金時に表示される見積もりを確認しましょう。
ERC-20はイーサリアム以外のチェーンでも使われていますか?
互換規格が広く使われています。BNB ChainのBEP-20など、イーサリアムのVM(実行環境)と互換性のあるチェーンでは、ほぼ同じ仕組みのトークン規格が採用されているとされています。ただしチェーンが違えば別資産として扱われる点に注意が必要です。
これから暗号資産を始める場合、規格の知識は必須ですか?
必須ではありませんが、偽トークンの回避や送金ミスの防止に直結する知識です。取引の始め方全体の流れは始め方ガイドで解説しています。
免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。最新の情報は公式情報をご確認ください。