暗号資産取引所を選ぶ際に、「安全性」と「信頼性」を重視する方は少なくないでしょう。
特に日本国内で取引を行う場合、金融庁に登録された取引所を利用することは基本中の基本ですが、その中でもどの取引所を選ぶかは、投資体験の質を大きく左右します。
SBI VCトレードは、日本最大級の金融グループであるSBIホールディングスのグループ企業が運営する暗号資産取引所です。
証券、銀行、保険と幅広い金融サービスを展開するSBIグループの一員として、従来の金融サービスで培った信頼性と、暗号資産という新しい分野の革新性を兼ね備えた取引所として位置づけられています。
2024年にはTaoTao(旧ヤフー系取引所)との統合を経て、取扱銘柄やサービス内容を拡充し、国内取引所としての存在感をさらに高めています。
ステーキングサービスやレンディングサービスの提供、SBIグループ内の銀行・証券との連携など、他の取引所にはない独自の強みも持っています。
この記事では、SBI VCトレードの基本的な特徴からサービス内容、手数料体系、セキュリティ対策、他の取引所との比較まで、投資家が知っておくべき情報を包括的にまとめました。
暗号資産取引所の選択で迷っている方の参考になれば幸いです。
目次
1. SBI VCトレードの概要——SBIグループの暗号資産戦略
1-1. SBIグループと暗号資産事業の歩み
SBIホールディングスは、日本国内で最も早くから暗号資産事業に参入した大手金融グループの一つです。
SBIグループの暗号資産関連事業の歩みを振り返ってみましょう。
2016年: SBIグループがリップル社と合弁会社SBI Ripple Asia(現SBI Ripple Asia)を設立。国際送金における暗号資産(XRP)の活用を推進。
2017年: SBI VCトレード株式会社(旧SBIバーチャル・カレンシーズ)を設立。暗号資産交換業への参入を正式に発表。
2018年: 暗号資産取引所「VCTRADE」のサービスを開始。金融庁に暗号資産交換業者として登録。
2022年: TaoTao株式会社(旧ヤフー系暗号資産取引所Z.comコイン by GMOの流れを汲む)を完全子会社化し、事業統合を発表。
2023年-2024年: TaoTaoとの統合を完了し、取扱銘柄の拡充、サービスの統合・強化を実施。
2025年: ステーキングサービスの対象銘柄を拡大。NFTマーケットプレイスや暗号資産関連の新サービスの展開を推進。
SBIグループ代表の北尾吉孝氏は、ブロックチェーン技術と暗号資産(特にXRP)に対して早くから肯定的な見解を示しており、グループ全体として暗号資産事業を戦略的に位置づけています。
1-2. 会社概要と基本情報
SBI VCトレードの基本情報を確認しておきましょう。
- 会社名: SBI VCトレード株式会社
- 設立: 2017年5月26日
- 資本金: 約54億9,000万円(2025年時点)
- 親会社: SBIホールディングス株式会社
- 登録番号: 関東財務局長 第00011号(暗号資産交換業)
- 加入団体: 一般社団法人日本暗号資産取引業協会(JVCEA)
- 所在地: 東京都港区
資本金の規模は国内の暗号資産取引所の中でもトップクラスであり、SBIホールディングスという上場企業を親会社に持つ財務的な安定性は、利用者にとっての安心材料と言えるでしょう。
1-3. SBIグループのエコシステムとの連携
SBI VCトレードの最大の強みの一つが、SBIグループの幅広い金融エコシステムとの連携です。
SBI証券との連携
SBI証券の口座を持っている場合、SBI VCトレードの口座開設がスムーズに行える場合があります。
また、将来的には証券口座と暗号資産口座の間での資金移動がより簡便になる可能性も考えられます。
住信SBIネット銀行との連携
住信SBIネット銀行はSBIグループの一員であり、SBI VCトレードへの入金・出金がスムーズに行えます。
即時入金サービスに対応しており、手数料無料で24時間入金が可能です。
暗号資産投資家にとって、住信SBIネット銀行との組み合わせは非常に利便性が高いと言えるでしょう。
SBI Ripple Asiaとの関係
SBIグループはリップル社の大株主であり、XRP(リップル)のユースケース開発に積極的です。
この関係から、SBI VCトレードではXRPの取り扱いに力を入れており、XRP関連のサービスや情報提供が充実している傾向にあります。
2. 取扱銘柄と取引サービスの全体像
2-1. 取扱暗号資産の一覧
SBI VCトレードは、2026年3月時点で約30種類以上の暗号資産を取り扱っています。
主要な取扱銘柄は以下のとおりです。
- ビットコイン(BTC): 暗号資産の代表格
- イーサリアム(ETH): スマートコントラクトプラットフォーム
- リップル(XRP): SBIグループとの関係が深い国際送金向け暗号資産
- ソラナ(SOL): 高速トランザクション処理が特徴のプラットフォーム
- カルダノ(ADA): 学術的なアプローチで開発されたプラットフォーム
- ポルカドット(DOT): ブロックチェーン間の相互運用性を実現するプロジェクト
- アバランチ(AVAX): 高速・低コストのスマートコントラクトプラットフォーム
- チェーンリンク(LINK): オラクルネットワーク
- ライトコイン(LTC): ビットコインの派生通貨
- ビットコインキャッシュ(BCH): ビットコインからフォークした通貨
- その他多数のアルトコイン
取扱銘柄数は国内取引所の中では中程度ですが、主要な暗号資産はほぼカバーされています。
TaoTaoとの統合後に銘柄数が増加しており、今後もさらなる拡充が期待されます。
2-2. 販売所と取引所(板取引)の違い
SBI VCトレードでは、「販売所」と「取引所(板取引)」の2つの取引方式を提供しています。
販売所
販売所は、SBI VCトレードが取引の相手方となり、提示された価格で暗号資産を売買する方式です。
操作がシンプルで、初心者にもわかりやすいのがメリットですが、スプレッド(売値と買値の差)が設定されているため、実質的なコストは取引所よりも高くなる傾向があります。
すべての取扱銘柄が販売所での取引に対応しています。
取引所(板取引)
取引所は、ユーザー同士が直接売買を行うオーダーブック(板)方式です。
指値注文や成行注文が可能で、スプレッドが販売所よりも狭いため、取引コストを抑えることができます。
ただし、取引所で対応している銘柄は販売所よりも限定されている場合があります。
BTC、ETH、XRPなどの主要銘柄は取引所に対応していますが、マイナーなアルトコインは販売所のみの取り扱いとなることがあります。
2-3. レバレッジ取引(暗号資産CFD)
SBI VCトレードでは、暗号資産のレバレッジ取引(CFD取引)も提供されています。
レバレッジ取引では、実際の投資金額の最大2倍までの取引を行うことができます(日本国内の規制により、レバレッジ倍率は2倍が上限)。
レバレッジ取引では、暗号資産の現物を保有するのではなく、価格の変動差額で利益を得る仕組みです。
レバレッジ取引のメリットは、少ない資金で大きなポジションを持てる点と、「売り」から入ることで価格下落局面でも利益を狙える点です。
ただし、損失も同様に拡大するリスクがあるため、十分な知識と経験を持った上で利用することが推奨されます。
3. 手数料体系を徹底分析——他社との比較
3-1. 取引手数料
SBI VCトレードの取引手数料は、取引方式によって異なります。
販売所: 取引手数料は無料ですが、スプレッド(売値と買値の差)が実質的なコストとなります。スプレッドは市場の状況によって変動しますが、一般的に0.1%〜5%程度とされています。主要な銘柄(BTC、ETH、XRP)のスプレッドは比較的狭く、マイナーな銘柄ほどスプレッドが広くなる傾向があります。
取引所(板取引): Maker手数料(指値注文)は-0.01%(つまり、約定時にわずかなリベートが得られる)、Taker手数料(成行注文)は0.05%となっています(2026年3月時点)。Maker手数料がマイナスという設定は、流動性提供者に対するインセンティブであり、板取引を積極的に利用するユーザーにとっては有利な条件です。
レバレッジ取引: 取引手数料は無料ですが、建玉の管理手数料(ポジションを翌日に持ち越す場合にかかる手数料)が発生します。
3-2. 入出金手数料
日本円の入金
- 銀行振込: 振込手数料はユーザー負担(銀行ごとの振込手数料が適用される)
- 即時入金: 提携銀行からの即時入金は手数料無料。住信SBIネット銀行、PayPay銀行、イオン銀行などが対応
日本円の出金
- 出金手数料は無料。これは国内取引所の中でも優位な条件です
暗号資産の入金
- 暗号資産の入金(外部ウォレットからの送金受取)手数料は無料
- ただし、送金元での送金手数料(マイナー手数料・ガス代)はユーザー負担
暗号資産の出金(送金)
- 暗号資産の送金手数料は無料。この点もSBI VCトレードの大きなメリットの一つです
- 他の取引所では暗号資産の送金に一定の手数料がかかるケースが多いため、複数の取引所間で暗号資産を移動させる際に有利です
3-3. 他社との手数料比較
SBI VCトレードの手数料を、他の主要国内取引所と比較してみましょう。
日本円出金手数料
- SBI VCトレード: 無料
- bitFlyer: 220〜770円
- Coincheck: 407円
- GMOコイン: 無料
- bitbank: 550〜770円
暗号資産送金手数料(BTC)
- SBI VCトレード: 無料
- bitFlyer: 0.0004 BTC
- Coincheck: 0.0005 BTC〜0.016 BTC
- GMOコイン: 無料
- bitbank: 0.0006 BTC
日本円出金と暗号資産送金の両方が無料という点は、SBI VCトレードの明確な強みと言えます。
GMOコインも同様に両方無料ですが、板取引の手数料体系やサービス内容を含めた総合的な比較が必要です。
4. セキュリティ対策と資産保全の仕組み
4-1. 暗号資産の管理体制
暗号資産取引所のセキュリティは、ユーザーの資産を守る上で最も重要な要素です。
SBI VCトレードは、以下のセキュリティ対策を実施しています。
コールドウォレットでの保管
ユーザーの暗号資産の大部分をコールドウォレット(インターネットに接続されていないオフラインのウォレット)で保管しています。
これにより、ハッキング攻撃によって資産が流出するリスクを大幅に低減しています。
マルチシグ(複数署名)の採用
暗号資産の移動には、複数の秘密鍵による署名が必要なマルチシグ方式を採用しています。
単一の秘密鍵が漏洩しても資産が移動できないため、セキュリティが強化されています。
24時間365日の監視体制
不正アクセスや異常な取引を検知するための監視システムが24時間365日稼働しています。
4-2. ユーザー保護の仕組み
二段階認証(2FA)
ログイン時や出金時に、パスワードに加えて二段階認証(SMS認証やGoogle Authenticatorなどの認証アプリ)を求めることで、不正アクセスのリスクを低減しています。
SBI VCトレードでは二段階認証の設定が強く推奨されています。
分別管理
金融庁の規制に基づき、ユーザーの資産(法定通貨・暗号資産)を会社の資産と分別して管理しています。
万が一、取引所が経営破綻した場合でも、ユーザーの資産が会社の債務の弁済に充てられないための保護措置です。
不正出金への対応
万が一の不正出金に対して、SBIグループの財務基盤を背景とした補償対応が期待できます。
ただし、ユーザー側のパスワード管理の不備など、ユーザーの過失に起因する損害については補償対象外となる可能性があります。
4-3. 過去のセキュリティインシデントと対応
2026年3月時点で、SBI VCトレード(およびその前身のSBIバーチャル・カレンシーズ)は、大規模な暗号資産の流出事故を起こしていません。
日本国内では、2018年のコインチェック事件(約580億円相当のNEM流出)や、2014年のマウントゴックス事件など、暗号資産取引所のセキュリティインシデントが社会的に大きな注目を集めました。
これらの事件を教訓として、金融庁による規制強化が行われ、取引所のセキュリティ基準が大幅に引き上げられています。
SBI VCトレードは、SBIグループの金融事業で培ったセキュリティのノウハウと、金融庁の厳格な規制基準の両方を満たす形で運営されています。
過去にインシデントがないという実績は、一つの安心材料と考えてよいでしょう。
5. ステーキング・レンディング——資産運用サービスの特徴
5-1. ステーキングサービスの概要
SBI VCトレードが提供するステーキングサービスは、保有している暗号資産をネットワークの運営に参加させることで報酬を得られる仕組みです。
ステーキングとは、Proof of Stake(PoS)系のブロックチェーンにおいて、暗号資産を預け入れてネットワークの検証作業に貢献し、その対価として報酬を受け取る仕組みです。
銀行の預金利息に似た概念ですが、報酬率は銀行預金よりも高い傾向にあります。
SBI VCトレードのステーキングサービスの特徴は以下のとおりです。
- 対応銘柄: ETH、DOT、ADA、SOL、AVAX、ATOMなど複数のPoS系暗号資産
- 手数料: ステーキング報酬の一定割合(銘柄によって異なる)
- ロック期間: 銘柄によって異なるが、一部の銘柄はいつでも解除可能
- 最低数量: 銘柄ごとに設定されている
ステーキングは、暗号資産を長期保有する予定の投資家にとっては、保有しているだけでは得られない追加的なリターンを得る手段として魅力的です。
ただし、ステーキング中も暗号資産の価格変動リスクは残るため、ステーキング報酬以上の価格下落が発生した場合は、トータルでマイナスとなる可能性があることを理解しておく必要があります。
5-2. レンディングサービスの仕組み
レンディングサービスは、保有している暗号資産をSBI VCトレードに貸し出し、その対価として貸借料(利息に相当)を受け取るサービスです。
ステーキングがブロックチェーンのネットワーク運営への参加であるのに対し、レンディングは取引所に対する「貸付」です。
SBI VCトレードのレンディングサービスの特徴は以下のとおりです。
- 対応銘柄: BTC、ETH、XRPなど主要銘柄を中心に対応
- 貸出期間: 銘柄・プランによって異なる(短期〜長期)
- 年率: 銘柄・期間・市場状況によって変動(概ね年率1%〜5%程度)
- 途中解約: プランによっては途中解約が可能(手数料が発生する場合あり)
レンディングの注意点として、貸し出した暗号資産は取引所の管理下に置かれるため、取引所の信用リスクが存在します。
取引所が破綻した場合、貸し出した暗号資産が返還されない可能性があることは認識しておく必要があります。
5-3. SBIグループならではの資産運用の可能性
SBIグループのエコシステムに属するSBI VCトレードならではの資産運用の可能性として、以下の点が挙げられます。
暗号資産と従来型金融商品の横断的な資産管理
SBI証券の口座を併用することで、株式・投資信託・暗号資産を一つのグループ内で管理できます。
将来的には、これらの資産を横断的に管理・最適化できるサービスが提供される可能性もあります。
ポイント連携
SBIグループのポイントプログラムとの連携により、暗号資産取引でポイントが付与されたり、ポイントで暗号資産を購入できたりするサービスが展開されています。
6. 口座開設から取引開始までの流れ
6-1. 口座開設の手順
SBI VCトレードの口座開設は、オンラインで完結する手順で行えます。
ステップ1: 公式サイトにアクセスし、口座開設の申し込みを行う
メールアドレスの登録と、基本情報(氏名、住所、生年月日、職業など)の入力を行います。
ステップ2: 本人確認書類の提出
eKYC(オンライン本人確認)に対応しており、スマートフォンで本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)と自分の顔を撮影することで、本人確認が完了します。
郵送での本人確認も可能ですが、eKYCのほうが迅速です。
ステップ3: 審査
提出された情報に基づいて審査が行われます。
審査には通常、最短で翌営業日程度の時間がかかります。
ステップ4: 口座開設完了
審査に通過すると、口座開設完了の通知が届きます。
eKYCの場合はメールでの通知、郵送の場合はハガキでの通知が一般的です。
6-2. 入金から最初の取引まで
口座開設が完了したら、以下の手順で取引を開始できます。
入金
日本円を口座に入金します。
住信SBIネット銀行からの即時入金を利用すれば、手数料無料で24時間リアルタイムに入金が可能です。
その他の銀行からの振込入金にも対応していますが、反映までに時間がかかる場合があります。
取引方式の選択
販売所と取引所(板取引)のどちらで取引を行うかを選択します。
初心者の場合は、操作がシンプルな販売所から始めてもよいでしょう。
取引に慣れてきたら、コストを抑えられる取引所(板取引)に移行することを検討してみてください。
暗号資産の購入
購入したい暗号資産と金額(または数量)を指定して、注文を実行します。
販売所の場合は即時に約定し、取引所の場合は注文条件に合致する相手方の注文があれば約定します。
6-3. アプリの使い勝手
SBI VCトレードは、iOS・Androidの両方に対応したスマートフォンアプリを提供しています。
アプリの主な機能は以下のとおりです。
- 暗号資産の売買(販売所・取引所)
- ポートフォリオの確認
- 入出金の操作
- チャート表示
- ステーキング・レンディングの管理
- プッシュ通知によるアラート
アプリのUI(ユーザーインターフェース)は、SBIグループの金融アプリ(SBI証券のアプリなど)と類似したデザインで、金融商品の取引に慣れている方には馴染みやすいデザインとなっています。
一方で、暗号資産専業の取引所(bitFlyerやCoincheckなど)のアプリと比較すると、暗号資産固有の機能(NFTマーケットプレイスとの連携、DeFi関連のサービスなど)については、今後の拡充が期待される分野もあります。
7. SBI VCトレードのメリット・デメリット——正直な評価
7-1. メリット
SBI VCトレードの主要なメリットを整理します。
SBIグループの信頼性
日本最大級の金融グループの一員であることは、資産の安全性や事業の継続性において大きな安心材料です。
暗号資産取引所の選択において「信頼性」を最も重視する投資家にとって、この点は非常に重要と言えるでしょう。
手数料の優位性
日本円出金手数料と暗号資産送金手数料の両方が無料という点は、コスト面での明確なメリットです。
特に、複数の取引所間で暗号資産を移動させたり、外部ウォレットに暗号資産を送金したりする機会が多い投資家にとっては、大きなコスト削減になります。
住信SBIネット銀行との連携
即時入金に対応しており、手数料無料で24時間入金が可能です。
暗号資産取引における資金移動のスムーズさは、投資体験の質を大きく左右する要素です。
ステーキング・レンディングサービスの充実
保有している暗号資産を活用して追加的なリターンを得られるサービスが提供されている点は、長期投資家にとってのメリットです。
Maker手数料のマイナス設定
板取引でのMaker手数料がマイナス(リベートあり)という設定は、指値注文を中心に取引を行う投資家にとって有利です。
7-2. デメリット
公平な評価のために、デメリットについても整理しておきます。
取扱銘柄数の限界
2026年3月時点で約30種類以上の暗号資産を取り扱っていますが、bitbankやCoincheckなどと比較すると、特にマイナーなアルトコインの品揃えではやや見劣りする場合があります。
ただし、主要な暗号資産はカバーされているため、多くの投資家にとっては十分な品揃えと言えるかもしれません。
販売所のスプレッド
販売所でのスプレッドは、市場状況によっては広がることがあります。
特にマイナーな銘柄や相場が急変動している局面では、スプレッドが大きくなりやすい点に注意が必要です。
コストを重視する場合は、板取引を利用することで改善できます。
アプリの機能面
暗号資産専業の取引所と比較すると、NFT関連機能やDeFi連携などの先進的な機能面では改善の余地がある場合があります。
ただし、基本的な取引機能は十分に備わっており、実用上の問題は少ないと考えられます。
サポート体制
ユーザー数の増加に伴い、問い合わせへの回答に時間がかかるケースが報告されることがあります。
ただし、これは多くの暗号資産取引所に共通する課題でもあります。
7-3. どのような投資家に向いているか
SBI VCトレードの特性を踏まえると、以下のような投資家に特に適していると考えられます。
- 信頼性と安全性を最も重視する投資家
- SBI証券や住信SBIネット銀行など、SBIグループのサービスを既に利用している投資家
- 主要な暗号資産(BTC、ETH、XRPなど)を中心に投資する方
- ステーキングやレンディングで資産を運用したい長期投資家
- 暗号資産の送金コストを抑えたい投資家
- 暗号資産初心者で、まず安心できる取引所で始めたい方
8. 他の国内取引所との比較——どの取引所を選ぶべきか
8-1. bitFlyerとの比較
bitFlyerは、日本国内で最大級の取引量を誇る暗号資産取引所です。
bitFlyerの強み
- ビットコインの取引量が国内最大級
- Lightning FX(レバレッジ取引)の流動性が高い
- T-PointやPontaポイントとの連携
SBI VCトレードの優位点
- 日本円出金手数料・暗号資産送金手数料の無料
- SBIグループの金融エコシステムとの連携
- ステーキングサービスの充実
取引量と流動性を重視するならbitFlyer、コストと信頼性を重視するならSBI VCトレードという使い分けが考えられます。
8-2. Coincheckとの比較
Coincheckは、マネックスグループの傘下にあり、取扱銘柄数の多さとアプリの使いやすさで知られています。
Coincheckの強み
- 取扱銘柄数が国内最多クラス
- アプリのデザインが洗練されており、初心者にも使いやすい
- NFTマーケットプレイス(Coincheck NFT)の運営
SBI VCトレードの優位点
- 手数料体系(出金・送金手数料無料)
- 板取引のMaker手数料マイナス
- SBIグループの財務基盤
多様な銘柄への投資やNFTに興味がある場合はCoincheck、コスト効率と安全性を重視する場合はSBI VCトレードが適しているかもしれません。
8-3. GMOコインとの比較
GMOコインは、GMOインターネットグループが運営する取引所で、手数料の安さで知られています。
GMOコインの強み
- 出金手数料・暗号資産送金手数料が無料(SBI VCトレードと同等)
- 取引所の手数料体系が比較的有利
- つみたて暗号資産サービスの提供
SBI VCトレードの優位点
- SBIグループの金融エコシステムとの連携
- 住信SBIネット銀行との親和性
- ステーキング対応銘柄の充実
GMOコインとSBI VCトレードは手数料面では似通っており、選択の決め手はサービスの相性やグループ企業との連携の利便性になるでしょう。
8-4. 取引所選びの考え方——一つに絞る必要はない
暗号資産取引所は、必ずしも一つに絞る必要はありません。
複数の取引所に口座を開設し、それぞれの強みを活かして使い分けるという方法も有効です。
たとえば、以下のような使い分けが考えられます。
- メインの取引・長期保有: SBI VCトレード(信頼性・ステーキング)
- マイナーなアルトコインの取引: Coincheck(取扱銘柄数)
- アクティブなトレード: bitFlyer(流動性)
複数の取引所を利用する場合は、各取引所の取引履歴を統合的に管理し、確定申告に備えることが重要です。
まとめ
この記事では、SBI VCトレードの概要からサービス内容、手数料体系、セキュリティ対策、資産運用サービス、他社との比較まで、8つの章にわたって詳しく解説してきました。
改めて要点を整理すると、以下のとおりです。
- SBI VCトレードは、日本最大級の金融グループであるSBIホールディングスのグループ企業が運営する暗号資産取引所である
- 日本円出金手数料と暗号資産送金手数料の両方が無料という、コスト面での明確なメリットがある
- 住信SBIネット銀行やSBI証券との連携により、SBIグループのエコシステム内での利便性が高い
- ステーキング・レンディングなどの資産運用サービスが充実しており、長期投資家にとっての選択肢が広い
- セキュリティ対策は、コールドウォレット管理、マルチシグ、24時間監視など、金融機関レベルの水準を確保している
- 取扱銘柄数やアプリの機能面では改善の余地がある部分もあるが、主要な暗号資産の取引には十分に対応している
- 信頼性・安全性・コスト効率を重視する投資家に特に適した取引所と考えられる
暗号資産取引所の選択は、投資スタイルや重視するポイントによって最適解が異なります。
この記事の情報を参考に、ご自身の投資方針に合った取引所を選んでみてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. SBI VCトレードの口座開設に条件はありますか?
日本国内に居住する満18歳以上の方であれば、基本的に口座開設が可能です。本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど)の提出が必要です。eKYC(オンライン本人確認)を利用すれば、最短で翌営業日に口座開設が完了します。ただし、審査の結果、口座開設がお断りされるケースもありますので、あらかじめご了承ください。
Q2. SBI証券の口座を持っていないとSBI VCトレードは使えませんか?
SBI証券の口座がなくても、SBI VCトレードの口座は独立して開設・利用できます。ただし、SBI証券や住信SBIネット銀行の口座も併せて持っていると、グループ間での資金移動やポイント連携などの利便性が高まります。暗号資産投資を始めるにあたって、必ずしもSBIグループの他のサービスを利用している必要はありません。
Q3. SBI VCトレードのステーキング報酬率はどのくらいですか?
ステーキング報酬率は暗号資産の銘柄によって異なり、また市場の状況やネットワークの状態によっても変動します。一般的な目安として、年率2%〜10%程度の範囲で設定されている銘柄が多いですが、正確な報酬率は公式サイトで最新の情報を確認されることをお勧めします。なお、ステーキング報酬からSBI VCトレードの手数料が差し引かれた金額が実質的な受取額となります。
Q4. SBI VCトレードで購入した暗号資産は外部ウォレットに送金できますか?
はい、SBI VCトレードで購入した暗号資産は、外部のウォレット(ハードウェアウォレットや他の取引所のウォレットなど)に送金することが可能です。暗号資産の送金手数料は無料です。ただし、送金先のアドレスの入力ミスによる暗号資産の喪失は自己責任となりますので、送金時にはアドレスを十分に確認してください。
Q5. SBI VCトレードはハッキングされたことはありますか?
2026年3月時点で、SBI VCトレードは大規模なハッキング被害やセキュリティインシデントを公表していません。コールドウォレットでの資産保管、マルチシグの採用、24時間の監視体制など、複数のセキュリティ対策を実施しています。ただし、いかなる取引所もハッキングリスクをゼロにすることはできないため、大量の暗号資産を長期間取引所に預けたままにすることは推奨されません。ハードウェアウォレットなどの自己管理ウォレットとの併用を検討することをお勧めします。
Q6. SBI VCトレードと他の取引所で迷っています。どうやって選べばよいですか?
取引所の選択は、ご自身の投資スタイルと重視するポイントによって異なります。信頼性と安全性を最優先するならSBI VCトレード、取扱銘柄の多さを重視するならCoincheck、取引の流動性を重視するならbitFlyerという選び方が一つの目安です。また、必ずしも一つの取引所に限定する必要はなく、用途に応じて複数の取引所を使い分けるという方法も有効です。まずは少額から始めて、実際の使い勝手を確認してみることをお勧めします。
※本記事は情報提供を目的としており、投資を推奨するものではありません。暗号資産への投資は元本割れのリスクがあります。投資判断はご自身の責任で行ってください。