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Solana上のDeFi完全ガイド:Jupiter・Raydium・Marinade Finance の使い方と収益化

Solanaのエコシステムで最も活発な領域の一つがDeFi(分散型金融)です。イーサリアムがDeFiの発祥地として知られていますが、Solanaは高速かつ低コストなインフラを武器に、独自のDeFiエコシステムを急速に発展させてきました。

2026年3月時点でSolana上のDeFiのTVL(Total Value Locked:総預かり資産)は数十億ドル規模に達し、主要なDEX(分散型取引所)やレンディングプロトコル、リキッドステーキングサービスが活発に稼働しています。

しかし「DeFiに興味はあるが、仕組みが複雑で何から始めればよいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。本記事ではSolana DeFiの主要プロトコルをひとつひとつ丁寧に解説し、それぞれの使い方と収益化の方法を説明します。

なお、DeFiはスマートコントラクトのリスクや価格変動リスクを伴います。本記事は情報提供を目的としており、特定の投資・運用を推奨するものではありません。

目次

  1. Solana DeFiの全体像と特徴
  2. DEXアグリゲーター:Jupiter(JUP)の仕組みと使い方
  3. AMM型DEX:Raydium(RAY)の仕組みと流動性提供
  4. リキッドステーキング:Marinade Finance(MNDE)
  5. レンディングプロトコル:Kamino FinanceとMarginFi
  6. Solana DeFiで収益を得る主な方法
  7. Solana DeFiのリスクと注意事項
  8. Phantom・Backpackウォレットの設定
  9. まとめ
  10. よくある質問(FAQ)

1. Solana DeFiの全体像と特徴

Solana DeFiの規模と成長

DeFiとは、銀行などの仲介機関を介さずにスマートコントラクトを使って金融サービスを提供する仕組みです。貸し借り(レンディング)、取引(DEX)、利回り獲得(イールドファーミング)などが代表的なユースケースです。

Solana上のDeFi TVLは2021年のNFTブームをきっかけに急拡大し、2022年のFTX崩壊後に一時大幅に縮小したものの、2023〜2024年にかけて回復・拡大してきました。2026年3月時点では、イーサリアム(L1+L2)に次ぐ規模のDeFiエコシステムを形成しています。

イーサリアムDeFiとの比較

Solana DeFiとイーサリアムDeFiの主な違いは以下の通りです。

  • 手数料:SolanaはトランザクションごとわずかなSOL(0.001〜0.01ドル程度)。イーサリアムL1は混雑時に数十ドルになることがある
  • 速度:SolanaはトランザクションのFinality(確定)が数秒。イーサリアムL1は数十秒〜数分
  • 資産の種類:イーサリアムDeFiの方が資産の種類と歴史が豊富。Solanaは成長が速い
  • 開発言語:SolanaはRust/C。イーサリアムはSolidity

どちらが優れているかは用途や目的によって異なります。少額の取引や高頻度の操作にはSolanaが有利な場合が多く、大規模な資産の運用では実績の長いイーサリアムプロトコルの方が安心感がある場合もあります。

Solana DeFiの主要カテゴリ

Solana DeFiは大きく以下のカテゴリに分類されます。

  • DEX・スワップ:トークンの交換(Jupiter、Raydium、Orca)
  • リキッドステーキング:SOLをステーキングしつつDeFiにも参加(Marinade、Jito)
  • レンディング:担保を預けて借り入れ(Kamino、MarginFi)
  • パーペチュアルDEX:無期限先物取引(Drift Protocol、Jupiter Perps)
  • ステーブルコイン:価格安定型の資産(USDC、USDT、UXD)

2. DEXアグリゲーター:Jupiter(JUP)の仕組みと使い方

Jupiterとは何か

Jupiter(ジュピター)はSolana上で最も広く使われているDEXアグリゲーターです。DEXアグリゲーターとは、複数のDEX(Raydium、Orca、Phoenixなど)のレートをリアルタイムで比較し、ユーザーが最も有利なレートでトークンを交換できるよう自動的に経路を選択するサービスです。

Jupiterを使う利点は「複数のDEXを個別に確認する手間なしに、常に最適なスワップレートを得られる」点にあります。また、スワップだけでなくリミットオーダー(指値注文)、DCA(定額積立)、無期限先物(Perps)など多様な機能を統合したプラットフォームになっています。

Jupiterでスワップする手順

Jupiterを使ったスワップの基本的な手順は以下の通りです。

  • ステップ1:Phantom等のSolanaウォレットをブラウザに接続します
  • ステップ2:jup.ag(JupiterのWebサイト)にアクセスします
  • ステップ3:「Swap」タブで「From」と「To」のトークンを選択します
  • ステップ4:金額を入力するとJupiterが自動的に最適な経路とレートを表示します
  • ステップ5:Slippage(スリッページ)の設定を確認したうえで「Swap」ボタンをクリックし、ウォレットで承認します

スリッページとは、取引確定時に想定レートから変動してもよい範囲のことです。ボラティリティの高いトークンでは0.5〜1%程度、安定したトークンペアでは0.1%程度に設定するのが一般的です。

JUPトークンとガバナンス

JUPはJupiterのガバナンストークンで、2024年1月にエアドロップが実施されました。JUPトークンを保有することでプロトコルの意思決定に参加できるほか、将来的な収益分配の仕組みについてもコミュニティで議論されています。

JupiterはSolana上で最も取引量が多いプロトコルの一つであり、Jupiterを通じた取引量はSolana全体のDEX取引量の大部分を占めています。これはJupiterがSolana DeFiのインフラとして不可欠な存在になっていることを示しています。

3. AMM型DEX:Raydium(RAY)の仕組みと流動性提供

RaydiumとAMMの仕組み

Raydium(レイディウム)はSolana上の主要なAMM(Automated Market Maker:自動マーケットメーカー)型DEXです。AMMでは、ユーザーが「流動性プール」に2種類のトークンを同量(価値ベース)で預け入れ、そのプールを使って他のユーザーがスワップを行います。

流動性を提供したユーザー(LP:Liquidity Provider)は、そのプールでの取引ごとに発生する手数料の一部を受け取ります。これが流動性提供による収益(LP手数料収入)です。

Raydiumのプールタイプ:Standard AMM vs CLMM

Raydiumには主に2種類のプールタイプがあります。

Standard AMM(標準AMM)は価格範囲全体に流動性を均等に分配するシンプルなモデルです。初心者でも理解しやすく、価格がどこにあっても流動性が維持されます。手数料収入は薄く広く発生します。

CLMM(集中流動性マーケットメーカー)はUniswap V3と同様の仕組みで、LPが特定の価格範囲に集中して流動性を提供できます。現在の価格近辺に流動性を集中させることで、少ない資金でより多くの手数料を得ることが可能です。ただし、価格が設定範囲を外れると流動性が使われず収益が発生しないリスクがあります。

インパーマネントロスの理解

流動性提供の際に必ず理解すべきリスクが「インパーマネントロス(Impermanent Loss:非永続的損失)」です。

流動性を提供した後に2つのトークンの価格比率が変化すると、単に保有していた場合よりも価値が低くなるケースがあります。例えばSOL/USDC プールにSOLとUSDCを半々で預けた後、SOLの価格が2倍になった場合、プールが自動的にリバランスされることでSOLが売られUSDCが増えます。その結果、SOLを持ち続けた場合より最終的な資産価値が低くなる現象がインパーマネントロスです。

このリスクは手数料収入で補える場合もありますが、ボラティリティの高いペアではインパーマネントロスが手数料収入を上回るケースもあります。流動性提供を検討する際は十分な理解が必要です。

4. リキッドステーキング:Marinade Finance(MNDE)

Marinade Financeとリキッドステーキングの仕組み

SOLをステーキングするとネットワークのセキュリティに貢献でき、年利5〜7%程度の報酬を得られます。ただし、通常のステーキングではSOLがロックされるため、その期間はDeFiに活用できません。

Marinade Finance(マリネード・ファイナンス)はこの問題を解決するリキッドステーキングプロトコルです。MarinadeにSOLをデポジットすると、代わりに「mSOL」(Marinade Staked SOL)というトークンを受け取ります。mSOLはステーキング報酬を反映して徐々に価値が上昇するトークンで、SOLに対して1:1以上のレートで換金できます。

mSOLを保有しながらDeFiの流動性提供や担保として活用することで、ステーキング報酬に加えてDeFiからの収益も得ることができます。これを「リキッドステーキング」と呼びます。

JitoとSOL MEV報酬

Marinade Financeと並んで有力なリキッドステーキングプロトコルがJito(ジート)です。JitoはSolanaネットワークでのMEV(Maximal Extractable Value:最大抽出可能価値)の一部をステーカーに還元する仕組みを持っており、JitoSOL(jitoSOL)を受け取ることができます。

MEVとはブロックチェーン上のトランザクション順序を操作することで得られる追加利益の概念です。JitoはこのMEV収益を集約してステーカーに再分配することで、通常のステーキングよりも若干高いAPYを提供しています。

リキッドステーキングのリスク

リキッドステーキングには以下のリスクがあります。

  • スマートコントラクトリスク:プロトコルのバグやハッキングによって資産を失う可能性があります
  • デペッグリスク:市場の混乱時にmSOLやjitoSOLがSOLに対してディスカウントで取引される可能性があります
  • プロトコルリスク:選ばれるバリデーターの質によってスラッシング(一部資産没収)リスクが生じる場合があります

5. レンディングプロトコル:Kamino FinanceとMarginFi

Kamino Financeの概要

Kamino Finance(カミノ・ファイナンス)はSolana上の主要なレンディング(貸借)プロトコルです。ユーザーは資産を担保として預け、別の資産を借り入れることができます。例えばSOLを担保にUSDCを借り入れ、そのUSDCを別の運用に活用するといった戦略が可能です。

Kaminoには独自のCLMM流動性管理機能もあり、自動的に最適な価格範囲で流動性を管理する「自動金庫(Vault)」も提供しています。

MarginFiの仕組みと特徴

MarginFiはKaminoと同様のレンディングプロトコルですが、よりシンプルなUIと高い流動性で評価されています。SOL、USDC、LST(mSOL、jitoSOLなど)を預けて利息を得たり、担保として借り入れたりすることができます。

MarginFiはSolana上のレンディング市場で長期間にわたり最大規模のTVLを維持してきたプロトコルの一つです。

レンディングを使った収益戦略

レンディングを組み合わせることで、以下のような収益戦略が考えられます。

  • SOLを担保に預け→USDCを借り入れ→そのUSDCを流動性プールに提供して手数料収益を得る
  • LST(jitoSOL)を担保に預け→SOLを借り入れ→再度ステーキングする(レバレッジドステーキング)

ただし、これらはレバレッジを効かせた戦略であり、担保資産の価格下落によって清算(強制的な担保売却)が発生するリスクがあります。特にレバレッジドステーキングは暗号資産の価格変動が大きい場面で大きな損失につながる可能性があり、十分なリスク管理が必要です。

6. Solana DeFiで収益を得る主な方法

ステーキング収益

最もシンプルな収益方法はSOLのステーキングです。Phantom等のウォレットから直接バリデーターにステーキングするか、MarinadeやJitoなどのリキッドステーキングを利用することで、年利5〜7%程度の報酬を得られます。価格変動リスクはSOL自体が持つリスクのみで、相対的にシンプルなリスク構造です。

流動性提供(LP)による手数料収入

RaydiumやOrcaの流動性プールにトークンを預けることで、スワップ手数料の一部を受け取れます。手数料収益率はプールの取引量と選択したプールによって大きく異なります。安定したペア(USDC/USDTなど)は手数料率が低い代わりにインパーマネントロスが小さく、ボラティリティの高いペアは手数料率は高いがインパーマネントロスのリスクも高くなります。

イールドファーミング

流動性提供と合わせて、プロジェクトが独自トークンを報酬として配布する「イールドファーミング」の機会もあります。これはLPとしての手数料収益に加えて、追加のトークン報酬を得られる仕組みです。ただし、配布トークンの価値が下落することも多く、高APYの案件には相応のリスクが伴います。

DCAによる自動積立

Jupiterには「DCA(Dollar Cost Averaging)」機能があり、一定期間ごとに自動的にトークンを購入する積立設定ができます。例えば「毎日USDCを使って10ドル分のSOLを購入する」といった設定が可能で、価格変動リスクを時間分散によって低減する手法として活用されています。

7. Solana DeFiのリスクと注意事項

スマートコントラクトリスク

DeFiプロトコルはスマートコントラクト(自動実行されるコードプログラム)で動作しています。コードにバグや脆弱性があった場合、ハッカーに資産を奪われる可能性があります。過去にはSolana上を含む多くのDeFiプロトコルでハッキング被害が発生しています。信頼性の高いプロトコルを選ぶには、セキュリティ監査(オーディット)の実施状況、TVLの規模(大きいほど多くの人が信頼している)、サービス提供開始からの期間などを確認することをおすすめします。

価格変動リスクとクリアランス

レンディングプロトコルで担保を預けて借り入れを行っている場合、担保資産の価格が大幅に下落すると「清算(Liquidation)」が発生します。清算とは、担保をプロトコルが自動売却して借入金を回収する仕組みです。急激な価格下落時には清算によって予期しない損失が生じる可能性があります。

DEXでの詐欺トークンへの注意

Solana上では誰でも自由にトークンを作成・発行できるため、詐欺目的のトークン(ラグプルプロジェクト)が存在します。よく知られていないトークンをスワップする際には、コントラクトアドレスの確認、プロジェクトの信頼性調査を十分に行うことが重要です。

8. Phantom・Backpackウォレットの設定

Phantomウォレットの基本設定

Solana DeFiを利用するには、Solana対応のブラウザウォレットが必要です。最も広く使われているのがPhantom(ファントム)です。ChromeやFirefoxの拡張機能として設定でき、ウォレット作成時に生成されるシードフレーズ(12〜24単語)を必ず安全な場所にオフラインで保管することが重要です。

シードフレーズは絶対に他人に教えてはいけません。正規のウォレットサービスがシードフレーズを要求することはありません。フィッシング詐欺への注意が必要です。

BackpackウォレットとxNFT

Backpack(バックパック)はMad Ladsコレクションで知られるAbruptが開発したウォレットで、xNFT(executable NFT)という概念を用いたウォレット内アプリエコシステムが特徴です。Solana DeFiとの統合度が高く、特にSolana上の先進的なDeFiユーザーから支持を得ています。

まとめ

Solana DeFiはJupiter(スワップアグリゲーター)、Raydium(AMM型DEX)、Marinade Finance(リキッドステーキング)、Kamino(レンディング)など、多様なプロトコルによって構成された成熟したエコシステムを形成しています。低コストで高速なSolanaの特性を活かして、少額から様々なDeFi戦略を試すことが可能です。

一方で、スマートコントラクトリスク、価格変動リスク、詐欺トークンへの注意など、DeFi特有のリスクを十分に理解したうえで参加することが重要です。まずは少額から始め、各プロトコルの仕組みを実際に体験しながら理解を深めることをおすすめします。

よくある質問(FAQ)

Q1. Solana DeFiを始めるために必要なものは何ですか?

Solana対応ウォレット(Phantom等)、SOLトークン(手数料用)、取引したい資産(SOLまたはUSDC等)が必要です。ウォレット作成は無料で、SOLは国内取引所で購入してから送金する方法が一般的です。

Q2. JupiterとRaydiumの使い分けはどうすればよいですか?

スワップ(トークン交換)をする際はJupiterを使うと自動的に最良レートが選ばれます。流動性を提供して手数料収入を得たい場合はRaydiumのプールに直接参加します。多くの場合、スワップにはJupiter、LP参加はRaydiumという使い分けが一般的です。

Q3. リキッドステーキングとネイティブステーキングはどちらが良いですか?

ネイティブステーキング(直接バリデーターへのデリゲート)はシンプルでスマートコントラクトリスクがありません。リキッドステーキングはmSOL等を得てDeFiにも活用できる柔軟性がありますが、プロトコルリスクが加わります。リスク許容度と活用目的に応じて選択することをおすすめします。

※本記事は情報提供を目的としており、投資を推奨するものではありません。暗号資産への投資は元本割れのリスクがあります。投資判断はご自身の責任で行ってください。記載されているAPY・手数料率等は変動します。最新情報は各公式サイトをご確認ください。

Bitcoin Analyze 編集部

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