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ビットコインを法人の給与や報酬で受け取れるか?日本の制度と実務を解説

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ビットコインは、日本の労働基準法上、会社員の「給与」として支払うことはできません。ところが、同じ企業から個人への支払いであっても、雇用契約ではなく業務委託契約であれば、ビットコインそのものを対価として受け取ることは法律上可能とされています。「給与」と「報酬」——呼び方の違いに見えるこの二つが、暗号資産で受け取れるかどうかの結論を正反対に分けています。

経営者として報酬体系にビットコインを組み込みたい方、あるいはフリーランスとして暗号資産での支払いを提案されている方にとって、この違いを理解しておくことは欠かせません。本記事では、労働基準法が定める賃金の通貨払いの原則と、その例外にあたる業務委託・役員報酬のケース、受け取った際の税務上の取り扱いまでを整理します。読み終える頃には、自分のケースがどちらに当てはまり、何を確認すればよいのかが分かるようになるはずです。厚生労働省や国税庁が公表している資料の考え方を踏まえながら、順に見ていきましょう。

前提:労働基準法が定める「賃金の通貨払いの原則」

労働基準法第24条は、賃金を「通貨」で、直接労働者に、全額を支払わなければならないという原則を定めています。ここでいう通貨とは日本円などの法定通貨を指し、ビットコインをはじめとする暗号資産は法定通貨ではないため、原則としてこの「通貨」には該当しないと解されています。

そのため、雇用契約に基づく「賃金」としてビットコインを支給することは、労働者本人が希望した場合であっても、原則として認められないと理解しておく必要があります。銀行口座への振込のように例外として認められている支払い方法は、法令で個別に定められたものに限られます。

「デジタル給与払い」とビットコインは別の制度

2023年4月から、一定の要件を満たす資金移動業者の口座に賃金を支払う、いわゆる「デジタル給与払い」の制度が始まりました。これをきっかけに「給与を暗号資産で受け取れるようになった」と誤解されることがありますが、これは正確ではありません。

デジタル給与払いはあくまで日本円建ての資金を指定の口座に支払う仕組みであり、対象となる資金移動業者や上限額なども法令で細かく定められています。ビットコインなどの暗号資産そのものを賃金として支払うことを認める制度ではない、という点は押さえておいてください。

例外的にビットコインで対価を受け取れるケース

業務委託・フリーランス報酬としての受け取り

労働基準法は「労働者」を保護するための法律であり、雇用契約ではなく業務委託契約や請負契約に基づく報酬には適用されません。この場合、対価の支払い方法は当事者間の契約自由に委ねられるため、企業とフリーランスが合意すれば、報酬の全部または一部をビットコインで支払う契約を結ぶこと自体は可能とされています。

役員報酬としての受け取り

取締役などの役員報酬は労働基準法ではなく会社法の規律を受けます。役員が実質的に労働者と同様に扱われる「使用人兼務役員」のようなケースを除けば、定款や株主総会の決議に基づき、現物による報酬支給が制度上可能とされる場合があります。ただし実務上は会計処理や税務上の取り扱いが複雑になりやすく、導入例はまだ多くありません。実際に検討する際は、税理士や社会保険労務士など専門家への相談をおすすめします。

受け取った場合の税務上の取り扱い

ビットコインを対価として受け取った場合、受領した時点の時価を円換算した金額が所得として認識されるのが基本的な考え方です。その後、そのビットコインを売却・使用した際に、受領時からの値上がり分についてさらに課税対象となる点にも注意が必要です。

受け取り方 想定される所得区分 ポイント
業務委託の報酬として 事業所得または雑所得 受領時の時価で収入計上するのが基本
役員報酬として 給与所得 現物給与として時価評価が必要になる場合がある
受領後に売却 譲渡による所得(雑所得等) 受領時の時価と売却時の差額が課税対象になり得る

所得区分や税率は個々の状況によって異なり、暗号資産に関する税制は改正の対象になることもあるため、暗号資産の税金ガイド税金・確定申告カテゴリもあわせて確認し、最新の情報は国税庁の公式情報でご確認ください。

実務で気をつけたいポイント

ビットコインでの受け取りを検討する際は、税務以外にも確認しておきたい実務上のポイントがあります。

  • 契約書には、報酬額を日本円でいくら相当とするかの算定基準(レート確定のタイミングなど)を明記しておく
  • 受け取った後の価格変動リスクをどちらが負うのかをあらかじめ合意しておく
  • 源泉徴収が必要な契約形態かどうかを事前に確認しておく
  • 受け取ったビットコインの保管方法を決めておく

保管については、取引所に置いたままにせず、自分で秘密鍵を管理できるウォレットに移す方法が広く知られています。基礎から学びたい方はハードウェアウォレットの解説記事ビットコインの始め方ガイドも参考にしてください。安全な保管について書籍で体系的に学んでおくのも一つの方法です(関連書籍を探す)。

よくある質問(FAQ)

会社員がビットコインで給与を受け取ることは絶対にできませんか?

雇用契約に基づく「賃金」としては、原則としてできません。労働基準法が定める通貨払いの原則があるためです。ただし、副業として業務委託契約を結び、その報酬をビットコインで受け取るという形であれば可能とされています。

ビットコインで報酬を受け取ると税金はどうなりますか?

受け取った時点の時価を円換算した金額がまず所得として認識され、契約形態に応じて給与所得・事業所得・雑所得のいずれかに区分されるのが基本的な考え方です。その後、売却した際にも値上がり分に課税される場合があるため、受け取り時と売却時の記録をきちんと残しておくことが大切です。

「デジタル給与払い」を導入すればビットコインで支払えますか?

いいえ。デジタル給与払いは日本円建ての資金を資金移動業者の口座に支払う制度であり、暗号資産そのものを支払う制度ではありません。混同されやすい部分なので、導入を検討する際は制度の対象範囲を正確に確認してください。

フリーランスとして暗号資産で報酬を受け取る際に注意すべきことは?

価格変動リスクをどちらが負担するかを契約書に明記しておくこと、そして受領時のレートを記録しておき確定申告に備えることが基本になります。取引先との認識のズレを防ぐためにも、支払い条件は口頭ではなく書面で残しておくことをおすすめします。

免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。最新の情報は公式情報をご確認ください。

判断に迷う論点は、先に確認したほうが早い

この記事で扱ったのは、公開されている情報から言える一般的な扱いです。実際の申告では、自分の取引履歴に当てはめたときに判断が要る場面が出てきます。区分の判定、過年度の修正、複数の論点が重なる場合などです。

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この記事について

執筆・編集:Bitcoin Analyze 編集部

金融庁・国税庁および各事業者の公式資料にあたり、基準日と定義を固定したうえで記事を作成しています。価格予測や利益保証は扱いません。事業者の条件は変更されるため、最終的な判断は公式情報をご確認ください。

主な参照先

Bitcoin Analyze 編集部

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