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ETF時代にビットコインのボラティリティは下がったのか?データで検証

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ETFに機関投資家の資金が流れ込んだのだから、ビットコインの荒い値動きは落ち着いたはずだ——この見立ては、半分だけ当たっています。長い目で見た変動率は確かに切り下がってきました。それなのに、以前より資産の増減に肝を冷やしている人は減っていません。逆説のようですが、これにははっきりした理由があります。

この記事では、ボラティリティ(価格変動の大きさ)が実際にどう推移してきたのかを段階ごとに整理し、ETFの登場が値動きの何を変えて何を変えなかったのかを分けて見ていきます。あわせて、誰でも表計算ソフトで同じ数字を出せる検証手順も示します。読み終えるころには、「変動が小さくなったからもっと買える」という短絡を避け、自分の持ち高を数字で決められるようになるはずです。

整理にあたっては、変動率の一般的な算出方法と、現物ETFが市場構造に与えた影響について語られてきた公開情報を突き合わせています。数字は算出期間や参照する取引所によって変わるため、ここでは水準そのものより方向感と読み方を重視します。順に見ていきましょう。

結論:長期では下がっている。ただし穏やかになったわけではない

先に結論をお伝えすると、ビットコインの年率換算ボラティリティは、初期の三桁に届く水準から長期的に切り下がってきたとされています。市場の規模が大きくなり、一定額の売買で動く値幅が相対的に小さくなったためです。

ただし、下がったのは平常時の平均的な揺れであって、急落の深さではありません。金融政策の発表や大口の強制決済が重なる場面では、いまも一日で10%前後動くことがあります。平常時が静かになった分だけ、その落差が体感的な怖さを増幅している、というのが実態に近いと考えられます。

まず測り方をそろえる

計算は三段階で終わる

ボラティリティは難しい概念ではなく、手順は三つだけです。第一に、日々の終値から対数リターン(前日比の自然対数)を出します。第二に、その並びの標準偏差を求めます。第三に、年率に直すため365の平方根(およそ19.1)を掛けます。暗号資産は土日も動くため、株式で使う年間およそ252営業日ではなく365日を使うのが一般的です。

期間の取り方で数字は変わる

同じ資産でも、30日で測るか1年で測るかで結果は大きく変わります。短期は直近の出来事を強く映し、長期は平準化されます。誰かが示した数値を見るときは、必ず「何日間で測ったのか」を先に確認してください。この一点をそろえないだけで、下がった・下がっていないという結論は簡単にひっくり返ります。

推移をおおまかにつかむ

下の表は、公開データをもとに一般に語られてきた水準を段階ごとにまとめた目安です。算出期間や参照先で数字は動くため、正確な値というより流れをつかむための地図として見てください。

時期 年率換算のおおよその水準 背景として語られること
黎明期(2013年前後) 100%を超える局面が多い 市場が小さく、取引所の障害や規制報道だけで一日に20%以上動いた
拡大期(2017〜2021年) おおむね70〜90%台 参加者は増えたが、証拠金取引の連鎖的な強制決済が値動きを増幅した
整理期(2022〜2023年) おおむね50〜70%台 大手業者の破綻を経て、過剰な借り入れが市場から抜けた
ETF上場後(2024年以降) おおむね40〜60%台に収まる局面が増加 現物の受け皿が常設され、板の厚みと裁定が効きやすくなった

方向としては一貫して切り下がっています。ただし、どの段階の中でも相場の節目では一時的に倍近く跳ね上がる期間が必ず存在します。平均だけを見て安心しないことが大切です。

ETFが変えた三つのこと

現物の受け皿が常設された

現物型のETFは、資金の流入があるたびに裏付けとなる現物を買い付ける仕組みです。日々の売買に、値動きを追いかけない一定量の需要が組み込まれたことになります。これが下値での吸収役として働き、薄い板が一気に食われる場面を減らしたと説明されています。

裁定が価格をそろえる

ETFの市場価格と裏付け資産の価値がずれると、その差を取りにくる参加者が現れます。この動きが常時働くことで取引所ごとの価格差が開きにくくなり、極端な値段が長続きしにくくなりました。

株式や金利との連動が強まった

証券口座から買えるようになった結果、株式と同じ判断で売買される割合が増えました。ビットコイン固有の材料より、金利や景気の見通しで動く時間帯が増えたのはこのためです。他の資産と違う値動きを期待して分散先に選んでいた人にとっては、性質の変化として押さえておくべき点になります。

それでも下がっていないもの

平均が下がる一方で、変わっていない性質もあります。

  • 急変時の瞬間的な変動幅。証拠金取引の強制決済が連鎖する構造は残っています
  • 米国市場が閉じている時間帯や週末の値飛び。ETF自体は24時間動くわけではありません
  • ビットコイン以外の銘柄。一般に規模が小さいほど変動は大きく、その傾向は続いています

そして最も見落とされるのが、変動率が下がると人は持ち高を増やしてしまうという点です。値動きが3割落ち着いても持ち高を5割増やせば、資産全体の揺れはむしろ大きくなります。冒頭の逆説の正体はここにあります。指標が改善したことと、自分の資産が安全になったことは別の話です。

数字を自分の持ち高に落とし込む

実務的には、変動率は「許容できる下落額」を逆算する材料として使うのが分かりやすい方法です。たとえば資産全体で耐えられる下落を10%と決め、下落局面での値下がりを50%と想定するなら、組み入れ比率の上限は2割という計算になります。この線を先に引いておけば、相場が静かな時期にじわじわ持ち高が膨らむのを防げます。

検証用の価格データは、国内の登録業者が公開している取引画面からも取得できます。ビットバンクGMOコインのような取引所では板や約定の履歴を確認でき、日足の終値を並べれば先ほどの三段階の計算はすぐに試せます。指標の読み方はテクニカル分析の記事群、持ち高の決め方は投資戦略のカテゴリでも扱っています。

よくある質問(FAQ)

ボラティリティが下がると利益も小さくなりますか

短期の売買で値幅を取る手法では、機会が減る方向に働きます。一方、長期で保有する立場では、途中の下落に耐えやすくなるという意味で有利に働く面があります。どちらに効くかは保有期間の長さ次第で、一律に良し悪しは決まりません。

30日と1年、どちらの数字を見ればよいですか

目的で使い分けます。いま相場が過熱しているかを見たいなら30日、資産配分の比率を決めたいなら1年以上の数字が向いています。両方を並べて、短期が長期を大きく上回っているときは相場が荒れている局面だと読み取れます。

アルトコインでも同じ計算でよいですか

計算方法はまったく同じです。ただし取引が薄い銘柄では終値が飛びやすく、数値が実態より大きく出ることがあります。出来高が極端に少ない期間を含めないよう注意してください。

変動が小さい時期こそ危ないというのは本当ですか

断定はできませんが、静かな時期に持ち高や借り入れが積み上がり、それが一気に巻き戻るという流れは繰り返し観測されています。指標が落ち着いているときほど、あらかじめ決めた上限を守れているか確認しておくと安全です。これから始める方は暗号資産の始め方ガイドもあわせてご覧ください。

免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。最新の情報は公式情報をご確認ください。

この記事について

執筆・編集:Bitcoin Analyze 編集部

金融庁・国税庁および各事業者の公式資料にあたり、基準日と定義を固定したうえで記事を作成しています。価格予測や利益保証は扱いません。事業者の条件は変更されるため、最終的な判断は公式情報をご確認ください。

主な参照先

Bitcoin Analyze 編集部

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