イーサリアム - ETH

Blobとは?イーサリアムのデータ格納の新常識をわかりやすく解説

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Blob(ブロブ)とは、2024年3月のDencunアップグレード(EIP-4844)でイーサリアムに導入された、専用のデータ格納領域です。最大の特徴は「永続保存しない」こと。従来のcalldata(コールデータ)がブロックチェーン上に半永久的に残るのに対し、Blobのデータは約18日を目安に各ノードから削除されます。この割り切った設計により、レイヤー2(L2)がデータを書き込むコストは劇的に下がったとされています。

「消えてしまうデータに意味があるのか」と疑問に思うかもしれません。本記事では、Blobの基本的な仕組みから、一時保存という設計思想の理由、calldataとの費用差、そしてユーザーへの影響までをわかりやすく解説します。

仕組みは、手元で動かすと理解が変わります

ここまでの内容は読んで分かる範囲の話ですが、テストネットにノードを立てる、コントラクトをデプロイして挙動を見る、インデクサを回してデータを取る、といった検証は自分の環境が要ります。ノートPCでも試せますが、同期やインデックス作成には数時間から数日かかるものがあり、スリープや再起動で最初からやり直しになることがあります。常時起動のサーバーなら放置して進められます。必要なメモリとディスク容量は動かすものによって大きく変わるので、対象ソフトの要件を先に確認してからプランを選んでください。

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Blobの基本:ブロックに「添付」される大容量データ

Blobは正式には「Binary Large Object(バイナリ・ラージ・オブジェクト)」の略で、1個あたり約128KBのデータの塊です。「Blobトランザクション」と呼ばれる新しい形式の取引に添付される形でイーサリアムへ送信されます。導入当初は1ブロックあたり目標3個・最大6個の上限があり、2025年のPectraアップグレードで目標6個・最大9個へ拡張されたとされています。

主な利用者は、Arbitrum・Optimism・Baseなどのロールアップ型L2です。L2は自分のチェーン上で処理した大量の取引を圧縮し、Blobに詰めてイーサリアム本体(L1)へ投稿します。これによりL1のセキュリティを借りながら、安価に取引を処理できる構造が成立します。ロールアップの基礎から知りたい方はイーサリアムカテゴリの関連記事もご覧ください。

仕組みまで踏み込むなら、章立てされた1冊が早いことがあります

この記事は要点を絞って書いていますが、暗号技術やコンセンサスの前提から順に追いたい場合は、体系立った書籍のほうが理解が早く済みます。この分野は版によって扱う範囲が変わるので、目次と発行年を確認してから選んでください。

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なぜ「一時保存」で成立するのか:設計思想を読み解く

データに求められているのは「公開されていた事実」

ロールアップにとって重要なのは、取引データが「一定期間、誰でも入手できる状態にあった」ことです。これを「データ可用性(データアベイラビリティ)」と呼びます。検証者がデータを取得して不正の有無を確認できる期間さえ保証されれば、その後もイーサリアムの全ノードが永久に保持し続ける必要はない、というのがBlobの設計思想です。

ブロックチェーン本体は「データの永久保管庫」ではなく「データが公開されたことの証明装置」に徹するという発想の転換であり、これがイーサリアムのデータ格納の新常識と呼ばれる理由です。

EVMからは読めず、要約値だけを残す

Blobの中身はスマートコントラクトの実行環境(EVM)から直接参照できません。チェーン上に恒久的に残るのは「KZGコミットメント」という暗号学的な要約値だけです。要約値があれば、後からデータの正しさを検証できる一方、全ノードがデータ本体を処理・保持する負担はなくなります。削除までの期間はおおむね18日程度(4096エポック)とされ、その後の長期保管はL2運営者やアーカイブ事業者などが担う形になっています。

calldataとの費用差:何がどれだけ違うのか

Blob導入前、ロールアップはcalldataに取引データを書き込んでいました。calldataは全ノードが永続保存する領域のため、データ量に応じた高いガス代がかかり、L2手数料の大半をこの投稿費用が占めていたとされています。両者の違いを整理すると次のとおりです。

項目 calldata Blob
保存期間 永続 約18日で削除
EVMからの参照 可能 不可(KZGコミットメントのみ)
手数料市場 通常のガスと共通 独立したBlobガス市場
価格変動の影響 L1の混雑に連動 Blob需要のみに連動
主な用途 コントラクト呼び出し ロールアップのデータ投稿

特に効いているのが独立した手数料市場です。Blobガスの価格は需要に応じて自動調整され、利用が上限に達しない限り低水準にとどまります。導入後、主要L2の手数料は数分の一から数十分の一に下がったケースもあると報告されています。具体的な水準は変動するため、各L2の公式情報を確認してください。

Blobがユーザーにもたらすメリット

  • L2での送金・スワップなどの手数料が下がり、少額利用の心理的ハードルが低くなった
  • ゲーム・SNS・少額決済など高頻度の取引を前提としたアプリが成立しやすくなった
  • L1の通常ガス市場と分離されているため、NFTミントの混雑などの影響を受けにくい

一方で、Blobの上限を超える需要が集中すればBlob価格も上昇します。手数料の安さは恒久的な保証ではない点には留意が必要です。手数料を抑えて仮想通貨を始めたい方は始め方ガイドも参考にしてください。

今後の展開:Blobは増えていく

Blobの導入(EIP-4844)は、イーサリアムの拡張ロードマップの中間地点にすぎません。今後はデータ入手可能性サンプリング(DAS)という技術により、各ノードがデータの断片だけを確認して全体の公開を保証できるようにし、Blob数を段階的に増やす計画が示されています。最終的には「ダンクシャーディング」と呼ばれる形態で、1ブロックあたり数十個規模のBlobを扱うことが目標とされています。技術ロードマップの続報はテクニカルカテゴリで追っていきます。

よくある質問(FAQ)

Blobのデータが消えたら、L2の取引履歴はどうなりますか?

L2の残高や取引履歴はL2チェーン自体の台帳として管理されており、Blobの削除で消えるわけではありません。Blobは検証期間中のデータ公開を保証する仕組みであり、長期の履歴保管はL2運営者やエクスプローラ、アーカイブ事業者が担う形とされています。

Blobは個人でも使えますか?

技術的にはBlobトランザクションを個人が送ることも可能ですが、1個あたり約128KBという単位の大きさから、実質的にはロールアップ事業者向けの仕組みです。一般ユーザーはL2を使うことで間接的に恩恵を受けます。

Blobの手数料はどう決まりますか?

通常のガスとは別の「Blobガス」市場で、需要に応じて価格が自動調整されます。EIP-1559と同様に、利用量が目標を超えると価格が上がり、下回ると下がる仕組みとされています。具体的な価格は常に変動するため公式情報を確認してください。

Blobと自分の資産の安全性は関係ありますか?

Blobはデータ投稿コストの仕組みであり、ウォレット秘密鍵管理とは別の話です。資産の自衛策としては秘密鍵の適切な管理が基本であり、ハードウェアウォレットの解説記事も参考にしてください。

免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。最新の情報は公式情報をご確認ください。

この記事について

執筆・編集:Bitcoin Analyze 編集部

金融庁・国税庁および各事業者の公式資料にあたり、基準日と定義を固定したうえで記事を作成しています。価格予測や利益保証は扱いません。事業者の条件は変更されるため、最終的な判断は公式情報をご確認ください。

主な参照先

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