暗号資産取引所を選ぶ際に、多くの投資家が重視するポイントの1つが「取引コスト」です。販売所形式で暗号資産を売買すると、見えにくいコスト(スプレッド)が上乗せされるため、頻繁に取引を行う場合は想像以上にコストが積み重なっていきます。板取引(取引所形式)に対応した取引所を利用することで、このコストを大幅に抑えられる可能性があります。
bitbank(ビットバンク)は、板取引(オーダーブック方式)の取引量が国内トップクラスの暗号資産取引所です。2014年5月に設立されたビットバンク株式会社が運営しており、金融庁に登録された暗号資産交換業者として、日本の規制に準拠したサービスを提供しています。
bitbankの最大の特徴は、取り扱う全ての暗号資産で板取引が可能である点です。多くの国内取引所では、ビットコインのみ板取引に対応し、アルトコインは販売所形式でしか売買できないケースが少なくありません。bitbankでは主要なアルトコインも含めて板取引ができるため、コストを意識する投資家から高い評価を受けています。
本記事では、bitbankの特徴や手数料体系、セキュリティ対策、取引ツール、他社との比較、そして利用にあたっての注意点まで、包括的に検証していきます。取引所選びの参考にしていただければ幸いです。
目次
1. bitbankの基本情報と沿革
1-1. 会社概要
bitbank(ビットバンク)は、ビットバンク株式会社が運営する暗号資産取引所です。2014年5月に設立され、暗号資産交換業者として金融庁に登録されています(登録番号:関東財務局長 第00004号)。本社は東京都品川区に所在しています。
代表取締役CEOは廣末紀之氏が務めており、創業以来一貫して「オープンでフェアな金融」を理念に掲げています。廣末氏は野村證券出身のバックグラウンドを持ち、金融業界での豊富な経験を暗号資産取引所の運営に活かしています。
bitbankは、日本暗号資産取引業協会(JVCEA)の正会員であり、業界の自主規制にも積極的に参加しています。2018年のJVCEA設立時から参加しており、日本国内の暗号資産取引業界の健全な発展に貢献してきた取引所の1つといえるでしょう。
1-2. 設立から現在までの歩み
bitbankの歴史を振り返ると、日本の暗号資産業界の発展と共に歩んできたことがわかります。
2014年の設立当初は、ビットコインの取引に特化したサービスからスタートしました。その後、取り扱い通貨を順次拡大し、板取引に対応した取引所として差別化を図ってきました。
2018年には、コインチェックのハッキング事件を受けた業界全体のセキュリティ意識の高まりの中で、bitbankはセキュリティ対策を強化し、第三者機関によるセキュリティ監査を受けるなどの取り組みを行いました。同年、CoinGeckoが公表した取引所のセキュリティスコアで国内1位の評価を受けたこともあります。
2020年以降は、取り扱い通貨の拡大を加速させ、2026年3月時点では40種類以上の暗号資産を取り扱っています。また、貸して増やす(レンディング)サービスなど、取引以外のサービスも拡充しています。
1-3. 事業規模と市場でのポジション
2026年3月時点で、bitbankは国内の暗号資産取引所の中でも上位の取引量を誇っています。特に板取引(取引所形式)における取引量は国内有数であり、流動性の面で高い評価を受けています。
CoinMarketCapやCoinGeckoなどの暗号資産情報サイトでも、日本の取引所としてはbitFlyerやCoincheckと並んでbitbankの名前が挙がることが多く、国際的な認知度も徐々に高まっています。
ただし、口座数や取引量の面では、bitFlyerやCoincheckなどの先行者に比べると規模が小さいという指摘もあります。bitbankの強みは規模の大きさよりも、板取引に特化した取引環境の質の高さにあるといえるのではないでしょうか。
2. 板取引のメリットと仕組み
2-1. 板取引(取引所形式)とは
板取引とは、買い手と売り手の注文が「板」(オーダーブック)に並び、価格と数量がマッチングした時点で約定する取引方式のことです。株式取引と同じ仕組みであり、透明性の高い価格形成が行われる点が特徴です。
板(オーダーブック)には、買い注文(ビッド)と売り注文(アスク)がそれぞれ価格順に並んでおり、最も高い買い注文と最も低い売り注文の差が「スプレッド」となります。このスプレッドが小さいほど、取引コストが低いことを意味します。
bitbankの板取引では、成行注文(市場価格で即座に約定する注文)と指値注文(指定した価格で約定する注文)の両方を利用することができます。指値注文を使えば、自分が希望する価格で売買を行うことが可能であり、取引のコントロール性が高いといえます。
2-2. 販売所形式との違い
暗号資産の取引方式には、板取引(取引所形式)と販売所形式の2種類があります。両者の違いを理解することは、取引コストの削減に直結します。
販売所形式では、取引所(業者)が相手方となって暗号資産を売買します。販売所の提示する価格で即座に売買が成立するため、操作がシンプルで初心者にも使いやすいのが利点です。しかし、販売所の提示する買値と売値にはスプレッドが含まれており、このスプレッドは実質的な手数料として投資家のコストとなります。
販売所のスプレッドは、暗号資産の種類や市場状況によって異なりますが、ビットコインの場合で1%〜5%程度、アルトコインでは3%〜10%程度に達することもあります。たとえば、スプレッドが3%の場合、100万円分の暗号資産を購入した直後に売却すると、約3万円の損失(スプレッドコスト)が発生する計算になります。
一方、板取引のスプレッドは通常0.01%〜0.1%程度であり、販売所と比較して桁違いに小さくなっています。さらに、指値注文を使えばスプレッドの影響を最小限に抑えることも可能です。取引コストを重視する投資家にとって、板取引の利用は合理的な選択といえるでしょう。
2-3. 流動性の重要性
板取引の利便性は、板に並んでいる注文の量(流動性)に大きく左右されます。流動性が高い(多くの注文が板に並んでいる)取引所では、大きな注文を出しても価格への影響が小さく、スプレッドも狭い傾向にあります。
逆に、流動性が低い取引所では、大きな注文を出すと板の注文を「食い荒らして」しまい、不利な価格で約定する(スリッページが大きくなる)可能性があります。
bitbankは国内の板取引の中でも高い流動性を誇っており、特にビットコイン/日本円(BTC/JPY)やイーサリアム/日本円(ETH/JPY)などの主要ペアでは、安定した流動性が維持されています。ただし、取り扱い通貨の中には流動性が限定的な銘柄もあるため、取引量の少ない通貨を売買する際にはスリッページに注意が必要です。
3. 手数料体系の詳細分析
3-1. 取引手数料
bitbankの取引手数料は、暗号資産の板取引において「メイカー手数料」と「テイカー手数料」の2種類が設定されています。
メイカー手数料は、板に新しい注文を追加する(流動性を提供する)際に適用される手数料です。bitbankのメイカー手数料は-0.02%、つまりメイカーとして取引を行うと、取引金額の0.02%が報酬として受け取れる仕組みとなっています。このマイナス手数料(リベート)制度は、流動性の提供者にインセンティブを与える目的で設けられています。
テイカー手数料は、板にある既存の注文と約定する(流動性を消費する)際に適用される手数料です。bitbankのテイカー手数料は0.12%に設定されています。成行注文は基本的にテイカーとして扱われます。
たとえば、100万円分のビットコインをメイカーとして購入した場合、200円の報酬が得られます。同じ取引をテイカーとして行った場合は1,200円の手数料が発生します。指値注文を活用してメイカーとして取引を行うことで、取引コストを最小限に抑えることが可能です。
3-2. 入出金手数料
bitbankの日本円の入出金手数料について確認しておきましょう。
日本円の入金は、銀行振込で行います。振込手数料は利用者の負担となりますが、bitbank側での入金手数料は無料です。住信SBIネット銀行からの振込は即時反映される場合が多く、利便性が高いとされています。
日本円の出金手数料は、3万円未満が550円(税込)、3万円以上が770円(税込)です。他の国内取引所と比較しても標準的な水準といえるでしょう。
暗号資産の入金手数料は無料です。暗号資産の出金(送金)手数料は通貨ごとに異なり、ビットコインの場合は0.0006BTCとなっています。ネットワークの混雑状況によって変動する場合もあります。
3-3. トータルコストの比較
取引コストを評価する際には、手数料だけでなく、スプレッドも含めたトータルコストで比較することが重要です。
bitbankの板取引では、メイカー手数料がマイナス(-0.02%)であるため、指値注文を活用すれば実質的にコスト以上のリベートを受け取ることが可能です。テイカー手数料(0.12%)も、販売所のスプレッド(1%〜5%程度)と比較すると非常に低い水準です。
たとえば、月に100万円分のビットコインを5回購入する場合(合計500万円)の概算コストを比較すると:
- bitbank板取引(メイカー):500万円 × (-0.02%) = -1,000円(つまり1,000円のリベート)
- bitbank板取引(テイカー):500万円 × 0.12% = 6,000円
- 販売所形式(スプレッド3%の場合):500万円 × 3% = 150,000円
このように、板取引と販売所形式では取引コストに大きな差が生じることがわかります。取引頻度が高い投資家ほど、板取引を利用することのメリットは大きくなるといえるでしょう。
4. 取り扱い通貨と取引ペア
4-1. 取り扱い暗号資産の概要
2026年3月時点で、bitbankは40種類以上の暗号資産を取り扱っています。主要な取り扱い通貨には以下のようなものがあります。
- ビットコイン(BTC)
- イーサリアム(ETH)
- リップル(XRP)
- ライトコイン(LTC)
- ビットコインキャッシュ(BCH)
- モナコイン(MONA)
- ステラルーメン(XLM)
- ポリゴン(MATIC/POL)
- ポルカドット(DOT)
- チェーンリンク(LINK)
- ソラナ(SOL)
- アバランチ(AVAX)
bitbankの特徴として、これらの全ての通貨で板取引が可能である点が挙げられます。多くの国内取引所では、アルトコインの一部は販売所形式でのみ取引可能となっているケースがありますが、bitbankでは板取引で全通貨を売買できるため、コストを抑えた取引が実現します。
4-2. 取引ペアの構成
bitbankの取引ペアは、日本円(JPY)建てとビットコイン(BTC)建ての2種類が用意されています。
日本円建ての取引ペア(例:BTC/JPY、ETH/JPY、XRP/JPY)は、日本円で暗号資産を直接売買する際に使用します。日本の投資家にとっては最も一般的な取引ペアです。
ビットコイン建ての取引ペア(例:ETH/BTC、XRP/BTC)は、ビットコインを基準通貨としてアルトコインを売買する際に使用します。ビットコインを既に保有している場合、日本円に一度戻すことなくアルトコインに交換できるため、取引の効率が良い場合があります。
ただし、ビットコイン建ての取引ペアは流動性が日本円建てと比較して低い傾向にあるため、大口の取引を行う際にはスリッページに注意が必要かもしれません。
4-3. 新規上場通貨の選定基準
bitbankは新規の暗号資産を上場させる際に、一定の審査基準を設けているとされています。具体的な基準は公開されていませんが、一般的に国内の暗号資産取引所が上場審査で確認する項目としては以下のようなものが知られています。
- プロジェクトの技術的な信頼性
- ガバナンス体制と透明性
- マネーロンダリング対策(AML)やテロ資金供与防止対策(CFT)への対応
- JVCEAのグリーンリスト(自主規制に基づく審査済み通貨リスト)への掲載状況
- 市場における流動性と時価総額
bitbankは取り扱い通貨数において、国内最大規模ではありませんが、着実に銘柄を増やしてきています。取り扱い通貨の選定においては、数を追うよりも質を重視する姿勢が見て取れるのではないでしょうか。
5. セキュリティ対策と信頼性
5-1. 資産管理の仕組み
暗号資産取引所のセキュリティは、投資家にとって最も重要な関心事の1つです。bitbankは、業界標準のセキュリティ対策に加え、独自の取り組みも行っています。
bitbankでは、顧客の暗号資産の大部分をコールドウォレット(インターネットに接続されていないウォレット)で管理しています。コールドウォレットはハッキングのリスクが極めて低い保管方法であり、暗号資産取引所の資産管理における基本的なセキュリティ対策です。
ホットウォレット(オンラインのウォレット)には、出金処理に必要な最小限の資産のみを保持する運用を行っているとされています。万が一ホットウォレットがハッキングされた場合でも、被害を最小限に抑えることができる設計です。
また、bitbankはマルチシグ(複数の署名が必要な承認方式)を採用しており、単一の秘密鍵が漏洩しただけでは資産を移動できない仕組みを導入しています。
5-2. ユーザーアカウントのセキュリティ
ユーザーアカウントの保護に関しては、以下のような対策が講じられています。
二段階認証(2FA)は、ログインや出金の際に、パスワードに加えて認証コード(Google Authenticator等で生成)の入力を求める仕組みです。bitbankでは二段階認証の設定が推奨されており、設定していない場合は一部の機能が制限されることがあります。
SMS認証やメール認証も出金時のセキュリティ対策として利用可能です。不正な出金を防止するために、出金リクエスト時にメールで確認が行われます。
ログイン履歴の確認機能もあり、不審なアクセスがないかを自分でチェックすることが可能です。不審なログインが検知された場合には、メールで通知される仕組みも備わっています。
5-3. 過去のセキュリティ実績
bitbankは、設立以来2026年3月時点まで、重大なハッキング被害や顧客資産の流出事故は公表されていません。これは、国内の暗号資産取引所の中でもセキュリティ面での信頼性の高さを示す実績といえるでしょう。
2018年には、コインチェックのNEM流出事件やZaifのハッキング事件が発生し、業界全体でセキュリティ対策の強化が求められました。bitbankはこの時期に第三者機関によるセキュリティ監査を受け、その結果を公表するなど、透明性の高い対応を行っています。
CoinGeckoの「Trust Score」においても、bitbankは継続的に高いスコアを獲得しており、取引データの透明性や準備金の証明などの面でも評価されています。
ただし、過去に被害がなかったことが将来の安全性を保証するわけではありません。暗号資産取引所を利用する際には、二段階認証の設定や、長期保有分はハードウェアウォレットで自己管理するなど、利用者自身のセキュリティ対策も重要であることは忘れないでいただきたいと思います。
6. 取引ツールとチャート機能
6-1. ウェブ取引画面の特徴
bitbankのウェブ取引画面は、本格的なトレーディングに対応した機能性と、初心者でも直感的に操作できるシンプルさを両立しています。
画面構成は、チャートエリア、板(オーダーブック)、注文パネル、取引履歴、保有資産情報が一画面に集約されたレイアウトとなっています。株式取引の経験がある方であれば、違和感なく操作できるのではないでしょうか。
チャートには「TradingView」が組み込まれており、100種類以上のテクニカルインジケーターや描画ツールを利用することが可能です。移動平均線、RSI、MACD、ボリンジャーバンドなど、主要なテクニカル指標は一通り揃っています。時間軸も1分足から月足まで選択できるため、短期トレードから長期分析まで幅広く対応しています。
注文方法は、成行注文、指値注文、逆指値注文に対応しています。逆指値注文は、指定した価格に達した時点で自動的に成行注文または指値注文を発注する注文方法で、ストップロス(損切り)の設定に活用できます。
6-2. スマートフォンアプリ
bitbankのスマートフォンアプリ(iOS/Android対応)は、ウェブ版と同等の機能を提供しており、外出先でも本格的な取引が可能です。
アプリの特徴として、プッシュ通知による価格アラート機能があります。指定した価格に暗号資産が到達した際に通知を受け取ることができるため、常に画面を見ていなくても取引のタイミングを逃しにくくなっています。
チャート機能もウェブ版と同様にTradingViewが採用されており、スマートフォンの画面サイズに最適化されたインターフェースで、テクニカル分析を行うことができます。
ウィジェット機能にも対応しており、スマートフォンのホーム画面で暗号資産の価格を確認することも可能です。日常的に価格をチェックしたい方にとっては便利な機能でしょう。
6-3. API(プログラム取引)
bitbankは、プログラムによる自動取引を行うためのAPI(Application Programming Interface)を公開しています。APIを利用することで、自作のプログラムやボットから直接注文を出したり、市場データを取得したりすることが可能です。
bitbankのAPIは、REST APIとリアルタイムAPI(WebSocket)の2種類が提供されています。REST APIは注文の発注や残高の確認などの操作に、WebSocketは板情報や約定情報のリアルタイムストリーミングに使用されます。
APIのドキュメントは日本語と英語の両方で公開されており、開発者が利用しやすい環境が整備されています。レート制限(APIの呼び出し頻度の上限)も設定されているため、サーバーへの過負荷を防ぎつつ安定したサービスが提供されています。
7. 他の国内取引所との比較
7-1. Coincheck(コインチェック)との比較
Coincheck(コインチェック)は、国内最大級の口座数を持つ暗号資産取引所です。マネックスグループの傘下に入ったことでセキュリティと信頼性が強化され、初心者向けの使いやすいインターフェースで知られています。
bitbankとCoincheckの最大の違いは、取引方式の充実度です。Coincheckはビットコインの板取引に対応していますが、多くのアルトコインは販売所形式での取引が中心です。一方、bitbankは全通貨で板取引が可能であるため、アルトコインの取引コストにおいてはbitbankが有利といえます。
Coincheckの強みは、取り扱い通貨の種類の豊富さとNFTマーケットプレイスなどの付帯サービスの充実度です。また、アプリのデザインが洗練されており、暗号資産取引が初めての方にとっては直感的に操作しやすいという評価を受けています。
7-2. bitFlyer(ビットフライヤー)との比較
bitFlyer(ビットフライヤー)は、ビットコインの取引量が国内最大級の暗号資産取引所です。「bitFlyer Lightning」というプロ向けの取引プラットフォームを提供しており、レバレッジ取引にも対応しています。
bitFlyerの板取引は主にbitFlyer Lightningで提供されていますが、対応している通貨ペアはbitbankと比較すると限定的な面があります。一方、bitFlyerはレバレッジ取引(最大2倍)を提供しており、この点はbitbankにはない機能です(2026年3月時点でbitbankはレバレッジ取引を提供していません)。
信頼性の面では、bitFlyerはSMBCベンチャーキャピタルやみずほキャピタルなどのメガバンク系ファンドから出資を受けていることが知られています。bitbankもミクシィやセレスなどからの出資を受けており、両社ともに資本面での安定性を確保しています。
7-3. GMOコイン・SBI VCトレードとの比較
GMOコインは、GMOインターネットグループが運営する取引所で、FX事業で培ったノウハウを活かした取引環境を提供しています。板取引と販売所の両方を提供しており、暗号資産の出金手数料が無料である点が大きな特徴です。bitbankでは暗号資産の出金に手数料がかかるため、頻繁に出金を行う場合はGMOコインの方がコスト面で有利になるケースがあります。
SBI VCトレードは、SBIグループが運営する取引所で、住信SBIネット銀行との連携により入出金の利便性が高い点が特徴です。ステーキングサービスや暗号資産のレンディングサービスにも力を入れています。
各取引所にはそれぞれの強みがあるため、自分の取引スタイルや重視するポイントに合わせて選択することが重要です。板取引の手数料とスプレッドを最優先するのであれば、bitbankは有力な選択肢の1つといえるのではないでしょうか。
8. bitbankのメリット・デメリットと利用上の注意点
8-1. bitbankのメリット
bitbankの主なメリットをまとめると以下の通りです。
第一に、全通貨で板取引が可能であることです。これはbitbankの最大の差別化ポイントであり、特にアルトコインの取引においてコスト面で大きなアドバンテージがあります。
第二に、メイカー手数料がマイナス(-0.02%)であることです。指値注文を活用すれば、取引するたびにリベートを受け取ることができるため、実質的にコスト以上のメリットが得られます。
第三に、チャートツールが充実していることです。TradingViewベースのチャートは、テクニカル分析を行う投資家にとって十分な機能を備えています。
第四に、セキュリティの実績が良好であることです。設立以来重大なセキュリティインシデントが報告されておらず、第三者機関による監査も受けています。
第五に、APIが公開されていることです。自動取引やプログラムトレードを行いたい上級者にとっては、APIの充実度は重要なポイントです。
8-2. bitbankのデメリット
一方で、bitbankにはいくつかのデメリットも存在します。
第一に、レバレッジ取引が提供されていないことです(2026年3月時点)。レバレッジ取引を行いたい場合は、bitFlyerやGMOコインなど他の取引所を利用する必要があります。
第二に、暗号資産の出金手数料がかかることです。GMOコインのように出金手数料が無料の取引所と比較すると、頻繁に出金を行う場合にはコストが積み重なる可能性があります。
第三に、一部の通貨で流動性が限定的な場合があることです。主要通貨(BTC、ETH、XRP等)の流動性は十分ですが、時価総額の小さいアルトコインでは板が薄く、大きな注文を出すとスリッページが発生する可能性があります。
第四に、初心者にとっては板取引のインターフェースが複雑に感じられる場合があることです。Coincheckのようなシンプルな販売所形式と比較すると、板取引には一定の学習コストが伴います。
8-3. 口座開設から取引開始までの流れ
bitbankの口座開設の一般的な流れを確認しておきましょう。
まず、bitbankの公式サイトまたはアプリからアカウント登録を行います。メールアドレスとパスワードの設定が必要です。
次に、本人確認手続き(KYC:Know Your Customer)を行います。運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類をスマートフォンで撮影してアップロードするオンライン完結型の手続きが利用可能です。審査は通常1〜3営業日程度で完了します。
本人確認が完了したら、二段階認証を設定します。セキュリティの観点から、この設定は必ず行うことをおすすめします。
入金は銀行振込で行います。住信SBIネット銀行からの振込は即時反映される場合があり、利便性が高くなっています。
入金が反映されたら、板取引画面から暗号資産の売買を開始できます。初めて板取引を行う場合は、まず少額から始めて操作に慣れることを推奨します。
まとめ
bitbank(ビットバンク)は、板取引に強みを持つ国内の暗号資産取引所として、コスト意識の高い投資家から支持を集めています。本記事の要点を振り返ってみましょう。
- bitbankは全ての取り扱い暗号資産で板取引が可能であり、販売所のスプレッドと比較して取引コストを大幅に抑えることが可能です
- メイカー手数料がマイナス(-0.02%)であるため、指値注文を活用すればリベートを受け取ることもできます
- TradingViewベースのチャートツールやAPIの提供など、中上級者向けの取引環境が充実しています
- セキュリティ面では、コールドウォレット管理やマルチシグの採用など、業界標準以上の対策が講じられています
- レバレッジ取引が提供されていない点や、暗号資産の出金手数料がかかる点は、利用にあたっての注意事項です
取引所選びは、自分の投資スタイルや重視するポイントによって最適解が異なります。板取引を活用してコストを抑えた取引を行いたい方にとって、bitbankは検討に値する選択肢の1つではないでしょうか。
よくある質問(FAQ)
Q1. bitbankは初心者でも使えますか?
板取引のインターフェースに慣れる必要はありますが、基本的な操作は直感的に行えるよう設計されています。初めて暗号資産を購入する方は、まず少額でビットコインの指値注文を出してみることから始めると、板取引の仕組みが理解しやすくなるでしょう。公式サイトやヘルプページにも操作方法の解説が用意されています。
Q2. bitbankの取引手数料は本当に安いのですか?
板取引のメイカー手数料が-0.02%(リベートあり)、テイカー手数料が0.12%という水準は、国内の暗号資産取引所の中でも競争力のある水準です。特に、販売所形式のスプレッド(1%〜5%程度)と比較すると、板取引のコスト優位性は非常に大きいといえます。ただし、暗号資産の出金手数料は別途発生するため、トータルコストで評価することが重要です。
Q3. bitbankでレバレッジ取引はできますか?
2026年3月時点では、bitbankはレバレッジ取引(証拠金取引)を提供していません。レバレッジ取引を行いたい場合は、bitFlyerやGMOコイン、DMM Bitcoinなど、レバレッジ取引に対応した取引所の利用を検討してください。
Q4. bitbankの口座開設にはどのくらい時間がかかりますか?
オンライン本人確認(eKYC)を利用した場合、最短で即日、通常は1〜3営業日程度で口座開設が完了します。本人確認書類の不備があった場合や、申し込みが集中している時期には、さらに時間がかかることがあります。口座開設は無料で行えます。
Q5. bitbankは安全ですか?ハッキングの心配はありませんか?
bitbankは設立以来、重大なハッキング被害は報告されていません。コールドウォレット管理、マルチシグ、二段階認証など、複数のセキュリティ対策が講じられています。ただし、どの取引所であってもリスクがゼロになることはありません。二段階認証の設定は必須として、長期保有する暗号資産は自分のハードウェアウォレットで管理することも検討されてはいかがでしょうか。
Q6. bitbankで取り扱っていない暗号資産を購入したい場合はどうすればよいですか?
bitbankで取り扱っていない暗号資産を購入する場合は、その暗号資産を取り扱っている他の国内取引所(Coincheck、GMOコイン等)を利用する方法があります。また、JVCEAのグリーンリストに掲載されていない暗号資産は、国内取引所では原則として取り扱いがないため、海外取引所を利用する必要がある場合もあります。ただし、海外取引所の利用にはさまざまなリスクが伴うことにご留意ください。
Q7. bitbankの「貸して増やす」サービスとは何ですか?
「貸して増やす」は、保有する暗号資産をbitbankに一定期間貸し出すことで、利用料(利息)を受け取ることができるサービス(レンディング)です。貸出期間や利率は暗号資産の種類や市場状況によって変動します。資産を売却せずに保有しながら収益を得る手段として活用できますが、貸出期間中は原則として売却や出金ができない点、また取引所にリスクが集中する点にはご注意ください。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の取引所の利用を推奨するものではありません。暗号資産取引にはリスクが伴い、元本割れの可能性があります。各取引所の手数料やサービス内容は変更される場合がありますので、最新の情報は各取引所の公式サイトでご確認ください。取引所の選択や投資判断はご自身の責任で行ってください。